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転生暗殺者のゲーム攻略  作者: 武利翔太
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第二十九話 決戦開幕

 初めは一通の通知メール。

 そこからメイさんへの防具作成を依頼したり、岩石兵を掃討したり、蜂の群れとデッドヒートしたり……

 何度か死にかけたりしながらも、ようやくこの日を迎えた。

 そう━━ランクマッチ開催当日である。


『ランクマッチが、始まるぞー!!!』


「「「うおぉぉぉおおおおおおおお!!!」」」


 第一層中心地に近い広場で多くのプレイヤーが集まっていた。

 ある者は開催に雄叫びを上げ、ある者は端で静かに戦意を研ぎ澄ませ、ある者は今ステージで声を上げた少女に鼻息荒く興奮し……いや、アイツは通報したほうがいいか?


 まあ、それぞれ抱く感情に違いはあれど、共通しているのはこの日を待ちわびていたこと。

 そして、俺もまたその一人である。

 今日の日まで幾度となく死に瀕しながらも準備を整えてきた。

 その成果が以下の通りである。



アレン

Lv51

HP 20〈+30〉/20〈+30〉

MP 80〈+120〉/80〈+120〉


STR 115〈+110〉

VIT 20

AGI 140〈+100〉

DEX 50

INT 80〈+70〉


装備

頭 【漆黒の鬼面】

体 【闇夜の纏】

右手 【黒月】

左手 【白月】

足 【闇夜の纏】

靴 【宵闇の長靴】

その他 【宿魔の腕輪】

    【黒天の指輪】


スキル

【短剣技Ⅹ】【暴風魔法Ⅹ】【格闘術Ⅹ】

【隠蔽】【ハイドアタック】【一撃必殺】【飛刃】

【遠視】【罠解除】【クイックチェンジ】【解析】

【操糸術】【瞬脚】

【身命】【精強】

【空間感知】【魔力感知】【敵影感知】【熱源感知】

【罠感知】

【斬撃耐性】【刺突耐性】【打撃耐性】

【炎属性耐性】【水属性耐性】【風属性耐性】

【地属性耐性】【光属性耐性】【闇属性耐性】

【毒耐性】【麻痺耐性】【火傷耐性】【凍傷耐性】

【凍結耐性】【石化耐性】【幻覚耐性】【弱化耐性】

【呪い耐性】

【天賦の暗殺者】【鬼殺し(デモンスレイヤー)】【大物喰らい(ジャイアントキリング)

【不屈の精神】【女王蜘蛛の加護】


EXP 0

SP 31



 まず単純にレベルがブチ上がった。

 おそらくだが鉱山での岩石兵百連撃破が最たる要因だろう。

 それに伴い大量のEXPを取得、ステータス割り振りを行うと、STRとAGIが一〇〇の大台を突破した。

 もっとも今でも殴られれば一撃で死ねる紙装甲ならぬティッシュ装甲なのは変わらない。

 水ですら溶けるってヤバくね、とは思うが、この世界は水が明確な意志と殺意を持って放たれるからセーフだろ。


 スキルはスキルショップで買った時からあまり変わってない。

 【短剣技】と【暴風魔法】は進化させておきたかったが、特別なアイテムが必要らしいので断念。

 SP(スキルポイント)を使って強化とかもできるみたいだが、よくわからないので一旦放置。

 わからないなら触れないが鉄則、このへんは合流した後で晃生(ガチ勢)に聞くとしよう。


 余談だが、俺と晃生はゲームに関するやり取りをほとんどしていない。

 俺が晃生から聞いた話は最初のスキル獲得に関してくらいだ。

 なんでも何も知らない状態でやるのが一番楽しいとのことだが、攻略サイトはガンガン活用してるのであんまり意味は無いというのが現状だったりする。


 最後は装備。

 装備に関してはユニークシリーズという最上級の代物を持っていたわけだが、その他の欄は空白だった。

 そこで採用したのが【宿魔の腕輪】。

 あの憎き岩野郎ことマインセキュリティゴーレムのドロップアイテム『岩石兵の魔核』を加工したアクセサリー系のアイテム。

 まだ強化は第一段階だが、それでもMPの底上げという面でかなり有用なアイテムだ。


 もう一つの【黒天の指輪】はメイさんとこに【宿魔の腕輪】を取りに行った時に買ったアクセサリーだ。

 INTとMPを上昇させるアクセサリーで、何もつけないよりはマシということで購入した。

 それなりに高額だったが、致し方ない出費である。

 それに加えてメイさんから借り受けた秘密兵器もある。


 どれもこれも全てが今日のために備えたもの。

 それを思えば今までの苦行も良い思い出……どう間違っても違うな。

 ステージで少女の明るい声が響く。

 もうじき始まるし、静かに聞いておくか。


『はーい、皆さんチューモーク! 人も集まってきたので改めて自己紹介を! 私は創造神ラプラス様直属配下の一人、天使のガブリエルちゃんでーす!!』


 観客━━主に男共━━が歓声を上げる。

 ガブリエル……まあ、そんままの名前だな。

 確か聖書だったらガブリエルは神の言葉を告げるのが役割だったか。

 ラプラスの伝達役と考えたら一番相応しい名前か。

 ていうか、やっぱあの胡散臭いピエロもどきが創造神だったのか。

 俺の中の神のイメージが壊れた気がする。


『それでは早速開始……と行きたいところですが、四回目であろうと初めての方は居るわけで。伝えるのが私の使命なので、ルールの説明と参りましょう!』


 ガブリエルが手を叩くと、ステージ上にウィンドウのような光の板が現れる。

 そこに映るのは小さくデフォルメされた人型の人形みたいなやつ。

 そういやラプラスもなんかあんな感じのやつ出してたな。


『ランクマッチではキル数・デス数・被ダメージ量・与ダメージ量などでポイントが加算され、終了時点でより多くのポイントを獲得したプレイヤーの勝利となります。まあ、簡単に言うならじゃんじゃん殺し合えってことです』


 おい、それ天使が言っていいセリフじゃないだろ。

 いや、人の死を管理する天使だから言えるセリフなのか?


『なおこのイベント中はデスペナルティが無効になりますので、安心して死んでくださいねー』


 はい天使が言っちゃダメなセリフPart2。

 まあ、無限に生き返れるプレイヤーの命なんて基本的に使い捨てだけどな。


『まあ、こんなもんで大丈夫でしょう。時間もちょうどいいですし、手早く行きましょうか!!』


 ガブリエルが再び手を叩く。

 すると、俺の足元に光で刻まれた幾何学模様の魔法陣が現れる。

 辺りを軽く見回すと、他のプレイヤーにも同じような模様が出現していた。

 なるほど、これが始まりの合図ってことね。


『ああ、そういえばラプラス様からのお言葉を頂いていたのを忘れてました』


 ガブリエルが思い出したように言う。


『もう始まるので手短にいきますねー、「ここで勝つのは懸命に藻掻いた者のみ。理性を捨てろ、プライドを捨てろ、全力で抗え。最後まで勝ちにしがみついた者にのみ神は微笑む」……だそうです!』


 今までどこか和気あいあいとしていたプレイヤー達がにわかに殺気立つ。

 そして、それは俺も同じだろう。

 自身の中の本能が叫ぶのを感じる。


 ━━さあ、殺し合おう。


『それじゃあ皆様━━良き戦闘を!!!』


 ガブリエルの言葉を合図に魔法陣が輝きを強め、溢れた光が身体を包み込む。

 次の瞬間、広場に集まっていた全プレイヤーが消えた。


 全プレイヤーの威信をかけた戦闘が今、始まる。

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