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バズれアリス  作者: 富士伸太
番外編 聖女アリスの生配信バックログ
40/57

◆アリスファッションショー その2

※ページ下部にアリスのカバーイラストがあります。

たいへんかわいいので見てもらえると嬉しいです。




 ……と、一曲終わってこんな感じですね。


 この手のゲームはまだわかってないところがあるのですが、とりあえずタイミングに合うように剣を振っていれば千回だろうが一万回だろうがパーフェクトは出せるかなって感じです。


 ぶい!


『反射神経が獣よりもヤバい』

『脳みそのクロック数が違いすぎる』

『なんでこの手のゲームで、初手でフルコンできるかなぁ……』


 そりゃ年がら年中剣を降ってましたからね。

 巨大ゴーレムが発射した数百発の岩のつぶてを斬り落として味方を守るとかやってましたもん。


『それが冗談じゃないのが怖い』


 さあて、挑戦者はいませんか?

 あれえ? いない?

 じゃ、私の不戦勝かな?


 やったぁ! 勝ったぁ!


『この憎たらしいアリススマイル』

『アリススマイルが出たらこっちの負けフラグだよ』

★☆★吉田輝和:やるやる。俺やるよー ¥200★☆★


 ゲーセンの筐体みたいな感覚でスタチャ送らないでください!

 ありがとうございます!


 でもいいんですか?


『吉田:いいよー。最高難易度で、マスクモードでお願いします。曲はYOSAKOIの『朝に駆ける』で』


 マスクモード?


『あっ、その手があったか』

『これは勝てるかもしれないな』


 マスクモード、すみませんやったことなくて。


 えーと……。


『普通のプレイだと右の剣で斬るか左の剣で斬るか色分けされてるけど、その色が消えます』

『最初のうちは障害物に左右の記号が付いててそこで判別できるけど、後半になるとそれさえも表示されないブロックも混ざったりする。失敗してリトライを繰り返す覚えゲーだね』


 えっ。


 それ、アリなやつですか?


『あり』

『ありですね』

『大会とかはそのへんレギュレーションがはっきりしてるけど、今回はプレイルールを具体的に詰めてないしなぁ』


 うっ……。


 い、いいでしょう。

 私の視力と反射神経を持ってすればなんてことはありません。


 いざ、勝負!











 はい。


 負けました。


 なので着替えてきました。


『作業服、無駄に似合うな』

『雨が降る夜の工事現場で誘導灯振ってそう』

『ヨシ!』


 でもこれズルいですって!


★☆★天下一ゆみみ:ねえ今どんな気持ち? ねえ今どんな気持ち? ¥30,000★☆★


 悔しいに決まってるでしょ! ありがとうございます!


 ……まあ、この服なら別に抵抗ないですし、いいです。

 生地も適度に硬くて安心感がありますね。

 この上に鎧とか来てもいいかも。


『それはやめて』

『激しくダサい』


 だっ、ダサくないですぅー!


『普段の迷宮攻略配信が悲しくなる……』

『働いてる感が強い……』

『油断が原因で死んでしまう猫を想像する』

『どうして……どうして……』


 そ、そうですか?

 案外不評なので鎧装備はやめときますね……。


 ま、気を取り直して、次は乗馬ゲームにいってみましょう。


 早速『モンタナと風と鉄球』、起動します!


 一度に4人まで対戦できるので、私以外の三人で連携しようがどうしようが構いません。


『つまりアリスさんVS視聴者チームってわけか』


 そういうことですね。


 さあ、それでは勇気あるチャレンジャーたちを募集しますよ!







 さて、ネット対戦ロビーにチャレンジャーが揃いましたね。


 って、いつもスパチャしてくれる人たちじゃないですか。

 天下一ゆみみさん、ステッピングマン4号さん、スーパーアルバイターさんですね。


『よろー』

『よろしく』

『準備OKです』


 いえいえ、こちらこそよろしくおねがいします。

 でも手加減はできませんけど。


 さて、各プレイヤーがまたがる馬の年齢、性別、脚質はバラバラです。

 その中でもっとも重要なステータスはスタミナであり、スタミナ管理こそが勝利の鍵なのだそうです。


 10キロの長距離コースなので、すべて走り切るのではなく休憩を入れたり、あるいは走るのではなく駆け足や早足を混ぜてスタミナ切れを防ぐのがコツ……とのことです。


 うーん、これがVRではなく実際の馬だったら担いで走ったりできるんですけどねぇ。


『それこそ反則でしょ!』

『こち亀かよ』

『体力株式会社か』


 や、やりませんよう。


 さて、今10キロのコースと申しましたが、7キロほどは荒野となっています。

 足へのダメージを防ぎつつスピードを確保する必要がありますね。


 そして7キロを過ぎたあたりで、30メートルほどの幅の川があります。

 大きく迂回して橋を渡るか、あるいは川を突っ切るかの二択を迫られます。


 そして残りの3キロは走りやすい草原となっています。

 ラストスパートをどこで仕掛けるかが勝負の分かれ道、というわけですね。


 ……という感じで、みなさんよろしいですか?

 質問がなければ始めたいと思います。


『おっけー』

『了解』

『いつでもどうぞ』


 ではいきますよ……スタート……!




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11/25にオーバーラップ文庫にて2巻が発売します。
WEB版から更にパワーアップしてお送りしますので、
ぜひ書店や電子書籍ストアにて購入してくれると嬉しいです。
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― 新着の感想 ―
[一言] 最新話まで一気読みしてしまった。 すごい面白いですわー。 ブルマは駄目だろうけど、普通の体操着くらいなら着てくれそうだな。
[良い点] こいつ、いつもスパチャしてんな、って思ったら まさかのスパチャチームで笑いました
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