勇者リーヴィアの誕生
今朝、
「これより勇者の剣を扱うのに相応しい人物を選定する!アルト村の諸君は、今日の昼頃順番が来ると予想されている。よろしく頼むよ。ホッホッホ〜〜!」
という国王様の宣言があった。
血統関係無しに伝説の勇者の剣は持ち主を選ぶので、魔王が復活すると毎回こういう儀式をやらないといけないらしい。
儀式は剣を引っこ抜こうとして、抜けるか抜けないかを見るだけなのですぐ終わる。
ちなみに前の持ち主は老年の男性で、もうゆっくりしたいとの事。みんなにちやほやされるけど勇者様も大変なんだなぁ。
そうこうしている内に私の番が回ってきた。
触ろうとするだけで緊張する、選ばれた所で私はただの村娘なのでどうしようもない。
でもまあ何万分の一という確率らしいのでまず私は選ばれる事はないはず、要らない心配だなぁと思いながら私は剣を握り、引っこ抜こうとする。抜けた。
あれ…?抜けた…?`「抜けない、当然だ。」って展開じゃなくて抜けた!!?嘘ぉ!?
「抜けた……、剣が抜けたぞぉおお!!!」「うおおおおお!!」
村人、王国の兵士の声が聞こえてきた。夢でなく、間違いなく現実だ。
「君が新たな勇者か、名は何という?」
「 リーヴィアと申します。」
「リーヴィアか、いい名だな。歳は幾つになる?」
「13です。」
「13か、ふむ……」
「うむ………いや、しかし君はたいそう豊満な、むn」
「(国王様!) 」
「(何だ。)」
側近の家臣が国王に耳打ちをし始めた。
「(失言を避けてください!幾ら国王だからと言って、何でも言えるわけじゃないって何度言えば分かっていただけるのですか!)」
「(そう怒るな、フレディックよ。)」
「(私達の精一杯のフォローも限界はあるのですからね!セクハラなんて特に民衆の目が厳しいんですから!)」
「(わかった、わかった。)」
「うむ、いや何でもない……さっきのは聞き流してくれ…。それより新たな勇者リーヴィアよ、各国の勇者と協力し、魔王の討伐するのだ!!」
「ははっ……」
私は国王の前で跪いた。確かこんな感じだったような気がするけど……無礼にならない……よね?
そんなこんなで世界を救う冒険が始まってしまった……。……本当に私が行くの?体動かすのはあんまり得意じゃないし、家族と一緒に平和に暮らしてた、冒険と一切関わりない普通の女の子なんだけど……。
とても心配になってきた。
閲覧していただきありがとうございます!初投稿、初作品ですが頑張っていきたいと思います!