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私は家に帰りたい  作者: Arisa
Period 1.2
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05 風呂

「どちらにしても、その長い距離を移動するだったら、例え馬車を使うとしてもわたし個人の意見として、冒険者登録をしたほうがいいと思う」

「冒険者登録?」

「そう、冒険者。冒険者は倒す権利が与えられるの。旅をするときに道中に魔物がでる可能性があるんだけど、護者に頼らないで自力で倒した方が費用面でも節約できるし、なんならその魔物をギルドに買い取って収入にすることもできるわけ」

この国は魔物に対してはセント・ライズと全く異なる価値観の国だな、と改めて思いました。

まあこっちの方が異世界らしくある。


「話を聞いて興味が湧いてきましたので、冒険者登録してみようと思います。」

イーストウッド行き馬車の出発までまだ時間があるので、ノリで冒険者登録をすることになりました。

でも、ギルドは閉まっているので明日ですね。


----


その後、私とアリシアさんの二人でお風呂に入ることに。


「本当に災難だったのね。こういう魔物に転移されるという事象なんて、今まで聞いたことがないこと・・・」

アリシアさんが固まった。

「ごめん、思い出しちゃった。わたしもね・・・実は"転移する魔法"を思い出しちゃった。転移魔法を。」

え!?


「転移魔法って・・・いうんですか?」

「そう。まあ、人や物体を転移させる魔法を転移魔法といって、魔法の使用者がかつて慣れ親しんだ思い出深い場所であればどこでも転移できるという特殊魔法。」


「でも、なんでこんなすごい魔法を知っていて・・・思い出したんですか!?」

「そうなの。実はわたし、異世界からの転生者で・・・それで、前世使っていた転移魔法を今さっき思い出した、というわけ。」

なるほど。

「実はわたしの転移魔法は自分自身か手に持っているものだけで、離れている他のものを転移できないんだけどね。」

すると、アリシアさんは手で口を塞ぎました。

「しまった・・・人には魔法が使えることや前世のことを言ってはいけないんだった・・・」

どうやら人には秘密のことだったみたいです。すでに遅いですが・・・

「でも、言っちゃったことはしょうがない。わたしが魔法使えることを秘密にしてくれる?」

「いいですよ!もしよければ・・・」

「ボストロニックに転移してということでしょう?ごめんね。わたしはボストロニックが行ったことがないし、どこにあるのかもわからない・・・そうだ、一か八かだけど、あなたも転移魔法習得してみない?」

「え?習得できるんですか?」

そうか。その手がありましたね。

「あ、でもこの転移魔法は相当高位な魔法。だから相当ランクが高いか、素質がないと無理かもしれない。」

「やっぱり無理なんですね・・・。」

「いいえ、それはわからない。あなたには魔法の素質があると私は思う。だから試してみる価値はあるわ」

ということで、試しに転移魔法を教えてもらいました。


----


お風呂上がり。

私は早速転移魔法を実践してみます。

ボストロニックにある私の家なら、数日間過ごした場所なのでいけるかもしれない。

流石に慣れ親しんだ場所とは言い難いけど、とりあえずイメージ・・・・

結果、転移できず。

・・・やっぱりだめでしたね。

現実的な話として、ボストロニックへ行くにはやっぱり、ひとまずイーストウッドまで馬車で移動ですね。

「やっぱり無理でしたね。当初の予定通り明日冒険者登録をすることにします」

「そうと決まれば〜また裸になっていい?」

「え?なんでまた裸になるんですか!?」

「いや、裸じゃないとできないことがあってね」

「はい、それならいいですけど・・・」

アリシアさん、なんと"ネックレスをつけただけ"の全裸になったのです、今度はリビングで。


なんと、短剣を作ってくれたのです。

「冒険者に必須のアイテム、武器・・・まあ魔術師でも一応短剣は持っておいた方がいいと思うの。旅の時に絶対に役に立つから。これは創造魔法でね」

創造・・・これもすごい魔法です。

「創造・・・確か現代魔法では存在しないと書籍に書かれていましたよね?」

でも、確かに異世界転生者なら、現在魔法では存在しなくても唱えられる可能性はありますね。

「そうよ。あなたも試しに覚えてみる?」

「はい!」

試しに実践してみます。

・・・・。

「・・・何も起きませんね・・・」

やっぱりこれも私には使えませんでした。


アリシアさん、さらにバッグも用意してくれました。

このバッグ、収納容量無制限というすごいやつです。

収納容量無制限ということなら、私はこれを「アイテムボックス」というかな。



「そもそもなぜ裸で魔法を唱えたんですか?」

「私、裸じゃないと魔法が使えない体質で・・・」

「なんなんですか・・・その謎体質。」


----


「それでですが・・・私は本当はボストロニック出身というよりも、”前世”日本で住んでいました。アリシアさんも異世界から来たということは・・・多分地球からの転生者ですよね?」


「・・・地球ってどこなの?」

「って、地球じゃないんですか!?」

なんと、彼女は異世界は異世界でも、地球からの転生ではないようでした。

「そうね、わたしの場合、魔法と科学が両立した世界から転生したの。わかっているのはそれだけ。」

・・・そうだったんですね。


「やっぱりわたしの直感は当たってた。」

「直感って?」

「いや、ギルドで話した時に、もしかしてと思い声をかけたの」

「そうなんですね」


ちなみに私の場合、広い草原で覚醒して、前世の記憶を完全に覚えた状態、転生前と体も全く同じ・・・つまりただの転移のような感じでした。

でもアリシアさんの場合、少なくともこの世界で生まれたのは確実で、数年前に前世の記憶を微かに思い出したという形で・・・転生の仕方が全く異なるんです。

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