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大森林の魔法使い  作者: おにくさま
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三十九話

昼食が終わり一息入れ

あまり人任せはいけないと思い食器を洗う


シジュウ様はこれは助かると言って喜ばれ掃除に向かわれ

私はせっせと皿を洗う

それをセンがボーッと眺めていた


“どうしたの?”


私の問いにセンはそれはこちらのセリフだよと笑い

私の洗う皿を覗き込んだ


「何か悩んでいるのか?」


私は皿を洗う手を休めずに少しと答えた


「相談にのるぞ?なんせ私は王様だからな、人生経験も豊富だ」


センは胸を張りさあ言ってみろと私のお尻を叩く


“私が子を産めば主人様は喜んでくださるでしょうか”


私の呟きを聞きセンはああそれかと言って椅子に腰かけた


「喜んでくださるよ、主人様は亀の産卵でも泣いて喜んでくださる」


“亀と一緒?”


私の言葉にセンは困った様に笑う


「我が身の恥を晒そうか」


センは椅子を揺らし天井を仰ぎ見た


私達盾が何故全員女なのか考えた事はあるかい?

今の盾の話ではないよ

十万年前の最初の盾の七姉妹の事さ


私の兄弟にはちゃんと男も居たんだよ

腕っぷしだってあった

だが父上は私達姉妹を主人様に盾として捧げたのさ


父は私達を送り出す時に何と言ったと思う?

一族のために御寵愛を頂いてまいれ

そう言ったのさ


驚きはしなかったよ

わかって居たからね

大森林で最初の三人と呼ばれた我が一族

だが最初の一人であるワンワン様には全てにおいて及ばない

父は毛人にその地位を独占されて居る事を憂いて居たのさ

私の知るかぎりでは主人様の御屋敷に住まう毛人はワンワン様一人だが、その昔はワンワン様のお子達が御屋敷の中を走り回っていたという

それを我々にもなせと言うわけさ

主人様も男なら女を侍らせて何もないと言う事はなかろうと


しかし実際何もなかった

姉たちの中には迫った者もいたが子供の様にあしらわれるばかり

私が盾に選ばれた理由も主人様が少女趣味だった場合のためさ

まあ結果盾として大切に扱われはしたし私達の地位向上にも繋がったのだが


重ねて言うぞ

主人様は私達を女としてみる事はなかった



センはそこまで言うと私を見上げ呟いた


お前のその願いは叶わん

だがな

主人様はお前の子であればどこの誰の子種であるかなどこれっぽっちも気にされん

子を育てるお前を褒めてくださるし産まれてきた子をお前と同じ様に愛してくださる

お前がただ添寝をして欲しいと言えばして下さりはするだろうが、お前の望むそれはあり得ないんだ


気持ちを切り替えるのだな

例え願いが叶わなくとも愛されていることには変わりはない

コレは十万年前に同じ病を患った少女からの言葉さ


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