始まりのフェループ平原
取り敢えずベルカイム王国に向かって欲しいと国王様のご命令をお受けしたので、私はフェループ平原を進んでいた。
するとぷるぷるな青い液体のような魔物が現れた。
えっと……国王様から頂いた魔物図鑑によると……スライムと言うらしい……。村の男の子や大人はみんな知っているらしいけど…。
なるほど……大人しい性格なので刺激して怒らせないようにすれば問題ないとの事。私は平然と歩いた。
しばらくすると何やらとても可愛らしい牛の様な魔物が現れた。どうやらモモンと言うらしい。
怒ると襲ってくるがこれまた温厚な性格の魔物との事。怒らせない様にね…そぉっとそぉっと……。
外に出ると魔物に遭遇するから気をつけろ〜なんてみんな言ってたけど、本当に出るのだろうか。今まで会ってきた子、みんな大人しかったけど…。
意外と冒険は危険な事ばかりじゃないのかもしれない。
平原をどんどん進んでいると、ライオンの様な猛獣と目が合った。燃え盛るたてがみがとてもかっこいい。が、そんな悠長な事は言ってられず、流石にまずいと思った。絶対襲ってくる。雰囲気がそうだもん絶対そう。
念の為魔物図鑑で調べた所、フレイムライオン。危険度高、戦闘に慣れないうちは、見つけたら逃げるのがいいと出てきた。うん、逃げよう。
私は一目散に逃げた。フレイムライオンが私の3倍は速い速度で追ってきた。ぎゃあああ!追いつかれる!?私は腕をこれでもかと言わんばかりに振りながら走ったが、やはり無意味で、ライオンの魔物はどんどん距離を詰めてくる。
本当に追いつかれる思ったその時、勇者の剣がまばゆく光り出した。
すると何とあれ程威勢の良かったフレイムライオンがお座りをしているではありませんか。かわいい。
ああ、村を出る前に勇者の剣について調べたんだけど、ある程度の魔物ならば戦わずとも相手を降伏させる事が出来ると書いてあったような。
そしてこれは確実に発動するものではないが、剣の所有者が命の危機に晒された時もまた発動するとも書いてあったような気がする。半信半疑だったけど本当だったんだ……。
お座りしているフレイムライオンの頭を撫でたら、とても喜んでいた。見た目は猛獣でも、心の奥底ではやっぱり可愛がってもらいたいそう。犬も猫もライオンも思う事はみんな一緒みたい。
久し振りに思いっきり全力で走ったせいか、思っていた時間より早くにベルカイム王国の関所に着いた。