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早寝

「ん...ここは...?」


リーヴィアが目覚めた。


「ああ、そうだ透過の魔女さんのお家にお邪魔してたんだった...。あれ!?依頼は!?」


「今日は透過の魔女さんのご自宅でお泊りで明日からまた出発するって話よ。」


エルザが答えた。


「あっエルザ...」


「お目覚めみたいね。はい、これ...。」


エルザは透過の魔女の料理が乗った木のトレイを渡した。


「ごめんなさい。起こすのは悪いと思って、リーヴィアより先に晩御飯食べちゃったのよ。」


「気にしないでいいよ〜。わっ!美味しい!」

リーヴィアはきのこのシチューを味わった。


「皆さんはどちらへ?」


「魔女さんは研究室で薬の研究、ディアーヌさんは持参した回復魔法書で、ドレイミーさんは先程貰ったメテオの魔術書で勉強中よ。」


「すごい!みんな勉強熱心だね!」


「ええ、魔術業界の未来は明るいわね。」

エルザは先程貰ったメテオの魔術書を開いた。


「エルザも勉強?」


「うん、まあそんなところね。ただ...」


エルザは間をあけた。


「そんなに術式自体は難しくないみたい。」


「ええ!そうなの?」


「ええ、これ、魔法としての難易度を跳ね上げてるのは、魔法発動時に必要なMPね。」

エルザは続ける。


「術者が保有する魔力でも、魔法石から手に入れる魔力でもどちらでも構わないのだけれど、とにかく膨大なMPが必要だわ。そして私が持っているMPじゃ到底発動できないわ。」


「そうなんだ...。」


「まあでも、それは今すぐにはメテオが使えないだけであって、これからどんどん強くなればいい。目標ができたわ。」


「そうなんだ!じゃあ私はひた向きに努力するエルザを応援するよ!ファイトー!」

リーヴィアは拳を頭の上へ掲げた。


「ふふふっありがとう。リーヴィア...。」

エルザは微笑んでいた。


〜〜〜


「うぬぬぬぬ...正直言ってまったく分からない...。何でここから、いきなり術が発動した後の話に飛ぶのぉ...、簡単だから省略したってことかなぁ...。流石に私の実力じゃまだ早すぎたってことかなぁ...。」


透過の魔女から貰った魔術書を読んでいたドレイミーは苦悶の表情をしていた。


〜〜〜


「それじゃ、少しお借りしますね♡」


「ええ、どうぞ。」


ディアーヌは透過の魔女から本を借りた。


「初心者向け魔女の薬学講座...興味深いわ♡」


書斎でディアーヌは早速読み始めた。


「魔女は薬で自身の肉体年齢を止める、又は若返らせてから1人前である...。ここではその薬、『若返り薬』の生成方法を示す...。」


薬学書の次のページには若返り薬の生成方法と、それに必要な材料が書かれていた。


「う~んどれも今すぐには用意出来そうにはないわね...。とりあえず、メモを取っておきましょうか。」


ディアーヌはメモを取り始めた。


〜〜〜


本棚が部屋の隅に、色々な種類のフラスコ、実験器具が魔女の研究室に置かれており、透過の魔女はそこで研究をしていた。


「....これ以上消化液の濃度を高くしたら、人体に害が出てしまう...。新たなアプローチが必要なのかもしれない。」


透過の魔女は独り言を交えながら研究を進めていた。


しばらくすると、魔法電話がかかってきた。


「やっほー!透過!調子はどう?」


「硬化!久しぶりね!」

硬化の魔女が電話をかけてきた。


「うん、おひさー!でさ、3日後にベネヴィオ王国でパーティーやるんだけどさ、透過も来る?」


「うん!行きたい!」


「オッケー!じゃあ19時にベネヴィア城に集合ねー。」


「わかったわ。」


「うん、じゃあねー。」


透過の魔女は受話器を置いた。


「あら、もうこんな時間...。そろそろお風呂に入って寝ましょう。」

鳩時計は夜の7時30分を指していた。


〜〜〜


そして朝を迎えた。


「おはようリーヴィア。」


「おはようエルザ!」


「リビングに行きましょうか。」


「そうだね!」


2人がリビングに向かうとすでに3人が揃っていた。


「リーヴィア、エルザ、おはよー♡」


「おはようございます!」


二人はディアーヌに挨拶を返した。そして、ドレイミー、透過の魔女に対しても挨拶した。


「エルザさんメテオの魔術書....読み解けました?」


ドレイミーはエルザに魔術書解読の進捗状況を聞いた。


「ええ、まあ。まだ完全に全部解読していませんが...。」


「えぇ!?本当ですか!?なはぁ〜...凄いなぁ...」

ドレイミーはへなへなになっていた。


「ふふふっ...」

エルザは微笑んだ。


4人は透過の魔女の朝ごはんを頂いたところで、再びフォルトンの森を探索する準備を済ませた。

そして、改めて透過の魔女に感謝した。


「本当に色々とお世話になりました、ありがとうございました!」

リーヴィアは深く感謝した。


「いえいえ...、私の方こそ、皆様と楽しい時間を過ごせたことにお礼をしたいです。それではお気をつけて行ってらっしゃいませ...。」


透過の魔女は深いお辞儀をして4人を見送った。


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