鑑定使いの俺はそれでも直感を信じる
「下がれっ!」
特に危険はない。そんな鑑定結果だった通路。だけど、なんかやばい気がした。
ピシッ
轟音。
魂まで震えたんじゃないかと思うほどの爆音が俺たちを叩く。
「「「…」」」
少し前まで俺たちがいた場所は崩落で埋まっていた。
「おい、何か鑑定にあったのか?」
剣士が聞いてくる。
「いや、なんも無かった。でもなんかヤバいと思って」
「し、死ぬところだったわ」
気の弱い魔法使いは腰が抜けたのか立てずにいる。
仕方ないので彼女を背負い、
「今日は帰るぞ」
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「…てことがありまして」
受付嬢に今日あった崩落の報告をした。
ダンジョンは丈夫で滅多なことではこんなことは起きないとされている。
「はい、分かりました。上に伝えておきます」
「お願いします」
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「いやぁ、助かったぜ」
「え、ええ。本当に。思い出すと寒気がしますもの」
行きつけの酒場で仲間と談笑する。
「んで、なんで気づいたんだよ?」
酔って顔を赤くした剣士が尋ねてくる。
「んー、わっかんねぇ。でも、なんかヤベーと思って」
「まぁ、そのお陰で今生きてるんだけどよー。鑑定はどうだったんだ?」
「それがさ、」
俺は声を潜めた。
「危険なしだったんだよ」
「はぁ?!マジかよ」
鑑定は絶対じゃないのですか?!と魔法使いが叫ぶ。
「通路は危険なしって出てた」
「いや、天井も通路じゃねーのよかよ」
剣士が憤慨する。
「いや、俺に言われても困るわ。無傷で切り抜けられたんだし気にすんなよ」
まぁ、そっか。と剣士は酒に戻った。
「それにしても、あなたの直感は鋭いですわね、ほんと助かりましたわ!」
普段は大人しい魔法使いだが、酒で恐怖が抜けた反動か普段より饒舌だ。
「いつから直感が鋭くなったんですの?」
「うーん…」
昔からそうだったんだよなぁ。
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思えば昔から直感が鋭かった。
空を見れば天気が分かる。
作物を見れば適した環境が何となくわかる。
魔物化したクマに襲われた時は、直感を頼りに攻撃避けつつ罠に誘導して倒せた。
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「おーい、何ぼーっとしてんだよー。酒飲めよ酒!」
「んあ?…ごはっ」
油断してるとこに強い酒流し込まれて噎せた。
「おいこら!俺が感傷に浸ってるってのによ!あと俺は酒が苦手だ!」
「ハハハそんなこというなょー」
剣士の横で魔法使いも微笑んでる。
まぁ、こんな日も悪くない。
俺はコイツらとこれからも冒険を続けていく。




