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転生暗殺者のゲーム攻略  作者: 武利翔太
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第三十話 理性を失った獣達の共喰い

ヒデェサブタイトルだなぁ(他人事)

 光が晴れた後、俺は森に立っていた。

 今回のイベントは色んなステージがあるって書いてあったが森スタートか。

 代わり映えしないが悪くはないか。

 さて、まずは探索から……


「チェストォー!!」


「うおわぁ!?」


 ビビった! マジビビった!!

 さっきの声の主は片手剣を持った一人の男。

 反射で飛び退いたから良かったが、一歩間違えば真っ二つじゃねえか!


「クソっ、避けたか! だが構わん、ポイント置いてけコラァ!」


 再び男が斬りかかる。

 さっきは不意打ちだったから遅れを取ったが、二度目はねえぞ!


「ポイントになんのはテメエだ!」


 振り下ろされた片手剣の剣身を右手で押し出すようにしていなす。

 その回転運動を利用して身体を反転、左手の裏拳を男の顎に打ち込む。

 それだけでは倒れなかったので、勢いを殺さぬまま右のボディブローをぶっ放す。


「有り得ない……この俺様が……負けるとは……」


 俺の二〇〇オーバーのSTR二連撃には耐えきれなかったようで、男はその言葉を残して消えた。

 五七五、辞世の句を言い残す敵ながらあっぱれな死に様である。

 とりあえず手くらいは合わせてやろう。


「死ねおらぁ!」


 はい、本日二度目ェ!

 木の上から飛び降りながら片手斧を振り下ろす男を対空回し蹴りで蹴り飛ばす。

 今俺はあと五分もすれば復活する“戦友(とも)”を弔ってんだよ、邪魔すんじゃねえ!

 まったく、感傷に浸る余地すらありゃしねえ。

 風情のわからない連中はこれだから嫌いなんだ。


 今度こそ手を合わせようとした時、二度目の奇襲から常時発動に切り替えた各種探索スキルが反応する。

 さっきのやつが生きてた……いや違うな、数が増えてる。

 割と派手にドンパチやってたから周りのやつが集まってきたか?

 そんなら……先手必勝だよなぁ!


「〈ウィンドニードル〉!」


 反応があった場所に適当に魔法をぶっ放す。

 ガサガサという茂みをかき分けるような音がして三人のプレイヤーが姿を現す。

 長剣使いが一人、槍使いが一人、弓使いが一人か。

 なかなかバランスが良い、正面から相手取るのはちょっと面倒かな。


「全員散開!」


「「おう!」」


 長剣使いの言葉で槍使いと弓使いが左右に展開、長剣使いはそのまま直進。

 放たれた横薙ぎの剣閃をバックステップで回避。

 続けざまに射たれた矢を短剣で斬り落とし、頭目掛けて繰り出された槍はハイキックで迎撃する。


「一人相手に三人とか恥ずかしくないのかよ!」


「お前がタイマンで沈められるならしねえよ!」


「どうせこれが終わったら残った奴同士で殺し合うしねぇ」


「手を結んだ理由は利害の一致だけだしな。遅いか早いかの違いしかない」


 コイツら即興パーティかよ!

 そのくせ割と連携上手えなクソが!


「しょうがねえ、〈エアプレッシャー〉!」


 俺が思い切り地面を叩くと魔法で生み出された空気の塊が炸裂する。

 辺り一面に衝撃が拡散し、最も俺に近かった長剣使いが吹き飛び、他二人も耐えるように身を屈めた。

 しかし、俺の目的はそこじゃない。


「天気予報の時間だ! 本日の天気は━━晴れ時々投げナイフ!」


 〈エアプレッシャー〉で上に吹き飛んだ俺はインベントリに大量に突っ込んでいた投げナイフを全部ぶち撒ける勢いで投擲する。

 他の魔法でこんなことしたらまず間違いなく俺のHPは消し飛ぶだろう。

 だが、〈エアプレッシャー〉はダメージほぼ皆無のノックバック魔法。

 俺のHPは六割程度で留まってるぜ、思ったより削れてるじゃねえか!

 だがもう知ったことかぁ!


「死に晒せ!!」


「おわ、ちょ、まっ」


「おわー!! 死ぬー!!」


「弓を構える暇も無い……ちょ、待てマジで死ぬ」


 死ね死ね、こっちは殺しに掛かっとるんじゃあ!

 フハハハハ、人がゴミのようだ!

 今なら約束した三分を守らないで有名なあの大佐に全力で共感できるぜ!


「まずは一人目!」


「くそ、俺かあぎゃあ!」


 近くにいた長剣持ちを投げナイフで脚を潰してからの短剣一閃。

 あんまり投げナイフの扱いは慣れてないんだが、初見殺しにはもってこいだな。


「何素知らぬ顔してんだ、次はテメェだ!」


「むぅ、俺か……」


 次なる獲物として選んだのは弓使い。

 弓使いは牽制として矢を放つが、そんな苦し紛れの攻撃なんか当たるわけがない。

 漏れなく全部斬り捨ててそのまま肉薄する。


「迎撃は無理、か……なら仕方ないな」


 弓使いは矢をつがえると、目の前の俺……ではなく逃げていた槍使いの背中を撃ち抜く。


「むぎゃ!?」


「悪く思うなよ!」


 思わぬ方向からの攻撃に槍使いはたたらを踏む。

 弓使いの間合いの中無防備な姿を見せるということは死に直結する。

 案の定槍使いは矢と魔法の雨をモロに受け、そのまま光となり消えた。


「冷たいんだな」


「冷静と言ってもらいたいな。ポイントが最優先だ」


「そりゃ間違ってないが、な!」


 弓使いは俺が振り下ろした短剣を避けることなく斬撃を受け入れる。

 防御の薄い後衛である弓使いはそのまま光となる。

 ポイントが持ってかれたのは残念だが、ようやくこれで一段落ついたか。

 とりあえず次は潜伏してから……


「俺様カムバァァァック!!」


 お、お前は最初の片手剣使い!?

 生きてた……わけはないから、復活してからまたコッチにきたのか……バカなのか?

 まあいいや、もういっぺんポイントにさせてもらうぞコラァ!


         ◇ ◇ ◇


「あー、酷い目に会った」


 まさかあの片手剣使いが他のプレイヤーを引き連れて来てたとはな……

 その中にはなんか強そうな装備の奴も混ざってた……絶対アレ荒稼ぎ狙いの高レベルプレイヤーだろ、あーやだやだ。

 とりあえず近くの乱戦地帯に放り込んでからしれっと離脱してきたけどアイツらどうなってかな……


「できれば同士討ちで全滅してくれたらいいんだが……おっ、獲物かな」


 常時発動の探索スキルが反応する。

 数は六人、争ってる様子は無いし、連れ立って動いてるからパーティ登録してた奴らだろうな。

 近づいてみると、長剣使いが二、槍使いが一、大盾持ちが一、弓使いが一、杖持ちが一。

 前衛四の後衛二、アタッカー・タンカー・ヒーラー三拍子揃ったバランス重視のパーティだな。

 先頭に立ってるのはリーダー格らしき金髪の女……ってアーティじゃねえか。


「えー……こんなことあるぅ?」


 無意識に呟いてしまったのは仕方無いだろう。

 ランクマッチ用に用意されたフィールドはバカみたいに広い。

 それはプレイヤーの飽和を防ぐためであったり、リスキル防止であったりする。

 当然そんな中で知り合いにかち合うのは至難の業、俺のようにほとんど他のプレイヤーと関わっていない人間なら尚更だ。


 顔見知りのよしみで見逃してもいいが……どれだけ成長したかも見ておきたい。

 仮面を被った状態なら声を出さない限り俺だと気づかれることはないだろう。

 アイツらにとっては出鼻を挫かれることになるかもしれないが、それもまた巡り合わせ。


「さて……少しは手こずらせるようになっていてくれよ?」

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