終わりの前に
不幸だった少女達の新しい日々
コレはそんな話だ
『達』なんて聞いてない?
それは済まなかったね
父親に死なれ
母と共に叔父の元で貧乏大工の日々を送っていた少女は魔法使いの娘に出会い
幼馴染を伴侶とし
子には恵まれなかったが
この世と魔法の狭間を覗き見しながら
己の人生を楽しんだ
肉屋の娘はおとぎ話の姫や貴族の暮らしに憧れ
目の前に現れた姫や貴族の周りを日々走り回り
そうしているうちに自分が貴族になり沢山の子を産み
国一番の大貴族の奥方として歴史にその名をとどめた
人さらいに勾引かされ
こじき小屋とさげすまれる所に拾われた女は垂れてきた一本の糸を掴み決して離さず
正堂と呼ばれる組織の中で生まれや育ちを否定する事を覚え
それを世界に広めた
目の見えぬ少女は奇跡よりも大切なものを見つけ
その上に奇跡が舞い降り
もうこれ以上何もいらぬと大切な人と暮した
己の身に炎の呪いを受けた少女は
自分は蛮人を変えられると思い込み
長く荒地を彷徨い
やがてその呪いをゆるされ
子を産み
その子と共にかつての己の願いを叶えた
魔法使いに兄達を殺され
父のまでも命を絶った少女はその全てを復讐に費やし
その全てを打ち砕かれたのち
己が望んでいた力を手に入れ
それに歓喜し
ただ永遠の喜びの人となった
黄金の毛に生まれ
荒地に育ち
病に侵された毛人の少女は一族の住まいを移す事を条件にその身を癒され
その後は長く現人神として一族に祀られ
ある人間の男の夢のために手を尽くした
田舎に生まれたある少女は
異種族に恋をし
人間を捨て
耳の短い
胸の大きく膨らんだエルフとして愛した男と共に暮し
沢山の子を産み
その数だけ幸せを手に入れた
果てしのない時の中に生きる機械仕掛けの女は
いつか人間になりたいと願い続けるうちに
本人も知らぬうちに人よりも人らしくなっていった
それではこの話の最初の一人
少女スズは?
それはほら
そこに書いてある
一歩戻って見てみるといい
そこにはこう書いてあるはずだ
「大森林の魔法使い」
それはお前のことだろうだって?
いやいや
私は大森林の主人ではあっても魔法使いでは無いよ
それに魔法使いと言うのなら女性の方が似合うじゃ無いか
そうは思わないかい?




