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異世界ヒーローはチート使い  作者: みか
一章 異世界ヒーロー編
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第二話 罪人





キイイイイイィィィィィィンンン……





白くなっていた視界が再び元に戻る。だが、元に戻った俺達が見た光景は全く知らないものだ。

入り組んだ路地に煉瓦造りの家。その中でも目立つ大きな頑丈そうな城。決定的に違うのは道行く人だ。女性は派手なドレスを着、男性は立派なスーツを着ている。よく異世界で見るような設定が現実となっていた。俺達が居た世界とは異なる。




「な……何だこれ」

「これって、小説とかである異世界ってやつじゃない? 凄いよ!」




こんな時でも美代は元気だった。

だが俺の気分は最悪だ。早く元の世界に帰りたい。




「マジで異世界に来ちゃった? すげー! な、秋哉」

「何で喜んでんだよ!」




鷹広がムカついたのでとりあえず叩いたら。

それはともかく、いつまでも留まるのはまずい。




「お前ら、移動するぞ」

「えー。先生の意地悪ぅ」

「そうそう、先生の馬鹿やろー。脳ミソカチコチ」

「……これは遠足じゃないし先生になった覚えもない。そして鷹広は後でぶっ殺す」




ここで俺は気付いてしまった。

辺りを見回してみても文乃の姿が見えない。

もしかして迷子か?




「鷹広、草部。文乃の姿を見たか?

こっちに来てからだ」

「んー? そう言えばみてないかも。興奮してて気付かなかった」

「確かに見てねぇな」




まずい。まずいぞ……文乃のはぐれた!

しかもここは全く知らない街中。これでは探しに行けない。




「どうすれば……どうすればいい」

「…少し落ち着けよ、秋哉」

「落ち着いてられるかっ!」




柄でもない大声を出してしまった。

鷹広もビックリしている。




「お、おい秋ち―――――」

「貴様ら何者だっ!!」




完全装備の騎士達が五人来た。全員、銀の甲冑を着けている。これでは逃げられない。

四人の騎士は俺達を囲い、槍を突き付ける。これで身動きが取れなくなってしまった。

身動きが取れなくなったのを確認した一人の騎士が近付いて来る。




「怪しい者達め……国王殺害の容疑で貴様らを拘束する! 大人しくしていろ」




騎士の言葉に取り囲んだ騎士達はロープを取りだし俺達の体を縛る。

冗談じゃない、俺達が国王殺しの犯人なんて。




「何かの間違えだ! 第一、俺達はこの世界に来たばかりで国王を殺すなんて出来ない」

「そ、そうよ! だから離してぇー」

「フン。そんな見え透いた嘘を信じると思うか?

魔法があるのだ。この時期ならば簡単な事。

連れてけ!」




意見は通らず、拘束された俺達は騎士達に連れて行かれた。












「……んん? ここ…どこだろ」




一方で文乃は森の中に一人、佇んでいた。太陽の陽射しが届いてないのか森は薄暗く不気味だ。それにここに来る前は秋哉や鷹広、美代も一緒だったが今は居ない。

寂しい、怖い。




「あ、アキ? 三浦君、美代ちゃん……居るんでしょ?……………」




どんなに呼んでも出てくる気配はない。本当に居ないようだ。




「うーん…………どうしよ」






カサカサ






背後の草むらから音がした。文乃はどちらかと言うと心霊系は苦手でない。秋哉に比べれば大丈夫な方だった。

文乃はあまり慌てずに振り返り草むらを見つめる。




「…………(じーーー)」





カサカサ




「っぷは! あ~苦しかった………ん?」




草むらから顔を出す生き物と目が合った。

柔らかそうな毛に垂れ下がる耳。まだ子供なのか幼い顔立ちをしている。これはドワーフの特長と同じだ。




「あのさっ」

「ににに人間!!」




ドワーフは何故か慌て始めた。

草むらから顔を引っ込めるが未だガサガサと音がする。




「どうしたのー」




文乃は優しい声で言うと草むらに顔を突っ込む。

見ると怯えるドワーフの顔、そして頭や腕に引っ掛かる枝が見えた。




「ああああ」

「…大丈夫。私は人間だけど何もしないから…

取ってあげるね」




笑顔で言うとドワーフはまだ怯えてるものの大人しくなった。枝を取り終え、草むらから二人して出る。変わらない風景だが文乃には明るく見えた。




「あ、あの…」

「ん? どうしたの」




もじもじしながらドワーフは言う。




「お姉ちゃんは人間だよね? 何で助けてくれたの」

「私の友達でヒーロー好きな人が居るんだけど、彼の隣に立ってもおかしくない人になりたいの。

それにアキだったらきっと同じ事してた」




不器用であまり感情は出さないけど困ってる人は絶対に放っとかない。それがヒーローだから。




「……あっ、誰か来たよ隠れて」

「う、うん」




ドワーフと一緒に近くの木の後ろに隠れ、暫くすると二人の男がやって来た。何やら楽しげに会話をしている。




「聞いたか? 国王殺害の犯人が捕まったってさ。噂じゃまだ子供らしいじゃねぇか」

「そうだな。確か、一人の子供が俺達は異世界(・・・・・)から来たって叫んでたらしいぞ」





男が通り過ぎた後、文乃は地面にしゃがみ込んだ。

まさか皆が掴まってるなんて……それに国王殺害って絶対にアキ達じゃない。




「……さっき男が言ってた子供って」

「うん、私の友達。どうしよう」




国王殺害で掴まってるのなら最悪死刑になり殺されてしまう。だが、一人では難しい。





「あの、私も手伝います! 助けてもらったお礼がしたいんです」

「良いの? ありがとう!! 私は姫路 文乃だよ。よろしく」




「アヤノさんですね。私はミュミュ・アルヴェートと申します。私に考えがあります」





こうして文乃はドワーフの少女、 ミュミュと共に秋哉達を助ける行動へ移る。


所々、描写が変わってます。

苦手ながら加えてみました!


ここが変というのがあれば言って下さい!!


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