白いキツネのライラ
昔々あるところに、とても仲良しな兄弟が住んでいました。
人間の男の子のハルト君と白いキツネのライラ君です。
2人はどこに行くときもずっと一緒。
遊ぶときも、寝るときも。そんな2人は本当の兄弟のように育ちました。
でも、ハルト君とライラ君には家族がいません。
ライラ君はハルト君にこう聞きました。
「ハルト君はママとパパがいないけれど、さびしくないの?」
「さびしくないよ。だってライラがいるから!」大きな笑顔でハルト君は答えました。
冬の季節がやってきて、その日はたくさん雪が降りました。
しんしんしん…しんしんしん…
夜はとても寒くて、ハルト君とライラ君はお布団の中でくっついて寝ました。
ライラ君の毛はふさふさで、とっても温かいです。
ぐーぐーぐー…ぐーぐーぐー…
2人はぐっすり夢の中に入りました。
すると、ハルト君の声が聞こえました。
「ママ…パパ…」ライラ君はハルト君の声で目を覚ました。
「ハルト君?起きたの?」返事がありません。
どうやらハルト君は、夢の中でママとパパに会っているようでした。
やっぱり寂しいよね…
「よし!ハルト君のママとパパに会わせてあげよう!」
ライラ君はそう決めました。
「ライラ、僕昨日の夜ママとパパにあったよ!」ハルト君は夢の話をしてくれました。
笑顔で話してくれるハルト君は、やっぱり寂しそうでした。
「僕ハルト君のママとパパに会える方法を知っているよ!」
その話をきいて、ハルト君はとっても喜びました。
太陽がのぼってから2人は出かけることにしました。
ざくざくざく…ざくざくざく…
雪が降った道を歩いていきます。
「ついた!」ライラ君がここだよ!と教えてくれました。
そこは、真っ赤な小さな神社でした。とても静かで、風の音だけが聞こえます。
神社をくぐると、丸い鏡が飾られていました。
「ハルト君。ママとパパを想像してのぞいてみて!」ライラ君は、ハルト君にいいました。
ハルト君はライラ君に言われた通りにしてみると、自分が映っていた鏡が、ほかの絵を映しだしました。
そこには、ハルト君のママとパパがいました。
ママの目からは大粒の涙が見えました。
どうやらハルト君と会えなくて寂しそうです。
「ママ!パパ!」ハルト君は大きな声で呼びますが、2人にはハルト君の声が聞こえません。
ハルト君が昔書いた絵をぎゅっと抱きしめているママ。
隣にいるパパの目からも涙がぽつり、ぽつりと流れていました。
「ハルト君のママとパパ悲しそうだね。」ライラ君は言いました。
「どうしたらママとパパは笑顔になれるかな?」ハルト君はライラ君に聞きました。
「ハルト君の好きなことってなに?」ハルト君の手助けをしようと決めました。
「虹!!」ハルト君はピースサインをしながら言いました。
するとライラ君は、ママとパパの世界に虹をかきました。
とても色鮮やかな大きな虹です。
「ママパパ、僕は幸せだったよ!」2人に声が届かないけれど、ハルト君は大きな声で言いました。
すると奇跡が起こりました。
ママとパパの心に、ハルト君の声が届いたのです。
「ハルト?!」ママは驚きました。
そして窓の外をみて、ハルト君が大好きだった虹がかかっていました。
「ハルトからの贈り物だ。」パパは笑顔でいいました。
ママも涙を流していたけれど、とっても嬉しそうでした。
「絵と同じ虹だわ...」もっていた絵と見合わせました。
「ハルト君。これでよかったの?」ライラ君はききました。
「うん!僕はママとパパの悲しい顔より、笑顔が好きなんだ!」
「ママとパパには幸せになってほしい。」
「ライラありがとう!!」そういってライラ君にぎゅっと抱きつきました。
「どういたしまして。」ライラ君は嬉しそうに答えました。
昔ライラ君は、ハルト君に助けてもらったことがありました。
誰もこない小さな神社に、ハルト君だけは毎日きてお祈りしてくれたのです。
そしてお供え物をおいてくれました。
こっちの世界にきたハルト君は変わらず優しい子でした。
恩返しができてよかった…ライラ君は心の中でいいました。
「僕がさがしていたのは、ハルト君のような心の温かい子だ。」
ライラ君はそっといいました。
2人はこれからの未来でこう語り継がれることになりました。
神さまの子、ハルトと神の使い、ライラ。
30年後...
【「幸せの神様」がいる神社だって!】【虹がでた日は願い事が叶うんだって!】
女の子たちの元気いっぱいな声が聞こえます。
その隣で、お年寄りの夫婦がお祈りをしていました。
「私たちも幸せでしたよ、ありがとう。」




