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ひとりぼっちの世界、たった二人だけの星  作者: 鈴木りんご
三章「人類の樹」
38/51

38話

☆☆☆


 ……失敗だった。


 やっぱり迷惑だったんだろう。


 僕らはただの友達だった。


 それなのに……僕には今まで人間の友達なんていなかったから友情と、愛情の違いすらわからなかったんだ。


 よく考えてみれば当然のことだ。


 こんな欠陥品の僕を誰が愛してくれるのだろう。


 ナリアの優しさに舞い上がってそんなことも忘れていた。


 だから……僕は決めた。


 人間になると。


 幸い僕には優秀な頭脳が与えられている。


 他の誰かにはできなくても僕にならできるかもしれない。


 それに僕が人間になれたのなら、ナリアもまた救うことができる。


 そうなれば今度こそ僕のことを好きになってくれるかもしれない。


 どんな物語でも、悲劇のヒロインはそこから救い出してくれたヒーローに恋をするのがお約束だ。


 悲しみにくれて、うつむいているだけじゃ何も変わらない。


 ナナを失ったときとは違う。あのときはどうしようもなかった。


 でも今回は……確かに僕は友達を失った。それでもナリアを失ったわけじゃない。


 僕は幸せを失った。それでもナリアの幸せを失ったわけじゃない。


 だから大丈夫。


 今回は取り戻すことができるかもしれないんだ。


 僕は前を向く。


 もう僕は悲しまない。いちいち傷ついたりなんかしない。そんな暇はない。


 僕は進むんだ。真っ直ぐ前に進むんだ。


 もう一度、ナリアと笑い合うことのできる明日のために。


 僕の望む幸せな未来のために。

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