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転生暗殺者のゲーム攻略  作者: 武利翔太
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第四話 短剣無双

 思いがけず物凄い短剣を手に入れたことで、俺のテンションはもうブチ上がっていた。

 このまま、ゴブリンの棲家に強襲して殲滅したいところだが、まずは手に入れたスキルやアーツの確認をしとかないといけない。

 使い方がわからず何もできないなんてことになったら、目も当てられない。

 なので、ゴブリンの前にホーンラビットで実験をすることにした。


 森を散策していると、二匹のホーンラビットを発見した。

 奇襲をかけようかとも思ったが、せっかくだし使い方がわかったスキルを試すとしよう。


「【隠蔽】」


 スキルネームを呼ぶことがスキル発動のトリガーらしいので、見つからないように小声で言う。

 【隠蔽】はあくまで見つけられにくくなるだけなので、姿は見えるし音も立つ。

 なので、できる限り静かに歩いてホーンラビットの背後に回る。

 悪く思うなよ。お前たちの命は必ず無駄にはしない。


「【炎刃】【氷刃】」


 スキルを発動させ、右手の【紅炎の短剣】でホーンラビットを斬りつけ、そのままの勢いでもう一体を【蒼氷の短剣】で斬る。

 可哀想だが、状態異常の効果も見たいからぎりぎり死なない辺りを狙って斬った。

 斬った後は、攻撃してくるホーンラビットをひたすらに避けるだけ。

 俺のAGIは武器の補正込みで八〇。ホーンラビット程度が追い付けるはずもない。

 

 避け続けていると、二匹のホーンラビットは突然光となり消えた。

 状態異常は〈火傷〉も〈凍傷〉も、一定時間毎にダメージを与えるやつっぽいな。

 色々使えそうだけど、俺の場合だと大体一撃で倒せるからちょっと微妙だな。

 

「検証も済んだし……行きますか」


 俺は当初の目的だった『ゴブリン討伐』へと切り替え、森の奥へと進んで行った。


        ◇ ◇ ◇


「もうそろそろ出て来てほしいんだが……。おっ」


 しばらく森の奥へと進んで行くと、少し離れたところに、ゴブリンと思しき集団が見えた。

 数は六。簡単に倒せるとは思うが、油断は禁物。

 即座に近くの茂みに身を潜め、【隠蔽】を発動させて、どの個体にも見つからないように接近する。

 幸いにも意外とあっさり近付けた。

 俺は身を隠していた茂みから飛び出し、近くにいたゴブリン二体を短剣一振りずつで切り裂く。

 ゴブリン達は抵抗するどころか、気付くことすらなく死んだ。

 

「ゲア!?」


「ゲゲ、ゲゲア!」


 なんて言ってるかわかんない上に鳴き声がキモい。 

 俺の前世の時もゴブリンはいたけど、こっちの世界でもキモいんだなぁ。

 時代が変わろうと世界が変わろうと、キモいと思う人間の感情は変わらないらしい。

 

 俺に気付いたゴブリンが、飛びかかってくる。

 二匹のゴブリンが先行して後ろにはさらに二匹構えてる。

 普通なら多段階攻撃は有効だが、力の差があり過ぎる。

 二匹のゴブリンをそれぞれ一振りで首を斬り、その後に飛びかかってくる一匹を思い切り蹴り飛ばす。

 俺の攻撃を受けた全てのゴブリンは跡形も無く消え去った。

 残った一匹は焦ったような表情をして逃げ出した。


「逃がすかよ!【飛刃】!」


 逃げ出したゴブリンは、スキルによって発生した刃に斬りつけられ光となった。

 俺のSTRは武器補正込みで一〇〇。

 二〇%下がっても八〇とゴブリンを倒すには十分すぎる威力だ。


[経験値が一定に達しました。アレンはLv2からLv3にレベルアップしました]


 おし、レベルアップ。スキルとかは無しか。

 まあ、スキルって簡単には手に入らないらしいし、あまり期待はしないでおくか。

 

「うん、感覚も戻ってきたな」


 手を握ったり開いたりしながら呟く。

 十五年も戦っていなかったから、相当鈍ってると思っていたが、予想より動けている。

 魂に刻み込まれるくらいまで反復して刷り込んだ技ってのはそう簡単には消えてくれないらしい。


「さあて……まだまだいくか」


 俺はさらなる獲物を探すため、さらに森の奥へと足を進めた。

 

         ◇ ◇ ◇


「うっわぁ……」


 俺は木の上で思わずそう声を漏らした。

 下でうごめく無数のゴブリンを見ながら。

 いや、数が多いのは別にいい。

 レベル上げの意味でも報酬的な意味でも数は多いほうがいいし、戦った感じゴブリンぐらいなら何体いても問題は無い。

 ただただ見ているのが苦痛だ。だって、ゴブリンキモいし。

 まあ、何言っても現状は変わらないし、四の五の言わずに覚悟を決めるか。


「【飛刃】」


 左右の短剣から【飛刃】が飛び出し、真下にいた数体のゴブリンを消し飛ばす。

 そうしてできたスペースに飛び降り、周りのゴブリンを短剣で一掃する。

 残りのゴブリン達は混乱しているようで、俺に攻撃する様子はない。

 そりゃ、いきなり知らんやつが出て来て仲間が死んだら混乱するのも仕方ない。かと言って見逃す気もないがな。


 短剣を振るうだけで周りのゴブリン達は消えていく。

 時折格闘や離脱してからの【隠蔽】奇襲などを織り交ぜながら戦った。

 十分も経つと立っている生物は俺だけになった。

 あれだけの数がいたならもう少し手応えあるかともおもったんだがな……。

 しかし、疲れたな……まだ鈍った身体が戻りきっていないようだ。


[経験値が一定に達しました。アレンはLv3からLv4にレベルアップしました]

[熟練度が一定に達しました。【剣技Ⅱ】が【剣技Ⅲ】にレベルアップしました]

[経験値が一定に達しました。アレンはLv4からLv5にレベルアップしました]

[経験値が一定に達しました。アレンはLv5からLv6にレベルアップしました]

[条件を達成しました。スキル【ハイドアタック】を獲得しました]

[経験値が一定に達しました。アレンはLv6からLv7にレベルアップしました]

[熟練度が一定に達しました。【剣技Ⅲ】が【剣技Ⅳ】にレベルアップしました]

[【剣技Ⅳ】に到達したことにより、アーツ〈パワースラスト〉が開放されました]

[経験値が一定に達しました。アレンはLv7からLv8にレベルアップしました]

[経験値が一定に達しました。アレンはLv8からLv9にレベルアップしました]

[経験値が一定に達しました。アレンはLv9からLv10にレベルアップしました]

[条件を達成しました。スキル【一撃必殺】を獲得しました]


 う、うるせぇ……。

 戦闘が一段落したら通知が流れるのか?

 長い戦闘だったし、経験値の量も多かったからこんなことになったんだろうが、如何せんうるさすぎる。

 とりあえず獲得したスキルの確認……って大半レベルアップ通知かよ。

 スキルが二つにアーツが一つ。まずはアーツからだな。



〈パワースラスト〉

能力 剣系の攻撃で与える刺突ダメージを1.2倍にする

使用制限 クールタイム一分

獲得条件 【剣技】をLv4にする



 正直これはどうでもいい。

 効果も〈パワースラッシュ〉の刺突バージョンだし見る必要もなかったかも知れん。

 そんじゃ、スキルは【ハイドアタック】から見るか。



【ハイドアタック】

能力 【隠蔽】発動下での攻撃ダメージを一・五倍にする

使用制限 一日五回まで

獲得条件 【隠蔽】発動下での攻撃を十回成功させる



 【隠蔽】専用補助スキルって感じだな。

 俺の暗殺者スタイルの戦闘には必要不可欠になるスキルだし、ラッキーだった。

 そして最後の【一撃必殺】。このスキルも嫌な予感がするんだよなぁ……。



【一撃必殺】

能力 攻撃ダメージを二倍にする

   クリティカルヒット攻撃なら三倍にする

使用制限 対象一体につき一回

獲得条件 Lv10まで敵を一撃で倒す



 それ見たことか! これヤバすぎるだろ!

 どんな攻撃だろうと二倍になる上に、常時発動スキルじゃないからタイミングも俺で選べる。

 つまり、少しHPを削ってから発動させることもできる。

 おまけに【天賦の暗殺者】のスキルと噛み合いが良過ぎる。

 その2つを組み合わせれば、俺はいつでもダメージ三倍の攻撃を繰り出せるってことだ。


 はぁ……とりあえず今日はもう寝よう。

 決して考えるのが面倒になって思考放棄して現実逃避したわけではない。

今後の投稿について

今後重点的に投稿していくのは『転生暗殺者のゲーム攻略』に決まりました。

『魔神王の暇潰し』は六話を投稿したあとはしばらく休止します。

一切投稿しないわけではないため、ご安心ください。

今後も読んでいただけたら幸いです。

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