第30話
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「おはよう。よく眠ってたわね。お腹空いたでしょ?」ケイコが笑ながら近づいて来た。
「私・・・・」そう言いながら、断片的に憶えている昨夜のシーンが脳裏に浮かんだ。
「シャワー浴びておいでよ。目が覚めるから」フラフラと立ち上がり、裸のまま
バスルームに向かう佳代子の身体からは、男たちが放出したものの匂いが漂っていた。
シャワーを浴びリビングに戻るとケイコが着替えを出してくれていた。
「ちょっと大きいかもしれないけど・・・私のでよければ着てね」
「ありがとう・・・」
「さあ食事にしましょう」
ケイコは昨夜のことなど無かったかのように、普通に佳代子に話しかけてくる。
「啓太は今日会合があって遅くなるのよ。それと、信也は今日から映画の撮影なんだって。
京都に行ってる筈よ」食事中も昨夜のことには一切触れず、世間話や芸能界の話などを
していた。彼女は元々劇団員で、啓太や信也ともそこで知り合ったのだという。
しかし佳代子にとってそんな話はどちらでもよかった。
「ケイコさん・・・・昨日みたいな事はよくあるの?」
「スワッピングのこと?」
佳代子は初めて聞くその言葉が、昨夜の乱交であることはすぐに分かった。
「そうね・・・たまにかな?信也が来るのだって久しぶりだし・・・・」
「啓太さんは妬かないんですか? ケイコさんだって・・・・・」
「もちろん嫉妬するわよ。貴女みたいなキレイな子だと尚更ね」
「じゃあ、なぜあんなことを?」
「最高の快感のためよ。性的な意味合いだけじゃなくて人生に対しても」
佳代子には何となく理解できるような気がした。
以前智弘と観に行ったO嬢の物語のテーマがまさにそれだったのだ。
「佳代子、興奮してたわね。憶えてる?」
「所々は・・・・」そう言いながらまた濡れてきていることに気づき、顔が熱くなった。
「SEXは中毒みたいなものだから・・・・また欲しくなるのよ。貴女が気に入ったの
なら、ずっとここに居てくれてもかまわないのよ」
ケイコは席を立ち佳代子の後ろに来ると、そっと腕をまわしてきた。
「佳代子みたいなキレイな子を見てるとキスしたくなるのよ。私、きれいなものが好き。
信也も美しいでしょ?でも、啓太みたいに荒々しい男も好きなの・・・贅沢でしょ?」
そう言うと佳代子にキスをしてきた。佳代子はまだ昨日の夢の続きを見ている
ようであった。
その頃東京では、佳代子に連絡が取れずあちらこちらに電話をしている智弘の姿があった。
「そうですか・・・そちらにも行ってないんですか。ありがとうございます」
「佳代ちゃん雑誌社にも行ってないって?」吉井が心配そうに言った。
「はい。どこ行ったんだろうなあ・・・・」
「取材の車が居るから夜中にでも抜け出したんじゃない?ホテルとか旅館とかに
泊まってるよきっと」
「ええ、多分そうだと思うんですけど・・・・・何か気になっちゃって」
「身体が悪いんだから無理はしてないと思うよ。のんびりしてるんだって」
「そうですよね。ま、電話を待ってみます」
智弘はここ数日の佳代子に対しての接し方に対して、改めて反省をしていた。
自分のデザインした商品が飛ぶように売れる中、佳代子との時間はほとんど無くなって
いたのだ。たまに時間が空いても視察を兼ねたショッピングなどで、結局仕事の
延長線上だった。そんな生活をもし佳代子が嫌になっていたとしたならば・・・・
智弘にとって仕事と佳代子を天秤に掛けたとするなら、間違いなく佳代子に傾く
筈である。
「それなのに・・・俺ときたら・・・・・」
そう言いながら智仁はマネキンの頭を軽く撫でた。