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異世界ヒーローはチート使い  作者: みか
一章 異世界ヒーロー編
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第一話 いざ、異世界へ!






「おはよう、アキ! ほら起きる起きる。

遅刻しちゃうよ」

「ん~…………何だ文乃か」




冷静に説明すると今居る場所は俺の家で俺の部屋。そして俺を起こしてる人物は姫路文乃ヒメジ アヤノという幼馴染みだ。この文乃とは家が隣でいつも不法侵入してくる。もう慣れたが。




「おはよう、アキ」




俺の布団を奪い去ったまま笑顔で言う文乃に心臓がトキメいてしまうのは俺だけだろうか。

いや、俺だけじゃない筈だ。




「……はよ。っ寒っ…………文乃、また窓から侵入したな?」




困った事に文乃はいつも窓から侵入してくる。

文乃と俺の部屋も隣で高さも同じ。隣との幅もあまりないから簡単に来れる。




「えへへ。だってアキは朝が苦手でしょ?

私が起こさないと遅刻するでしょ」




それもそうだ。

訳あってこの三階建ての家に独り暮らし中の俺には文乃は目覚まし代わりだった。




「…それもそうだな」

「それにしてもさ、高校生になってもアキは変わらないね」




文乃はそう言って部屋を見回す。

俺の部屋には子供の頃から集めたヒーローのグッズが飾ってある。ポスターは壁に貼り、フィギュアはガラスケースに飾っている。

確かに高校生にもなって子供っぽいと言われるが好きなものは仕方ない。




「しょうがないだろ、好きなものは仕方ないんだ。

文乃はもうこういうのは卒業か?」

「えっ…あ、うん」




笑顔が取り柄の文乃の笑顔が曇った。その事に少しばかり心配になってしまう。




「あっ! アキ早く着替えなきゃ。私は外で待ってるからね」

「おぅ」




文乃が出て行ったのを確認してタンスの中からまだ真新しい制服を取り出す。






「よっ、待たせたか?」

「大丈夫」




昨日作っておいた弁当を入れた鞄を持ち外に出ると地面を見つめる文乃の姿。

声をかけると相変わらずの笑顔で返事が返ってきた。




「……あー。学校ダルいな」

「もぅ、またそんな事言って。

私は楽しいけどなー学校」




楽しいか楽しくないかなんて見れば分かる。いつも明るい文乃は学校で友達に囲まれているからな。

そういう俺は友達が居ない訳じゃない。居るは居るが…




「よっ、文乃ちゃんと秋哉あきちか!」




噂をすれば…




「おっ。三浦君に美代ちゃん おはよう」




今日は美代も一緒だったのか。

家は少し離れてるのに珍しい事もあるもんだ。




「朝から相変わらずラブラブですなー文乃。

本当に付き合ってないの?」




「み、美代ちゃん! ななな何言ってるのっ」

「うっ」




な、何故そこで俺を見る!?

そこはまず否定だろ。否定しないのか?



俺と文乃の反応を見て笑う草部美代くさべ みよ三浦鷹広みうら たかひろ。この二人は小学校から付きまとわれていて達の悪い事によく俺達をからかう。




「さてと。朝から笑ったし行くか……ん?」

「何だ? 今度は騙されないぞ」




美代が何かを見つけたようだがこれは恐らく鷹広と美代が考えたイタズラだろう。




「違うって……あれ、光ってるの何だろ」

「ひ、光って」

「怖がりな秋哉は放っといて、どこどこー?」




怖がりで悪かったな。

鷹広は俺の頭を踏み台にして美代の言った光を探す。俺も勇気を振り絞り見てみる。

美代の言った通り光は七色に輝いている。虹とは別の何か触れてはいけないような気がした。




「お、おい早く行こうぜ」

「まだ怖がってんの秋哉? 私は触るよ! 文乃はどうする」




どうやらもう俺が止めても無駄らしい。鷹広と美代は怪しい光に触れようと意気込んでいた。

興奮した面持ちで文乃も誘う。




「私も触ってみたいっ! アキも触るよね」

「うぐっ!」




そんなキラキラした瞳で見られたら断れない。

昔からハイテンションな文乃を誰も止める事が出来なかったからな。




「はーい、秋哉も参加で全員参加という事で」

「鷹広。こっちは遊んでる余裕はないんだが」

「はいはい、そこまで!

それじゃ位置について」




まるでこれからマラソンをするような感じだが違う。何が起こるか分からない恐怖。緊張で手が汗ばむ。左右を見ると文乃も鷹広もついでに美代も固唾を呑んでその時を待っていた。




「ゆ、ゆっくり全員で触れるよ」




そう言って美代が光に向かって手を伸ばす。それに続いて鷹広、文乃も伸ばした。勿論俺だけやらない訳にもいかず手を伸ばす。




「……あ」





今までにないぐらい心臓が高鳴る。






全身から汗が出る。







体温が高くなる。







そして俺は、俺達は光に触れた――――――――――――――とその時






















パアアアンンン………………


















目の前が白くなった。




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