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私は家に帰りたい  作者: Arisa
Period 1.2
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03 〜ボストロニック・サイドストーリーⅠ〜

SIDE:ボストロニック・ギルド受付嬢


私は、ここボストロニックのギルドの受付嬢をしている。

さて、ギルドに登録してきたばかりの女の子、コーエン・エミが練習用ダンジョンを試してきたということで報告が来た。

「はい、とりあえず練習用ダンジョンに行きましたが、ダンジョンはクリアしませんでした。」

(それはそうだろうね。魔物が強いからね)

「そうなんですね・・・ではギルドカードをこちらに。」

「はい。」

彼女のギルドカードを専用の魔道具に通し、通過状況をチェック。

どうやら第二階層のゲートまでは行ったことは確実だ。

第三階層からはゲートがないが、設置する必要はない。

それは、第三階層以降はどの挑戦者も結局魔物に敗れて死ぬためで、つまり挑戦者が死んだ階層を元にランクを決めているのだ。

つまりダンジョンから死なずに帰ってきたということは、第三階層で撤退したと考えられるので、彼女のランクはEだ。

「確認しました。あなたの魔術ランクはEになります。」

「ありがとうございます!」


そう、練習用と謳っているが、実の所、このギルドにおける魔術ランクの正式な測定場所になっているのだ。

第七階層にいる唯一の存在・赤竜はどの挑戦者でも倒せないとされていて、あの赤竜に倒されることで魔術ランクはSになるのだ。


そもそもこのダンジョンは、大賢者シャーク様により作られたものである。

おそらくあの赤竜を倒せるのはあの方くらいしかいない。

このダンジョンについている蘇生属性など、あの方以外では誰もつけることはできないだろう。


----


SIDE:ボストロニック・スーパーマーケット店員・グレン・フリーランド


俺はスーパーマーケットの従業員である。

いつも通りキャベツの仕入れを行い、陳列作業を行なっている。


すると。

「魔女を見つけた。」

いきなり重低音の声が聞こえた。

「え、キャベツってしゃべるものなの?」

客が持っているキャベツがしゃべったようだ。

キャベツがしゃべる・・・まさか!?

「こいつ!別の国からの魔物だ!なんで出るんだよ!?」

咄嗟に声が出てしまった。

キャベツ型の魔物は少なくともセント・ライズにはいないはずだ。

おそらく隣の国からキャベツに紛れ込んで侵入したのだろう。

とっ捕まえて追放してやろう・・・としたところ。

なんとキャベツ型の魔物は彼女を・・・消滅させやがった。

「己・・・許さん!」

咄嗟で睡眠魔法で奴を眠らせた。


そして店長とともにギルドや入国管理局に一連の事態を報告する。


ギルドの調査の結果、キャベツ型魔物はマルス帝国側からの不法侵入であることまでは分かった。

そのため、魔物はマルス帝国に引き取ってもらった。

しかし、当のマルス帝国軍でもこのキャベツ型魔物は"聞いたことがない"とのことだった。

本当にただの新種の野良魔物なのか?


このとき、何か嫌な予感がした。


----


SIDE:セント・ライズ王国・魔王・レイク


実の所、私はセント・ライズ王国の国王という立場でもある。

私は魔族だが、時たま人間に形態を変化して他国との交際を行っている。


さて、ここからが本題だが、ここのところ、我が国に侵入しようとする輩が後を絶たない。

まあ、これは有能な我が国の軍のおかげで防いでいるからいいとしよう。


だがしかし、私と弟のシャークたちしか知らないはずの転移魔法を用いて侵入する者も現れた。

まあ、おそらく何者かが魔法を盗み取ったのか・・・いや、シャーク直々の仕業かもしれない。

どちらにしても先ほど我が国全域にバリアを仕掛けた。

これで転移魔法をこの我が国で使うことは不可能になる。


私は人も魔族も平等だという考えを持っている。

以前のシャークもその考えだったのだ。

しかし、数年前にある魔術師がここを訪れた。

確か彼女はアガサ・バーネットと言っていた。


シャークと彼女は息があるようだった。

しかし、突然シャークが魔族による魔族のための世界開発をモットーにし始め、私と意見が対立し、シャークは国を去っていったのだ。

それ以降、シャークは我が国を敵対するようになり、現在では我が国に対して攻撃を仕掛けるようになった。


そろそろ私もシャークと対峙する時が来たのかもしれない。



シャークだけではない。

もう一人の弟であるジェレミもそうだ。

あいつも、シャークと共にバーネットに会っていた。

その後突然修行に出ると言い残し、我が国を去っていった。


あいつら・・・

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