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マヌカン  作者: ハイダウエイ
28/35

第28話

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【みてみんメンテナンス中のため画像は表示されません】


レコードの針がプツプツとB面の終わりを告げる頃、佳代子手は真也の背中を弄っていた。

それがラトゥールのせいなのか、ここ暫らくのストレスのためなのかそんな事はどうでも

良かった。佳代子はこの心地よい時間をリアルに感じたいと思っていた。

「君を好きになりそうだ・・・・」耳元で囁く真也の声に身体が融けていくようだった。

「真也さん・・・すごく慣れてる感じがした・・・」

「そんな事ないよ・・・・嫌だった?」

「違うの・・・・そういうのも良いかも、って思っていたの・・・」

「なんか・・・どう答えて良いのか・・・」

「女の事をよく分かってるって・・・優しくて・・・上手で・・・」

「佳代子さんって不思議な人だ・・・ひょっとして・・恋人が居るんじゃないの?」

「えっ? どうして?」

「何となく・・・・当たったでしょ?」

「そうね・・・・当たってるわ。幻滅した?」

「嫉妬するね。君をいつでも抱きしめることが出来るそいつに・・・」

「私・・・彼の事を愛してるわ」

「それなのに僕と寝たんだ・・・・ますます不思議な人だ。彼は怒らないの?こんな事

して・・・・僕なら怒らないけど・・・」

「彼ならきっとカンカンになって怒るわ。だから・・・話さない。貴方は何故怒らない

なんて言えるの? さっき嫉妬するって言ってたじゃない?」

「嫉妬はするさ。でも、怒ったりはしないよ。変かもしれないけど・・その嫉妬心が

好きなんだ。今だって君と彼がベッドで抱き合ってるところを想像してた・・・」

「変な人・・・あっ、凄い・・・・また?」

「今夜は眠れそうにないよ・・・君が壊れるまで抱きたい・・」

真也の狂ったような激しさを感じながら、佳代子は何度も昇りつめていた。


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夕方、真也は同じ中軽井沢にある友人の別荘に佳代子を誘った。

彼はここでペンションを経営しており、ハイシーズンにもなればほとんど時間を

作れなくなるほど繁盛しているという。

「よう。久しぶりだな。あれあれ、珍しく女連れかよ?」

「紹介するよ。こいつが不良仲間の板倉啓太。奥さんと一緒にここを切り盛りしている」

「初めまして。佳代子といいます」

「それにしてもキレイな人だなあ。モデルさん?」

「はい。最近ちょっとそんな事もやってます」

「啓太、彼女は彼氏が居るんだから口説いちゃダメだぜ」

「????彼氏が居るって?・・・・オマエは何なの?」

「そうだな・・・・趣味の合う友人ってとこかな?」

「ありえねー! まっ、いいや・・・嫁さん紹介するわ・・・おーい。ケイコ!」

奥からエプロン姿で出てきたロングヘアーの女性が板倉の妻だった。

身長は佳代子より少し大きく、165cm程あるだろうか。 ジーンズを履いてた

長い脚が凄く格好良く、顔立ちは少し外人のように見えた。

「佳代子です。よろしくお願いします」

「ケイコです。仲良くしてね。 この辺り今の時期は人が少なくて・・バーベキューの

用意が出来てるから、みんなこっちにいらして」

ガーデンにはレンガで造られたグリルに既に食材が焼かれおり、辺りに美味しそうな

匂いを充満させていた。

白いテーブルにはビールやワインが並べられ、スピーカらはクラシックが流れている。

「素敵。こんな生活がしてみたいわ」

「あら、コレで冬はメチャメチャ大変なんだから。この辺りまで雪が積もるの」

そう言ってケイコが膝の辺りを指差した。場は和やかな雰囲気であっと言う間に

3時間ほど経っていた。

「佳代子結構飲めるんだぁ。よし! 私も今日は酔っ払うまで飲んじゃう!」

「ヤバイよー。ケイコがこうなるとまた真也にキスしだすんだから」

「えー? ケーコさんそんなことするんですかぁ? エッチぃ」

「どうせ私はエッチですよー。 じゃあ、佳代子はエッチじゃないの?」

「わかんない。どうかなぁ?」そう言いながら真也の顔をチラッと見た。

「間違いなくエッチです」真也が笑いながら答えた。

「なに?佳代子、私の真也と寝たんだー。じゃあ、私と仲間じゃん! よし。今夜は

みんなで遊ぼう。真也!キスして!」

「まいったなぁ・・・ケイコは酔うとすぐこれだ・・・啓太、何とかしてくれよー」

「真也、ここは諦めてキスするしかないなー。 ケイコ怒らすと大変だから」

「しょうがねーなー・・・・」目の前でケイコと口づけを交わす真也を見て、嫉妬心が

自分の理性を崩壊させてゆく快感を初めて経験した佳代子であった。


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