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和気藹々

「はい、間違いありません。大賢者レクシエルの一筆でしょう。」


「なんと...信じられない...。」


「あっ、もちろん無理に受け取ってほしいとは言いません。断って頂いても構いませんよ。」


「いえ!ありがたーく頂きます!!ていうかこの状況で断ったらオズワルド様にどやされる!」


ドレイミーは魔術書を貰った。


「うふふ、受け取ってもらえて嬉しいです...。」

透過の魔女は微笑んでいた。


4人が再びリビングに集まった所で透過の魔女は言った。


「皆さん、どうぞゆっくりお休み下さい...。私、クッキーを焼いてきます。」


「あ、ありがとうございます!」


リーヴィアも含め4人はくつろぎ始めた。


「何だか至れり尽くせりって感じね♡」


「そうですねぇ...。」

エルザは少し眠そうにしていた。


「失礼ですが、私は魔女ってもっと怖い方々だと思っていました...。やっぱり偏見を持ってはいけまないですね...。」

ドレイミーは反省したようにそう言った。


「物腰の柔らかいお優しい方ですよねぇ...。」

リーヴィアも少し眠そうにしていた。


「あら、二人共眠いの?」

ディアーヌは聞いた。


「いえ...眠くは...、それに依頼を受けている間ですから眠る訳には...すぴー」

エルザは眠ってしまった。


「すぴー」

リーヴィアも続けて眠った。


「あらあら、可愛いわねぇ〜♡お疲れなのかしら。」


「結構歩きましたからねぇ...。それに彼女達まだ13歳ですから、大人でも終わったら疲れる討伐依頼系統の依頼に同行していればそれは...って感じですよね。」

ドレイミーは自分で納得するようにそう言った。


キッチンから芳ばしい、いい匂いがしてきた。


「皆さん、クッキーが焼けました。あら、お二人は...。」


「眠っちゃいましたね...。」

ドレイミーがそう言った。


「そうなんですか...お二人の分は袋にまとめておきましょう。では皆さんどうぞお召し上がり下さい...。」


「どうもすみません、頂きます♡」


「ありがとうございます!頂きます!」


二人はクッキーを頂いた。


「あら〜♡美味しい♡」


「本当ですね!美味しいな〜」


「ふふふっ、ありがとうございます。」

透過の魔女は嬉しそうにそう応えた。


「フォルトンの森は広くて魔物も多くてなかなか探索するのが大変なんですけど、この森の土壌はとても栄養があるんですよ。なのでいい小麦粉が取れるんですよね。」


「そうなんですか〜!」


「ええ、まだまだありますので、足りない時は私に言って下さい。」


「わかりました!ありがとうございます!」


「ありがとうございます♡」

二人は礼を言った。


「どれどれ、私も...。うん、上手く焼けてるわ、良かった。美味しい。」


「何から何まですみません♡」


「いえ、私が好きでやってることなんで...。」


「私、こんなに手厚く歓迎されたの初めてです!」

ドレイミーは目を輝かせながらそう言った。


「ありがとうございます。皆様だけでなく、稀にですが私の家へ訪れる冒険者の方が来られるのですが、私が魔女だと打ち明けると警戒されてしまうのですよね。」

透過の魔女は続けた。


「昔から魔女は怪しい薬や、毒を作っていると伝わっているますし、実際私の先代はそうでしたから仕方ない話なんですけど...。」

透過の魔女は更に続けた。


「だから嬉しいです。皆さんが私のおもてなしを受けてくだることが...。」

透過の魔女は静かに言った。


「...私達は冒険者だからそのうち魔女さんの家を出なきゃいけないけど、いつかまた、心暖かなおもてなしをされたいわ♡」

ディアーヌは笑顔でそう言った。


「ありがとうございます。いつでもお越しください。」

魔女は微笑んだ。


「今の魔女の皆さんはどんな薬を作っていらっしゃるのでしょう。」

ドレイミーは尋ねた。


「今はもう多種多様の薬を開発していますね。足が早くなるとか、記憶力が上がるとか、体内で電気を発生させるものもありますね。」


「へえ〜凄い!そういうのってどうやって作るんだろう、材料とかも想像できないですし。」


「私の友人の、硬化の魔女は象の魔物の血液を薬に入れてますね。」 


「わお!象の魔物ですか!」


「ええ、それに血液は使用直前に入れないと効果が弱まってしまうので使用者の目の前で入れてくれますよ。」


「うはーっ面白い!」


「私の場合は蛇の魔物の消化液ですね。薄めて塗ると色素が消えるんですよ。」

三人は和気藹々と談笑した。




「んっ...はっ!ごめんなさい、眠ってしまいました...。」

エルザは目覚めた。


「お目覚めのようね♡」


「どのくらい寝てましたか?」


「3時間くらいかしら。」


「3時間!そんなに...。」


「今日はもう遅いから透過の魔女さんがお泊りしていって下さいって。」


「そうなんですか。今日中に終わる依頼でしたのにごめんなさい。」


「いいのよ、気にしなくていいわ。」

ディアーヌは優しくエルザを慰めた。


「皆さん、晩ご飯が出来ましたよ。」

奥から透過の魔女の声が聞こえた。


「じゃあ、ご飯にしましょうか♡」

ディアーヌは優しく言った。

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