0.Prologue
西暦2010年、夏。
その日の夏は特別に暑い季節だった。
地球温暖化の影響もあったが、そんなものが可愛く思えるほどの暑さが人類を襲った。
突如として世界各国の空に現れた黒い未確認飛行物体。<UNKNOWN>と名付けられたソレは、UFOとは全く異なる、その異形の生命体は、鉄を喰らい、生命に害を及ぼす瘴気を撒き散らし、更には赤い光線を放って、大陸を焦土に変え、人類を瞬く間に虐殺していった。
<UNKNOWN>の侵攻によって、世界中の至る所で地獄の業火が燃え盛り、暗雲が空を覆い尽くした。
太陽は隠れているのに、例年の夏を上回る暑さが、地球上の自然や生命を焼き尽くそうとしていた。
人類は<UNKNOWN>に対し、抵抗し続けたが、犠牲は増え行く一方だった。
それから15年が経った、西暦2025年。
遂に地球の総人口の半数以上が死滅し、大陸もほとんどが<UNKNOWN>の手に堕ちていった。
そんな中、国連は最も<UNKNOWN>との戦闘経験が豊富な日本軍を中心に世界各国の軍を統合し、再編成。その課程で日本義勇軍が創設された。
それから更に2年が経った、西暦2027年。
太平洋の境界線上に裂け目を発見した。
その裂け目の先にあったのは、暗黒の空、水や緑と言った自然が死滅し、荒廃した大地、無惨な鉄屑だらけの『星』だった。
そして、その星こそが<UNKNOWN>の住み処だった。
<UNKNOWN>が潜むこの惑星を、人類は『惑星ジャール』と命名し、この惑星への侵攻を決意した国連は日本義勇軍を再度編成の見直しを行い、『ジャール軍』を創設。世界各国の生き残った優秀な兵達が集った。
そして、西暦2027年7月。
ジャール軍は、惑星ジャールへの本格的な侵攻を開始した……。