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スワンの初恋  作者: えいぷりる
9/12

涼介⑤&麻里子⑤

俺の両親に会ったことで、結婚話が一気に進むことになった。真野家の都合でお願いしなくてはならないことばかりなので、その都合というヤツをお義父さん達に話すことにした。長くなるかい?と聞かれたので、長いです…と答えたら、夕ごはんの後にしよう、陽菜ちゃんのごはんが冷めたら悲しいからね…と言われた。確かに!


「俺には5歳上の姉と7歳上の従姉妹がいます。伯父の娘です。姉は嫁に行ってて、姪の光希と甥の和希がいます。従姉妹の華子姉には中一の息子がいますが、夫はいません。事実婚です。相手は考古学者の英国人で、一年のほとんどを発掘現場にいます。今も確かウズベキスタンにいるはずです。従姉妹…華子姉は昔から真野自動車は自分が継ぐと言っていました。日本とアメリカで経営を学んで、英国で働いた後、帰国しました。生後半年の大樹を連れて。大騒ぎになりましたが、華子姉本人は、相手と別れるつもりも結婚するつもりもないと言いました。日本で真野を背負う自分と、世界中の現場を回る相手とが一緒に生活するのは無理だから、別々に暮らすことを選んだだけで、互いの気持ちは離れていない…と」


「今もロンドンに共同でフラットを所有していて、タイミングが合えば一緒に過ごしています。一年に数日ですが…。大樹ともSkypeとかで連絡を取り合っていて、親子関係は良好です。色々と煩わしいことを言う人達もいますし、伯父達も、思うことは沢山あるみたいですが、本人達が良いのなら…と口を出さずにいます」


「そんなこともありまして、俺の代で真野家として結婚式を挙げるのは、今回が最初で最後なんです。なので、伯父や父が張り切り過ぎてしまうと思われます。家族の気持ちはよく分かりますし、ありがたいと思うのですが、でもこれは麻里子と俺の結婚式です。真野家のものではないです。このことで麻里子やお義父さん達に迷惑をかけるようなら、こんな面倒なところに嫁に出さん!と思われたら…と思うと、このまま式の話を進めても良いのか…と、思うのです」


「麻里子と結婚したい気持ちは何一つ変わっていません。許されるなら明日にでもしたいです。でも、父親達の気持ちも、会社としての立場も分かるのです。だから…俺には謝ることしかできません。俺の家の都合で、麻里子やお義父さん達を巻き込んでしまうことを…本当に申し訳ございません!」


頭を下げ、謝る俺に、お義父さんは湯呑みのお茶を一口飲んでから言った。


「話は分かった。それぞれの家にそれぞれの都合があるのは当たり前だから、謝る必要はないと思うよ。この半年、涼介君が麻里子を大切に想っていることは、私もウチの家族みんなが知っている。だから、結婚式のことで麻里子を蔑ろにすることはないと思っているし、二人の結婚をやめようとも思わない。麻里子と涼介君、二人が話し合って納得したことなら、私達は応援するから。もちろん、求められれば相談に乗るよ。いくらでも頼ってほしい。それと…もし、麻里子と涼介君のご家族の意見が別れた時は、麻里子を守ってもらえると嬉しいかな。親バカだけど、やっぱり輝いている花嫁を見たいからね。ウチの娘が一番綺麗だって」


俺は…俺は、お義父さんには一生かなわないと思った。あぁ…麻里子が素敵な女性なのは、こんな大きな心のお義父さん達に見守られて育ったからなんだ…。俺もこんな男になりたい…。


9月、陽菜ちゃんが無事に女の子を出産した。飯田家は喜びに包まれ、駿さんは早くも父親バカ振りを発揮している。柊平情報によると、陽菜ちゃんが安定期に入ってからというもの、率先して夜勤をこなしていたらしく、しばらくは、よっぽどのことがない限り夜は家に帰るんだぁ~と言っているらしい。俺もいつの日か父親になれたらないいぁ…。


年末の発表会の準備に結婚式の打ち合わせ、真野家のリフォームと、麻里子は毎日忙しそうだ。でも、この忙しさがいいのか、母や姉との親密さが増し、最近では3人でマッサージ通いなんてことをしているらしい。姉の出資する店でブライダルエステも受けている様で、可愛さが増している。


俺も結婚式のことで父親、伯父、華子姉と話すことが増えた。仕事の話に自然となることも多く、今後のことも含めて、色々と相談に乗ってもらっている。俺としては、伯父も父もまだ若い。中間管理職的な立ち位置には華子姉がいる。だから今はまだ、現場でイチ社員として働くべきだと考えている。まだまだ俺には知識も経験も足りていない。


ーーーーーーーーーーーーーー


年末の発表会の準備に結婚式、涼介さんのお家のリフォーム。去年も卒論と発表会が重なって大変…って思っていたけど、今年は更に大変!分からないことばかりだから、美賀子お母様や琴子お姉様にご相談して、更に専門家の方にもご意見をお聞きして…たくさんの方からお話を聞けるのは楽しいけど、やっぱり疲れるのも確かで…最近はお母様とお姉様お薦めのマッサージに行って、疲れを溜めないようにしている。結婚祝いに琴子お姉様からブライダルエステのコースをプレゼントしていただいたので、こちらも遠慮なく、時間を見つけては通っている。披露宴会場が広いため、いつものパーティーよりも華やかで盛り盛りの装いになる予定なので、ドレスに負けない美しさに仕上げなくてはならないのだとか。元が元なので…無理ですって…。


そんな忙しい中でも、涼介さんと私は、日曜日のマフタンご夫妻のお茶会と我が家での夕食は出来る限り二人で参加した。もちろんマフタンご夫妻にも結婚式のご案内はお渡ししていて、今、お二人の興味は日本の結婚式事情に向いている。それと、何度かお茶会でご一緒させていただいたご縁で親しくなったお姉様方から、私の結婚式の話をマダムから聞き、是非とも参加したい!と連絡があったので、喜んで!!とお返事したら、8人も来て下さることになってしまって…。しかも、そのためにわざわざ来日すると…大事になっています。


リフォームも美賀子お母様が、張り切っていらしてて…。ついでだからと、キッチンの方々と相談されてキッチン一式新しくされ…。ついでだからと、バスルームも新しくされ…。涼介さんのお部屋も、二人で過ごすには狭いからと二間合わせて広~い部屋&収納になり、私用のトレーニングルームにと、鏡貼りのバーレッスンが出来るお部屋をエマ先生と相談されて作ってしまわれた。それを知った慶介お父様は、自分用にサウナが欲しいと言われ、涼介さんは俺用のジムもついでに…なんて言っていた。お金持ちって怖い…です。


育ってきた環境の違い…みんな違う環境で育ったのだから、あって当たり前で、同じ家で育ったお兄ちゃんと私だって違っている。男とか女とか、将来の夢とか…お兄ちゃんはずっと「飯田先生のところの駿君」で、ずっと跡継ぎだと思われてて、周りから見たら当たり前のように医者になったかもしれないけど、そこは色々あったみたいだし…。それを思うと、涼介さんと私が違うのは当たり前で…。今回のリフォームのような時にやっぱり思う。大きな会社の御曹司なんだな…裕福な家庭で育ったんだなぁ~って。我が家も世間的にみたら充分裕福な家だと思う。小さい時からずっとお金のかかるバレエを習わせてもらっていたし、外国語もそうだ。小・中・高は地元の公立だったけど、大学は私立。でもね…涼介さんと私だと、レベルが違う…というか、住む世界が違うような気持ちになる時がある。このまま結婚して一緒にやっていけるのかな…。

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