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大森林の魔法使い  作者: おにくさま
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十話(え)

戦以上に気を引き締める

ここで恥をかいては末代までの笑い者になる

さむらいとして其れだけは許されん


他の盾達も同じ心持ちなのだろう

皆口数も少な無く

シジュウ様とスズの後に続く


まずスズが主人様のお部屋に入り用向きを伝える

程なくスズは戻り、それではお部屋の中へと言って私達を迎え入れた


「よく来たね、驚いたよ」


主人様は私達を見るなり笑われながらお声をかけて下さる


「シジュウ様より仰せつかり飛んで参りました」


主人様はそうかい大変だったねと仰ると首を傾げられる


「臆病なシャ、泣き虫のヨウ、弱虫のオキはどうした?」


「はい、爆弾のシャは歩く事が叶わず、冷血のヨウは夢とうつつの間の人となってしまいました、鉄人オキは天上にて主人様を永久にお守りしております」


主人様はそうか、会えない者には手紙を送ろうと広い御心を見せて下さる


「ところでお前達が来たと言うことは何かあったのかい?」


「いえ、少し御屋敷の周りを見回っただけの事です」


「そうかい、それは誰かに言われたのか?」


シジュウ様がスズを連れ一歩前へと出る


「主人様に代わりこのスズが盾達に命じました」


スズはそんな事今聞いたと言わんばかりに驚く


「そうか、スズは気がきくのだな」


主人様は嬉しそうにスズを褒め

シジュウ様にもよく育てたと声をかける


「それにしてもお前達の住まいはどうなっている?」


キタ!

此処からが正念場!


「愛馬とともに温室をお借りしております」


主人様はそうなのかとスズに聞く

スズははいと答えた


「シジュウ、まだこの館に空部屋は有るのだろう?」


シジュウ様は二階にふたつ一階に三つ御座いますと仰る

主人様は二階は不便だろうとシジュウ様に言う

今がその時!


「お心遣い涙も枯れる思いです、ですのでその二階は今回拙い采配をとった私が頂き、良く働いた他のものには住み良い《下》の階をお与えください」


主人様がそうだなと仰ったその時


「いやいや、今回たまたま何となく本当にただの順繰りで若者に頭を押し付けてしまった訳だ、気にするな、そこはこの年寄りのセンに譲れ、お前は住み良い《下》の階を使うが良い」


「気になさるなセン殿、このリヨ、信じるは鍛錬の神、喜んで皆に《下》の階を譲ろう」


「いやいや、この一番年若いキィが皆様に《下》の階を譲っていただくわけにはいきませんよ」


此処までは想定していた

主人様は皆慎ましいなと笑い

私は切札をと

その時


「スズ、お前が決めてやれ」


主人様はスズにそう促し

スズはそうですねと考えを巡らす

私とてこの流れを考えなかったわけではない!

流れる様に次の手を打とうとしたその時


「私が部屋を譲ります」


主人様はそうだなと笑い

シジュウ様は丸く収まったと満足げに頷いた


「スズは少し不便になるが皆は住み良い一階に収まる、万事解決だ」


主人様は私達に必要なものがあれば遠慮なくシジュウに言え、スズもなと笑い、今夜は皆の話でも聞かせてもらおうと仰った



かくして主人様のお側争奪戦は全員が敗者となった


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