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ひとりぼっちの世界、たった二人だけの星  作者: 鈴木りんご
一章「美しい星と滅びた人類」
11/51

11話

☆☆


 私は思う……


 私にはそれしか許されていない。


 だから私はひたすらに思う……


 ただ……彼のことを思う。


 彼との出会い。彼と過ごした日々。


 幸せだった。


 それは他の誰かから与えられた、包み込むような幸せではない。私の内から、私の心が生み出した溢れる私自身の想い。


 本当に幸せだった。楽しかったし、愛おしかった。


 全ては彼がしてくれた。


 確かに全ての想いは私の心が生み出した。でもそれを与えてくれたのは彼。


 他の全てだって私に幸せをくれた。でも彼は私を幸せにしてくれた。


 同じようだけど全然違った。


 だから私は望んでしまった。だから私は夢見てしまった。彼もまた私に同じ想いを向けてくれることを。


 私は本当に彼のことが大好きだったんだ。

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