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大森林の魔法使い  作者: おにくさま
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鬼の姫

名はと聞かれれば鬼姫


可愛いでしょう?

よく言われる

子供の頃は姫ちゃんって呼ばれたわ


まあテイみたいに「おいオニ」って言ってくるのもいたけど

私は私達魔人が大森林で更に高い地位を手に入れる為に日々努力している

エルフなんてみんなバカばっかりじゃない?

それが最初の三人だからって幅を利かせてるだけでしょう?

まあいいけど


私達魔人は島が大森林と一つになって以来、その持ち合わせた勤勉さでみるみる高い地位や多くの席を手に入れてきた

今や大森林で魔人と言えば押しも押されぬ大勢力だ


じゃあ私の『友人』のテイは魔人なのかエルフなのか

そりゃエルフでしょう

何分の一か魔人の血が流れてるだけで

だいたいテイは産まれも育ちも大大都

言っちゃなんだけど魔人かぶれの唯のエルフ

上級学校を出て以来会ってなかったけどまさかあんな所で再開するとはね


私の勤先に主人様の使者がいらっしゃって

先生はこんなに早く私にお声掛が来たのかって驚いていたけどね


使者の方は、ど田舎の新領で蛮族を手懐けるのを手伝って欲しいと仰られた

勿論見返りは期待していいって言われたわ

あ、最後の一言は無しね


先生にも是非行ってこいと言われ

魔人三千万の為に骨を折って参りますと勇んで事務所を出たわ

ここだけの話、先生の後を継ぐのは第一秘書のあいつだから私としても足掛かりは欲しかったわけ


で、飛行場からど田舎へ飛び立ち、なんでわざわざこんな辺境へって所へ

驚いたわね、新領《館》

本当に館しか無いんだから


住人は二名

一人は此処では御名前を出せない方

もう一人が実質唯一の住人


いい?此処からは聞いても人には言えない事よ?

新領には醜い盾の面々が居て

その上ワンワン様もいらっしゃったわ

分かるでしょう?

そうよ、主人様

ええ、今もあちらにいらっしゃるんじゃ無いかしら


とにかくそこで懐かしの大親友テイと再会したの

そりゃあもう露骨に舌打ちされたわよ


そこで使いの方に説明を受けたの

恭順したエルフの蛮族が長い間何かにつけて衝突していた蛮族のゴブリンを頂いた武具で攻め滅ぼす許しをくれと行って来た、それはそれで許さんとエルフ王が収めたんだけど、じゃあそいつらも恭順させて手先として手駒にしようかって事で、鬼の一族で悪魔将軍六騎の家系である私にお声掛があったってわけ

広い意味ではゴブリンも鬼だからね


ゴブリン王でも良かったんじゃないと思って、後で調べてみたらゴブリン王はほら、あの不祥事の揉み消しの真っ只中でそれどころじゃ無かったのよ

私も運が有るわね


先ず主人様に御拝謁をさせて頂いたわ

失礼のない様に平服を脱いで毛皮の腰巻に着替えて、それにこの姿のままじゃ失礼だからちゃんと鬼の姿でね


それはもう!

よく来たね、頼むよ、それにしても美しいと言ってくださったわ!

お使いの方にも次の機会に何処か目立たぬ所で席をひとつ開けてやるって耳打ちしてくださって、俄然やる気になったわ

どんな辺ぴな田舎でも一席は一席

魔人三千万の為に席は一つでも多い方が良いじゃない


ん?ああ、スズさんだったかな?

聴けるんじゃない?

どうぞ




はい、はい私が《館》の娘スズです

驚きました、本当に大大都の方とお話ししているのですね、本当に凄い

ええそうです、鬼姫さんが急に服を脱いで、そうしたら雷が落ちて、驚きました、まるで別人です

綺麗な女の人が途端に牙とツノが生えて、まるでリヨが痩せて見える様な筋骨になって

アレが鬼の本来の姿だと聞かされた時は納得しました、アレなら《島》が戦さで負け知らずだったのも納得です




なんでそこを話すかな

まあど田舎でちょっと前まで蛮族だった娘だからね

仕方ないか


御挨拶が終わって平服に袖を通し、早速蛮族のゴブリンの所へ向かったわ

盾とさっきのスズさんだったかな

それとお使いの方で


エルフの蛮族に道案内をさせて

魔獣で行ったからすぐ着いたわ

エルフとゴブリンの係争地


やっぱり蛮族でもゴブリンはゴブリンね

しっかり耕されていたわ

ええ、森を開拓して畑に

そりゃあエルフにしたら怒るでしょうね

あいつら基本バカだから


まず私一人がゴブリンの関へ向かってお前達の頭を出せと威厳たっぷりと怒鳴ったの

ぽかんとしてたわ

鬼の匂いはしても目の前にいるのは私だからね

取り敢えずその場の代表が来てお前は誰だ、石の街の奴らかって言うから

これまた威厳たっぷりに、ほざくな蛮族、私は鬼の姫なるぞって時代劇みたいに言って目の前に雷をひとつ落としたら這いつくばってね

直ぐに穴蔵の主をお連れしますって飛んで行って、偉そうなゴブリン連れて戻って来たわ


穴蔵の主とか言うゴブリンに、疑うわけではないが我らの救世の方である証を見せてくれって言われて

なんだ?証ってって思ったけどそこは日頃鍛えた臨機応変さでね

うむとか頷いて目の前で鬼の姿に戻って見せたら平伏して泣いてたわ

私も泣きたかったけど

え?そりゃそうでしょう?私の仕事着に使ってる平服安くないんだから!それがビリビリよ⁈


ああ、まあそれで穴蔵の主とか言う奴に、鬼の姫様!早速我等にエルフを森から追い払うお力を御授け下さいって言われて、思わず喜んでって言いそうになったけど、そこはグッと堪えてそれは許さんとか言ってね

そこでエルフ王セン様とスズさんに来てもらって、私達三人は友人だ、お前達には今後不自由はさせないから森と穴蔵と石の街、手を取り合って暮らせって言うと、ははぁーって這いつくばってね

なんか面白いから争い事以外で望みがあるなら言ってみろと言うと

さすがゴブリンね、木簡に炭で綺麗にしたためて持って来たわ

読めないけど


頷いてあい分かったって言って受け取って

後はお使いの方に丸投げ

さあ?どうせゴブリンだから面白くもない物じゃないの?

なんだっけ、腕輪の素とかじゃ無いの?

声石?ふーん、多分それとかでしょ


そこで私は大親友にひとつイタズラを仕掛けました

本当は「私は鬼の国に戻るからコレからはこの二人を私と思い頼れ」ってセン様とスズさんを指名する事になってたんだけどね

テイを指差して「あれは鬼とエルフ、両方の血を引く者で私の旧友だ、今後はアレを頼ると良い」って言ったの

見ものだったわよ!テイの顔!

貴様っ!って書いてあったもの!


まあ後は私がここに来た証だって言って、お使いの方から渡されたなんかよく分からない物を穴蔵の主に渡して御役御免

その日のうちに大大都へ戻って翌日からは普通に仕事してたわね


その後?

知らないなあ、あそこに行く事ももう無いだろうし

もうすぐ次の席争いだしね


ねえ、今度はこっちが聞きたいんだけど

貴方知ってるんでしょ?

私に用意される席って何処なの?


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