第5話
イモータルは、常人に比べて遥かに強靭な肉体と、“色相”と呼ばれる細胞(核ゲノム構造)の特色を持つ。
細胞の特色には幾つかのパターンがあり、
【赤・橙・黄・緑・青・紫】
といったそれぞれの配色に準じた属性が、DNA分子の中に構成されている。
氷室かざねの細胞は「青」。
彼女は“水”や“氷”といった量子エネルギーを自在に操ることができるイモータルだった。
細胞の配色には合計で24色の配列があり、それぞれの色に関係した量子エネルギーが、輪のような「色相環」の中に複合的に組み合わさっている。
青だからといって必ずしも「水」や「氷」というわけでもなく、物質という「量子性」を持つエネルギーであれば、あらゆるパターンや組み合わせを“配色=適応“とすることができる。
ただ、イモータルたちがコントロールできる量子エネルギーの「幅」には限界があり、個々の能力値や技の熟練度においては、ロウソクに火をつける程度のものや何千度の熱やエネルギーを発生できるものまで様々である。
どのような量子エネルギーを“操作できるか=コントロール下に置けるか”は、個々の性格や考え方によるところが大きいことが、研究の成果によって判明していた。
少なくとも、”現段階”に於いては。