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異世界ヒーローはチート使い  作者: みか
一章 異世界ヒーロー編
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第十二話 ギルドカード






「あ、遅いよー!おかえり」




色々な思いを抱えながらギルドに帰った俺達を待っていたのは鎧男と草部だった。どうやらすっかり仲良くなったらしい草部と鎧男は俺達に挨拶した後、またおしゃべりしていた。




「うふふ。イーゼルさん、すっかりモテモテですね」

「お帰りなさいマスター……えぇ、すっかり懐かれてしまいました」




レティファと話す鎧男は嬉しそうだ。

こうして見ると鎧男もなかなか良い奴なのかもしれない。




「あれ、この人がマスターさん?私の想像と違かった」

「そうでしょうね、マスターは基本的に男性が多いので…まぁ、私の知り合いは女性ですが」




知り合い?

何の話をしてるんだ。




「それはさておき、初めましての方もいらっしゃるので自己紹介をしましょう。私はこの精霊の長靴(フェアリー・スキップ)のマスター レティファ・エンブレムです」

「初めまして、私は草部 美代だよ!よろしく〜」

「初めまして。姫路 文乃です、よろしくね」

「俺は三浦 鷹広」

「……成瀬 秋哉」

「わ、私はミュミュ・アルヴェートです」




自己紹介を済ませると何となく良い雰囲気になった。そんな中




「ミュミュさんの弟さんの話はリリベル様から聞いています。ギルドに属していれば手に入る情報が多いのでそれまで待ちましょう」

「はい。ありがとうございます!」




まぁ、ギルドに入ったは良いが待つだけじゃつまらない。




「それでですが、どうせならギルドカードを作ってみてはいかがですか?」

「…ギルド…カード?」

「はい。ギルドカードはどこのギルドでも発行出来ます。登録すると、依頼を受ける事が出来、レベルを上げる事が出来ます」




ミュミュの弟は何かの事件に巻き込まれた可能性が高い。この先、強敵と当たる可能性があるからには強くなっていた方が良い。




「おぉ!面白そうじゃん」

「やろやろー!」

「ふふっ…それではあちらにある機械に手を置いてみて下さい」




レティファが言う先には小さな機械がある。変哲も無いが真ん中に手形の跡があった。そこに手を置くらしい。




「ほら、最初は秋哉から行けよ」

「何で俺から何だ」

「後がつっかえてるんだから早く早く」




っだったらお前から行けよ。と言いたかったが面倒臭くなりそうなので止めた。

観念して機械の前に立つ。何が起こるか分からない恐怖…次第に手が汗ばむ。




「何してんだ秋哉!ただ乗っけるだけだろ」

「くっ、分かってる」




鷹広がうるさいがこれ以上、ここに時間を掛けてはいられない。




「………」




手形に同じように手を置く。すると手形が光だした。

というか大丈夫なのか?




「ッ!お、おいレティファ!こっこれは大丈夫なのかッ」

「はい。慌てなくても大丈夫ですアキチカさん」




レティファも含め、笑われてる気がするが今はそんな事を気にする余裕はない。




「頑張って、アキ!」




背後に文乃の励ましを聞きながら光がどんどん小さくなった。すると機械からピピッと音が鳴り出す。




「終わりましたね。アキチカさん、もう少しそのままで居て下さい」

「…あぁ」

「なぁ、レティファ。この機械ってギルドカードと何か関係があるのか?」

「ありますよ。この機械はギルドカードを発行する為の機械です…どうやらアキチカさんのギルドカードが発行されたようです」




レティファの言葉に機械を見ると下からカードが出てきた。カードは全体的に白く、黒文字で何かかかれついる。




「それで、もう離して良いのか?」

「はい。もう大丈夫ですよ」




機械からゆっくり手を離して出てきたギルドカードを取る。カードには自分の名前と基本的な情報、生物の横にデカデカとEと書かれていた。




「……このEって何だ?」

「あ、それは現在のアキチカさんのレベルです。これは依頼をこなしてくにつれ上がります。一番下からE D C B A S SSと七種類あります」

「そんなにあるんだな……ちなみにレティファのレベルは何だ?」

「えっ?わ、私ですか」




恥ずかしいのかレティファは顔を赤くさせている。よっぽど低いのかと思ったが違かった。




「マスターはSランクだよ」

「も、もう!イーゼルさん」

「マジで!すげえなレティファ」

「うん、凄いよ」

「ありがとうございます。でもマスターなら大体はSかSSランクなんです…」

「それじゃ、皆強いんだね」

「…えぇ。SSランクは世界でも十人居るか、居ないか程度なんです」




そう言うレティファの表情が少し曇ったのが気になる。こいつも何か抱えてるのかもしれない。




「では順番にどうぞ」












数分後。全員の発行が終わった。結果は勿論、全員が最低ランクのEだった。




「ギルドカードも作ったし、早速依頼受けようよ!もしかしたらミュミュの弟の手懸かりが分かるかもしれないし」

「そうだね!良いかも」

「わ~。あ、ありがとうございます!」




依頼か…手始めに依頼は悪くない。

それにしてもこのギルドは依頼があるのか?




このギルドは森の中にある。いちいち森の中にあるギルドに依頼はしない。




「……それが。依頼はある事はありますが………」




…何だ?

何か言えない事でもあるのか。




「マスター、私が。……個人のランクとは別にギルドにもランクがあってそのギルドのランクは依頼にも影響します。………このギルドは…Dランクなんです」




Dランク…下から二番目か。だからこのギルドに来る依頼は少ないんだな。




「……驚きましたよね……ミュミュさんの弟さんは恐らく、何かの事件に巻き込まれています。他のギルドの方が依頼も多く、すぐ手懸かりが見付かるかもしれません………もしよろしければ私の友人がマスターのギルドを紹介します」




…見るに耐えられない。

レティファは今にも泣きそうで何とか堪えてる感じだ。騙すつもりは無いんだろう。俺達が居なくなればまた二人になる。でもそうなってまでも俺達を止めるつもりは無いらしい。




だが、そこまでしてこのギルドのマスターを続けるのは何故だ?




「………レティファ、一つ聞くがお前は何故このギルドを続ける?」

「あっ…………それは…………………元はこのギルドは父が経営していたんです。ですが両親は魔国マーラの者に殺されてしまい私が受け継いだんです……父が大切にしていたこのギルドを手放す事はどうしてもしたくなかったので」




それが理由か。

重いな。




「そんな事があったんだ…」

「はい。で、でも皆さんがギルドに居る理由はありません!皆さんだって強いギルドの方が良いと思いますし」

「…………ダメだよ」

「…えっ?」




始まった。

まぁ、ここは文乃に任せておくか。




「レティファはこのギルドが大好きなんだよね?でも私達だってレティファが大好きなんだよ!」

「~~!!で、でもっ私達はまだ出会ったばかりで」

「確かに出会ったばっかりだけど私はレティファがどれぐらいギルドを愛してるか分かるし、人柄も分かる。これから仲良くしたいって思っちゃダメ…かな?」




…俺も塞ぎこんで居たとき、文乃の言葉に救われた。文乃の言葉には不思議な力がある。




「…あ、あ……………うぅ…ありがとう…ございます」

「…良かったですね、マスター」




俺は改めて思った。

文乃と会えて良かった…。





そして同時に沸き上がる憎悪感に違和感を覚えた。





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