プロローグ『流行り沸く世の人々』
ボリューム的には本で1~2冊程度、更新頻度は前回と同じぐらいでやって行こうと思っています
お付き合いよろしくお願いします
ここ数年、世の中はオカルトブームだった。ネットの普及によって衰退の一途を辿っていたそのコンテンツは、ある事件がきっかけでその勢いを盛り返してきていた。
事の起こりはおよそ五年前。一人の超能力少年がテレビメディアに舞い降りた。その事だけならば過去のテレビ史でも幾度かあった出来事だったが、その少年はレベルが違っていた。スプーンどころか鉄パイプさえねじ切り、自在に炎を操り掌から電気も生み出して見せた。
世間は両極端に分かれた。つまり、信じる者たちとインチキを疑う者たち。もしインチキだったならば、これほど大規模なウソはテレビ側のヤラセがなければ成立しない。世間やネットは大いに炎上した。
そして答えが出ないまま時が過ぎ、その超能力少年を巻き込んだとある事件が起こる。そこで、司法はこう判断したのだった。超能力は存在すると。
世の中は一気にざわつきを増した。こうなればテレビのエンターテイメントとしての枠には収まらない。この超能力騒動は一気に社会問題と化していった。
超能力、心霊、UMA、UFO、あらゆるオカルトを巻き込みながら世の中は白熱していく。
しかしそれ以降、超能力少年は世の中から姿を消してしまった。やはりインチキだった、政府が隠した、実は宇宙人だった。色々な憶測を呼んだが結局答えは出ず、ブームだけを残して彼は二度と姿を現すことはなかった。
それ以降、超能力者を騙る者は数知れず現れたが、少年のレベルに達するものは一人も現れなかった。その少年だけが、国が唯一認めた超能力者となった。
世は、第二の超能力少年を求めていた。英雄の登場を求めるように、人々はその瞬間を待ちわびていた。