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Aplycity
キシュッキシュッ──
乾いた音が静かに響いた路地裏に偶然通り掛かった男が1人。いや少女がもう1人。
先に駆け出した男を素早く取り押さえて口を塞ぎ、もう片方に銃口を向ける。少女は壁に体を預けてずるずると地面に座り込み、ボロボロになった体を休めるように呼吸を整え始める。
目撃者の男が悲鳴を上げるより早く、乾いた音がもう1度路地裏に響く。崩れ落ちた男の喉に刃物を押し込み、絶命するまでの間に声が出せないように処理をする。全てを終えた男は待っていたかのようにボロボロの少女の前に立ち、血で濡れた手袋越しの右手を差し出す。
「今から俺がお前の護衛をする、よろしくな」
満身創痍の体と意識を声の主に向けた少女は、無意識にその手を取り、ふらふらしながらも立ち上がる。産まれたての小鹿よりも弱々しい足取りを見て、男は腕を貸して歩くのを補助する。




