アヴァロン⑤
ラドクリフの搭乗するエグザスは雄大を小脇に抱えながら、リアジェットを駆使して一路、機関部動力炉に向かって突き進む。
壁を蹴りつつ角を曲がり、防御システムの残骸を弾き飛ばした。
「こうやってお前を乗っけてると……ガキの頃、自転車を二人乗りした時の事を思い出すな!」
「いつも俺がペダル回してたのに──か? 乗っけてたのは俺だろ」
「そうだっけ?」
「そうだよ」
「まあとにかく嬉しいよ雄大。俺は昔からこういうのが夢だった。ダチとカッコ良く善良な市民の危機を救うんだ、マンガや、映画のヒーローみたいにな、ヘヘッ。夢が叶ったぜ」
雄大はこの幼なじみのラドクリフが全く変わってない事に少々面食らっていた。ハイスクールからは特にお互い違う友人達と付き合い出し、会話を交わす事も少なくなっていた。
『ラドクリフは変わった』
雄大はそう思っていた。下品な言葉を使う頭空っぽの荒っぽい連中、誰よりも速く走る彼を見て嬌声を上げる女子。
雄大のいる世界とは違う人々に囲まれて輝いているラドクリフを外から見る事が多くなっていた。
「俺は馬鹿で、すぐカッとなるからパイロットにはなれなかった。悔しかったぜマジで──月一等市民のオヤジやダチと俺は違う世界の人間なんだ、って。元々住む世界が違うんだ、って──先生やらに言われてな」
ラドクリフは興奮気味に語った。雄大と会話をする、と言うよりは独白に近かった。
「ラドクリフ──」
「こうやって宇宙に出て、キャプテン・ローガンみたいに宇宙船ウルフ号に乗って暗黒星雲人や機械帝国から皆を守るのが夢だった」
「そういやラドはかなりのローガン好きだったよな」
「おうよ、俺はガキの頃、ローガンみたいな凄腕の宇宙船パイロットになりたかった──あと少し、この区画を抜けたら機関部に入る」
広間が見え、同時にファイネックス社の傭兵達の遺体が見えてくる。
「雄大、今のお前、キャプテンみてえじゃないか?」
「俺?」
「ああ、ローガンは宿敵のトレッド大佐の陰謀でスペースレンジャーのキャプテンから一転、お尋ね者になる。でもローガンは諦めずに同じような境遇の凄腕仲間を集めて正義のため、皆を守るために戦うんだ」
雄大は苦笑いするしかなかった。
自分とマンガの英雄キャプテン・ローガンとでは違いがあり過ぎる。月の駐留艦隊司令官である父親と家柄のプレッシャーに負けて自暴自棄になってた。我慢出来るはずの嫌がらせに屈してつまらない暴力を振るって色んな人を失望させた──おそらく目の前にいる親友も──
「俺達は今、最高にかっこいいと思わないか雄大、宇宙港の危機に敢然と立ち向かうヒーロー。マジでローガンみてえだ。さしずめ俺は相棒のガンマン、リボルバー・ジャックかな」
(ラドクリフは、コイツは全然変わってないなぁ……)
「知ってたか? ローガンよりジャックの方がシブくて人気あったんだぜ?」
(まあ俺はヒロインのアリサと敵の女幹部のコスチュームが目当てだったんだけど……)
流石にこれは言わない方が良いだろう、雄大は苦笑いする。
「ああ、そういやジャックが主役のスピンオフ漫画、結構出てたっけ」
(懐かしいな。妹の由利恵、ラドクリフ──で俺。三人でマンガとか回し読みしてたな)
ラドクリフはあの頃から何も変わってなかった。
変わっていったのは自分、ラドクリフとの間に壁を作ったは自分の方だったか、と雄大は気付かされた。
槍で胸を貫かれて壁に突き刺さった金髪の大男。
彫像のように動かなくなった敗れ去った英雄を横目で見ながらラドクリフと雄大は動力炉に入っていく。
◇
メイン動力炉、三基のワープドライブの内、ニ基が据え付けてある。正にキングアーサーの心臓部だ。
ドライブは裸眼での直視が難しいほど青白く光り、大きな唸りを上げてエネルギーを絞り出しているがまだまだ全開ではない。
「良かった、コアは損傷してないし、オーバーロードの兆候もない」
「エンジニアでもないのにそんなことまでわかんのか?」
「任せろって、下に降りよう」
高低差20メートルはある足場から一気に最下層に飛び降りた。ラドクリフは着地するとしゃがみ込んでエグザスの巨大な腕から雄大を解放する。
「どうすんだ?」
雄大はコアに背を向けて反対側の無数にある端末機をチェックして回った。
「あったぞ! ラドクリフ、このパネルを引き剥がしてくれ」
雄大が指定した箇所には透明なパネルがあり、その向こう側にやたらと大きな0~9までの数字が浮かぶタッチキーと音声受付用の集音器、そして何かのカードを差し込むスロットが付いていた。
「なんかこれ見たことあるな?」
「そりゃそうだよ──あ、慎重にな。中の機械を壊すなよ」
言われるままにラドクリフが頑丈にロックされたパネルを無理矢理引き剥がす。
雄大が赤いボタンを押すと端末の液晶に光が灯る。
「えっ? 操作に反応したぞ?」
ラドクリフは驚きの表情でその端末を色んな方向から眺め始める。少し前、ブリッジで散々コンピューターを弄ってきたがウンともスンとも言わなかったはずだが。
「俺とした事がこんな基本的な事を思い出せなかったなんてな。ホント間抜けだったよ」
雄大は集音器に向かってゆっくりと大きな声で喋り始める。
「強制シャットダウン」
その言葉を受けて液晶画面に文字が表示される。
『音声コード入力?』
「円卓の騎士よ集え、アーサー王がキャメロットで待っている」
キャメロット、と雄大が発音し終えた瞬間、液晶画面に新たな文字が追加される。
『起動キー入力?』
「いち、なな、にー、はち、ごー、ろく、ろく、まる──っと」
『コード確認。動力、強制シャットダウン、してよろしいですか?』
「勿論だ、シャットダウンしろ」
『シャットダウン開始。しばらくそのままでお待ちください。事故防止のためワープドライブ・コアの整備はシャットダウン完了後一時間経過してから行ってください』
ガコン! とニ基のワープドライブ・コアから大きな音がする。ブォンブォンと何かを振り回すような音とカチカチと何か時計の秒針が時を刻むような音が一際大きくなり、次第にその音が鳴る間隔が長く、音量が小さくなっていく。
雄大は通信機を取り出した。
「牛島さん? 聞こえますか?」
『はい、宮城さん──何をしたんですか? 船の動力が落ちてるみたいですが──』
「いいですか牛島さん、時間がありません。よく聞いて。ブリッジのコンピューター制御ネットワーク用のシナプスを切断してポジトロニック・ノードと切り離してから牛島さんの人工頭脳とキングアーサーを直接リンクさせてください」
『は?』
「強制シャットダウンで電力供給が無くなってポジトロニック・ノードは制御を失ってます。予備電源使って再起動をかけられる前に、ノードとアーサーを繋ぐ回線を物理的に遮断してしまえばノードからコントロールを奪える! 急いで!」
『おお、なるほど! では早速──』
ラドクリフはまるで魔法を見ているような気分だった。
「おい雄大、なんでこんな大事な動力炉の端末が操作出来るんだ? その人工頭脳がロックをかけるならここが一番大事なんじゃ?」
「キングアーサー、ってリオル大将達の組織が造らせた戦艦だけどさ。結局はプロモ基地で造られてたわけで、連邦宇宙軍の軍艦の一つに過ぎないんだよ」
「はぁ──」
「軍艦は制御コンピューターが壊れた時やハッキングを受けた時のためにこうやって強制的に船の機能を停止させるんだ。独立した原始的なシステムだから、ポジトロニック・ノードだろうが何だろうが介入は不可能だ。直接、音声とテンキーの手入力でこの作業は行われる」
「あ、そういや起動キーを入れないと軍艦は動かないらしいな。こっちに来る前、月の港ではそれで少し手間取ったよ」
「その通り」
雄大は自信たっぷりに笑う。
『宮城さん、切断完了しました。でも、これだと結局電源が入れられないからこのままの勢いでこの戦艦は宇宙港に突っ込むんじゃ?』
「ですから、今からコアに再起動を掛けます」
『いや、そんな事言われましてもね? お言葉ですが制御コンピューター無しでは逆噴射ノズル一つ満足に動かせませんよ』
「だからさっきも言ったでしょ。牛島さんの人工頭脳とキングアーサーを直接リンクさせてくださいって。牛島さんがポジトロニック・ノードの代わりに、この戦艦の制御コンピューターになるんですよ」
『はいィ?』
「早く! 間に合わなくなる!」
『わ、分かりました──ちょっと、ちょっと待って!』
牛島は珍しく慌てていた。
「まだですか! 急いで!」
『や、やってます──あ、アヒャ──』
数秒ほど返事がない。
『せ、接続してみましたけど?』
「今から電源を入れ直します。どういう影響があるかわかりませんが、とにかく頑張ってください。牛島さんだけが頼りですから」
『あ、はい、どうぞ──は、初めての経験ですが』
薄暗くなった動力室、雄大は通信機片手に先ほどのように端末を操作した。
「動力再起動──17285660──」
再びガコン! と大きな音が辺りに響き渡る。
「牛島さん? どうですか!」
『おっ、おっ──これは──ぬふぉ』
「えっ? コントロール出来そうなんです?」
『凄い──おお、凄いですね。これは! 気持ち良いです!』
通信機からではなく、動力室のスピーカーから牛島の声とは違う無機質な男性の声で返答がある。
「うおおお、すげえ、成功だ! 成功したんだろ? やったなオイ!」
ラドクリフはエグザスを着込んだままバンバンと手を叩いて喜んだ。
「まだまだだ! こんなもんじゃこのデカブツは止まらない!」
『逆噴射とかやってみますね?』
「今からすぐそちらに向かいます──ラド悪いけど今度はブリッジだ」
「おうよキャプテン・ローガン! 任せとけ」
◇
キングアーサーはかなりの速度で木星宇宙港めがけて突進していた。
「これは──」
ブリッジの中にまで、ほぼ限界ギリギリまで一般人を受け入れたシャイニーロッドのブリッジ。リクセン大佐は微かに震える己の膝を叩いた。
「た、退避、退避する! 間に合わんくなる前に木星宇宙港から距離を取れ! しかる後に艦首粒子砲にてキングアーサーの破壊を──」
ふっ、と老人の頭の中にシャイニーロッドごとキングアーサーに突貫して衝突コースを少しでもずらすべきだったのでは無いだろうか、という迷いが生じた。
(今となってはもう遅い──ワシは判断を過ったのか? いやシャイニーロッド、ユニコーン級ごときの船体強度では気休めぐらいにしかならんか?)
木星宇宙港に残っていた者達、今正に生命の危機にある彼等以外の連邦市民達はクーデター側、改装特務艦隊の抵抗が止んだのを見てこの事件が完全に終結した物だと思っていた。元々中継には時間の誤差がある。この瞬間、木星宇宙港で起ころうとしている惨事に気付く者はいない。
「民間人の脱出はどれぐらい進んでおるか?」
「宇宙港関係者、公社の職員含め、未だ数千人単位で──」
「は、半分も退避出来て無いのか」
リスクを承知でキングアーサーのエンジンを破壊する手もあったが、万が一、粒子砲を中途半端に浴びせかけた事であの大きなキングアーサーを動かしている特大のワープドライブ・コアが暴走して巨大な渦を形成したら──木星の北極側に近付ける民間船は途絶え、経済活動は10年単位で止まってしまうだろう。
「不本意な、全くもって不本意な二者択一じゃ……」
リクセンはビューワーに映る光景から目を逸らすように帽子を深くかぶり直した。
「リクセン艦長! タイダルウェーブが──」
副官がビューワーの画像を切り替える。
宮城裕太郎大将が乗り込み、臨時の第一艦隊旗艦となっている戦艦タイダルウェーブが船体をキングアーサーに擦り付けるようにして軌道を少しでも逸らそうと体当たりを敢行していた。
「裕太郎、お前……」
「自殺行為だ!」
「何も死にに行く事は無いでしょう! 艦長、止めさせてください!」
ブリッジクルー達が悲鳴を上げた。
「た、タイダルウェーブに交信……いや、ワシが言うて聞くような、素直な奴でもあるまいて」
諦め、疲れ果てたようなリクセンの声。
副官は顔を引きつらせながら、ビューワーに向かって敬礼する。
「え、縁起でもない! やめんか!」
「しかし艦長、あれはどう見ても──」
「信じよう、あやつが自棄を起こしてる訳じゃなく、何か勝算があってやってる事だと」
◇
モエラ少将の乗り込んでいる重巡洋艦ミノタウロスは追いすがりながらキングアーサーに粒子砲を浴びせる。
ミノタウロスのブリッジ、ビューワーに映るのはアラミス支店号、キングアーサーの船体にへばり付くように接近している。
「魚住殿、もうどうしようもない! この上は少しでもこのデカブツの質量を削ぎ落とし、被害を最小限に留めねば! お味方の船にもそうお伝えくださらんか?」
モエラが言うアラミス支店号の味方というのは挙動不審な四隻の船である。ほとんど戦闘には参加せず、無人艦と違って速度も速いはず。この戦力を遊ばせておく手はない。
『──あれは、我々の味方とは申しますが──地球連邦の味方では、無いのです』
魚住が音声のみで返答してくる。なんとも歯切れの悪い口調。
『彼等にはユイ様を守る義はあれど、地球連邦や公社を守る義理は持ち合わせてはいないのです。むしろ今回のユイ様が勝手に連邦と組み、同じ旗の下で戦った事に異を唱える者達なのです』
「なんと──あれぞ正真正銘、地球連邦に対するテロ行為を行ってきた者達だと言うのか──」
モエラは椅子から飛び上がる。艦長がシートベルトの着用をモエラに促すが彼は聞く耳を持たないかのようにビューワーの近くへ歩み寄る。
『いえ、どちらかというとあの方達はユイ様のスピーチを見て、慌てて辺境から飛び出て来たようで、他の木星残党を語る勢力とはまた違うものかと存じます』
「敵対の意志は無いと申されるのか?」
『事態が全く把握出来てない以上、完全なる中立である、と申しております──』
モエラは絶句した。
『すいません、此方も手が足りませんので交信はこれで切ります……』
(中立? いやいやどう考えても連邦の敵対勢力だろう! ユイ皇女殿下ならばそんな輩如き説き伏せてくださるに違いないが)
モエラはミノタウロスの艦長に指示を出す。
「お、おい、空母ワレンシュタインとチョンツーの艦長に通達、所属不明船団とぎゃらくしぃ号の間に入っておくように」
「了解です」
(殿下が拐かされる可能性もあるのだ、気が抜けんぞ)
すっかりユイの信奉者になったモエラは目前の宇宙港の被害よりも皇女の安全を第一に考えているに違いない、艦長の目にはそう映る。
この一大事を前にしてそういうところに気が向くあたり、前線の司令官というよりは、やはりモエラは外交官や政治家向きの人材なのだな、と艦長は苦笑いを浮かべた。
◇
ブリッジに付いた雄大は操縦棹を握る。
レムス用に設えてあるレトロな操舵輪は流石の雄大も扱えない。副操舵士席らしきシートに座るとがっちりベルトで身体を固定した。
雄大は大声で牛島を呼ぶ。
「牛島さん、コントロールをこっちにください!」
『わかりました、こんな体験、流石に初めてで逆噴射するぐらいでいっぱいいっぱいですよ。雄大さん、ユーハブコントロール』
「アイハブコントロール! さて行くぞ!」
雄大はプロモ基地に残されていた試作段階の図面を頼りにキングアーサーの複雑なコントロールをマニュアルで開始した。
「甲板をパージ──ロボットアームで──」
雄大はキングアーサーの質量をどんどん削ぎ落としていく。
「姿勢制御ノズル点火! 戦艦が押してくれている方向、銀河水平面に対して天頂方向に、艦首上げ! メインエンジン出力全開!」
「ゆ、雄大! メインエンジンって?」
「逆噴射如きで間に合うかよ! 海兵隊は黙ってろ、艦内重力制御が出来てない、舌を噛むぞ!」
「マジか!」
ラドクリフは動けなくなっている牛島を抱えると、エグザスの足裏の吸着マグネットをオンにして、ハープンを大理石調の床面に打ち込んで身体を固定した。
「馬鹿、雄大! 突っ込んでどうすんだよ!?」
「くそ、アラミス支店と戦艦が邪魔だ! なんだよ、巻き込まれたいの!?」
雄大はキングアーサーのロボットアームを操作すると無理矢理押しのけるようにタイダルウェーブとアラミス支店号を引き剥がす。
「曲がれ! 曲がれ!」
宇宙港の区画と区画を繋ぐ通路の一つに衝突したキングアーサーはその通路を物ともせずに前進、右に、左に、と区画の間を縫うように高速で駆け抜けた。
雄大はキングアーサーを止めるのでは無く、数珠繋ぎにになっている区画と区画の間をすり抜け、その内側に滑り込んだのだった。
「港の裏側に出た、急速反転! 引力に、木星に飲み込まれる前に! 最大出力間に合え!」
変電施設が破壊されているせいか出力が思うように上がらない。
『出力の調整、私がやってみます』
「牛島さん、頼みます!」
目を瞑っていたラドクリフはそーっと片目を開いた。
「おお……?」
『すんでのところで脱出に成功──随分横滑りしてしまいましたが、もう安心です。安定しましたよ』
副操舵士席で額の汗を拭う雄大。ラドクリフは腰のあたりを操作して強化機能を解除、着脱ボタンを押してエグザスから這い出た。低重力状態のブリッジ内をラドクリフは跳躍して雄大の座るシートを蹴る。
「やったなオイ!」
「痛いよ馬鹿!」
「アハハ、コイツめ、本当にすげえ奴だよお前。よくぶつからなかったもんだ」
「これぐらいしか取り柄が無いからな。シミュレーターだと思ってやってたよ。本物だと思ってたらビビってあんなムチャクチャは出来ないね」
「チビったのか?」
「ばーか、お前こそエグザスの中でチビったんじゃないのか?」
ラドクリフは雄大の頭を抱えてヘッドロックすると左手でガンガン雄大の頭を小突く。
「まったく俺のダチは最高だぜ! いてて」
雄大もラドクリフの耳をつねって反撃する。
「そうだろ? 俺がローガンで、お前がジェイクだ。リオル、じゃなくてトレッド大佐の野望を打ち砕いたぜ」
「そんなもんじゃねえよ、やったのは──ラドとユウダイだ。どんなコミックヒーローより最高にクールなコンビだろ?」
2人は大笑いしながら互いの無事と、ハイスクール以来どこか遠慮がちだった親友関係の復活を心から喜んだ。
──こうしてリオルの、レムス達のアヴァロンはその機能を完全に停止した──




