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大森林の魔法使い  作者: おにくさま
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遡って三十九話(い)

二十四の誕生日を目前に控え、私の十二年にもなる共化の為のお勤めが終わった


毎日シジュウ様にあれやこれやと教わり時に喜ばれ、時に嘆かれながら沢山のことを教わった

私が望めば更に四年、長としての教育をして頂ける

勿論喜んでお願いしたのだがそれはそれでやはり一旦一区切りとなる


主人様はよく学んだ、コレでお前も誰はばからぬ大森林の一員だと喜ばれ

ワンワンや盾の皆にも祝われた


シジュウ様はついこの前まで字も知らぬ、手で物を掴んで食べる様な娘だったのにと感慨深げにされ

ああまだ教えたりぬことが山とあると笑われた


私に任される《館》

その当面の問題の一つは財政

豆と銅の収入のお陰で何とか赤字を免れている

蛮族に下げ渡す物は何れも捨てる様なものばかりなのだが、そこまでしてようやく赤字を免れているのだ

シジュウ様が言うには豆だけでも今の倍は作らせたいらしい


そしてもうひとつの問題

《館》の旗だ


今までは真っ白な旗を仮のものとして使って来たが私の長としての初仕事はこの旗を何色に染めどんな印を入れるかなのだ


「ほら、お前が描いたヒヨコの絵があるだろう、あれでどうだ?」


テイは真顔で恐ろしい提案をする



「コレが《大樹》の旗でな、此処から葉の枚数を少し変えれば、ほら!カッコいいぞ!」


センはコレは名案だと言って自分の所と同じ模様を進め



「赤く染めないか?そこらの蛮族の血で、私がやってやるから遠慮するな」


キィはそれだけはやめてくれと言いたくなる様なことを言い出す


そんな中

リヨは黙って真っ白な旗を見つめ

このままではいけないのかなと呟いた

へんぽんと翻る大森林の旗に一つくらい真っ白な旗が有っても良いと思うのだがと


胸のつかえが取れる思いで私はそれだと頷き

キィにこの白い旗を白いままにとびきりオシャレにして下さいと頼み

キィは笑って任せろと言ってくれた


そしてエルフ達が仕立てた私の旗が出来上がり主人様にご覧いただく


「綺麗な旗だ、よく出来ている」


主人様は旗やそれを仕上げた盾の皆を褒めてくださる


私はワンワンに頼み御屋敷の一番目立つところに私の旗を翻してもらった

ワンワンはコレは誉だなと笑い旗を眺める


吹き流す様な三角形に黄金の総で縁取られた純白の旗

私の家の旗

まずは千年

この旗を守ってみよう


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