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喪失の神降巫  作者: 黒花 ロカ
一つの別れは一つの始まり
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閑話休題:学院新聞~伊能五十鈴の日誌~

セントキルダ学院には学院で起きた事を新聞形式にまとめて発行している『学院新聞部』というものがある。そこの部長、伊能五十鈴は五期生のエースであり、実力は六期生、冠巫に次ぐと言われているがあまり表に出てこない為、彼女の戦闘力を知るものは少ない。最近では、もっぱら新聞部の活動の方に熱を注いでいるそうだ。

彼女は記事になりそうなことや、インタビューの様子を手帳にまとめている。今日はその中身を少し覗いてみよう。



4月20日 ジャンヌ・デュラクさん 神威拓屠さん インタビュー内容

記述者 伊能 五十鈴


さあ!今回は冠巫期待の新星、ジャンヌ・デュラクさんとその師匠と噂されている神威拓屠さんに突撃インタビューですよ!

「少し、気恥ずかしいな・・・」

「毎度の事だが、お前らはどこからそういう情報を手に入れてくるんだ?」

それは企業秘密というやつですよ。さあ、ジャンヌさん!まずは自己紹介をどうぞ。

「えーと・・・名前はジャンヌ・デュラクだ。出身地は中央大陸の東の小さい農村だ。」

・・・もう少し何かありません?こう、バーンと。

「す、すまない。こういうのは慣れていなくてな・・・緊張してしまうのだ。」

まあ、可愛いからいいですよ。なら、ご自分の契約神について教えてもらってもいいですか?

「・・・」

「ジャンヌ、一応コイツは信用できる。だから話しても大丈夫だ。」

一応って・・・結構長い付き合いですよね、拓屠さん?

「その長い付き合いのなかでお前は俺に何回迷惑をかけたか覚えているか?」

テヘッ☆

「まったく・・・ジャンヌ、話してやれ。」

「あ、あぁ。ンンッ、契約神は英雄型、名をロランと言う。主力巫装は『デュランダル』。背中に背負っている剣のことだ。」

随分と大きいですね・・・さぞ取り扱いも大変でしょう。

「いや、実はそうでもなくてな。この剣には刃がついてなくて、神力を刀身に流してそれを刃として用いるんだ。」

つまり、神力を流さなければそこらの模擬刀と変わりないんですね。

「そういうことだ。」

なるほど。後、質問なのですが巫装展開時に髪の毛を束ねるリボンが現れますけど、あれは?

「本当によくみているのだな・・・」

眼はいいほうですから、エッヘン!

「そ、そうか。で、あのリボンだがぶっちゃけてしまうとロランの趣味というか。」

ほう、珍しいですね。契約神が自分の嗜好にあわせて巫装を作るとは。

「そうなのか?」

「・・・まあ、少なくとも普通の信頼関係では起こらないと思うがな。」

確か、龍さんの契約神さんはその傾向が強いんですよね?

「あー・・・あれは契約神のプライドが高いというか。」

「龍、とは誰のことだ?」

あ、風紀委員長で冠巫の五席でしたっけ?

「ジャンヌには今度会わせる。というか冠巫全員に一応紹介しなければならないしな。」

で、そこには私も出てもいいですよね?

「シャルルに話を通しといてくれ。」

はーい♪で、次の質問なのですけれど、従属神とかはいるのですか?

「従属神?」

「神話や逸話の中でその神と協力関係にあったモノやまた、その神と主従関係であったモノのことを言う。個人差があるが、その従属神の力も少量使えたりするんだ。」

確か、シャルルさんの『軍団(レギオン)』はそれの利用でしたよね。

「まあな。で、これは俺から答えさせてもらうがジャンヌの契約神には従属神がいる。だが、ジャンヌとはあまりスタイルが合ってなくて使えない状態だ。」

「あ、もしかしてオートエクレールの事か?」

「そう、それ。」

なるほど。いくら強力でも戦い方が合わないと意味ないですもんね。

「逆にそれを理由して『スタイルチェンジ』ってのがあるんだがな。」

えーと、従属神は一応いる。と。これでジャンヌさんへの新聞部からの質問は終わりです。

「そ、そうか。ふぅー・・・」

で、ここからは個人的な質問なのですが

「まだあるのか!?」

「やっぱりか・・・俺のときもそうだったな。」

えへへ。気になっているのはですね、入学試験のことなのですよ。

「話しても大丈夫なのか?」

あ、新聞にはしませんよ。私の個人的なものですので。

「そうか。それで何を?」

入学試験のことなんですけど、確か剣を使っていませんでしたよね?なんでです?

「え?・・・あぁ!あれのことか。表向きは契約神有判定にされないようにするためなんだが。」

だが?

「前日にロランと喧嘩してな。力を貸してくれなかったのだ・・・」

はい?

「私が買っておいたアイスを奴が食べてしまってな。言い争っているうちにロランが逆ギレしたのだ。」

えっと・・・よく契約が解けませんでしたね。

「まあ、昔から度々起こるのだ。私としてはもう少し気を長く持ってほしいのだが。」

『散々な物言いだな。ジャンヌ』

おぉう!ビックリしましたよ!

「ロラン、勝手に出てくるなと言ったはずだろう?」

『固いことを言うな。それに私に関することだ。権利はあるだろう?』

「まあ、そうだが・・・」

ロランさんも普通に話すんですね。いつから一緒にいるんでしょう?

「確かもう三年ほど一緒にいるかもしれん。」

『四年じゃないか?』

長いですね・・・私なんか二年くらいですよ。

「俺は軽く二桁だけどな。」

あなたは別でしょう!?というか、あんまり話さないのでてっきり帰ったかと思いましたよ。

「いや、それも考えてはいるがそしたら何されるか分かったもんじゃないからな。」

そりゃあナニしますよ。

「何言ってんだ、お前。」

てへっ♪で、ロランさんにも折角ですし質問しちゃいますね。ジャンヌさんのどこを気に入ってらっしゃるのでしょう?

『こいつの気に入っているところか?そうだな・・・女性らしさはまったくないのだが、』

「よしロラン、表に出ろ。久しぶりに打ち合いでもしよう。」

ちょ!ジャンヌさん、顔は笑ってるのにめっちゃ怖いです!

『最後まで聞け。女性らしさはないのだが、剣の腕とどんなことにも真面目に取り組む姿勢は評価している。』

へぇ・・・英雄であるロランさんも評価するほどの腕なんですか?

『そうだな。私の友に匹敵するな。こいつと同じ年の者では敵わないのではないだろうか。』

ほほぉ、それは良いことを聞きました。私も剣を嗜んでいますので、いつか打ち合ってみたいですね。

『さて、そろそろ私は戻ろう。流石に疲れた。』

「疲れたお前が補給する神力は私が供給してやってるものなのだがな。」

『あまり細かいことを言うな。男も寄り付かんぞ。』

「余計なお世話だ!というか別に構わん。」

ジャンヌさんって学園の男子に人気ですよ?髪も綺麗ですし、体型もスラッとしていますし。

『目が眩んでいるのか?』

「私に魅力なんてないと思うのだがな。」

・・・自覚がないって怖いですねぇ。あ、拓屠さんも女性に人気ですよ?

「・・・」

寝てるし!?もう、どうやったらここで寝れるんですか!

「そういえば、ロランと契約する前に拓屠に稽古をつけてもらっていたのだが、その時も今と同じようにどんなところでも寝れていたな。」

それはそれは・・・。いやぁ、これは初耳ですね。メモメモっと。


さて、これで一応終わりです。ご協力ありがとうございます。

「こちらこそ、貴重な体験をさせてもらった。ありがとう。」

拓屠さーん、終わりましたよー!起きてくださーい!

「・・・起きている。問題ない。」

偉そうに・・・なんでこんな人がトップやってるんでしょう。

「知らん、上に聞け。」

聞けないからあなたに聞いてるんですよ!もう・・・

「大変だな。」

ええ、まあ・・・。あ、今回のインタビュー内容は次の学園新聞に掲載しますので、楽しみにしててくださいね!


掲載日予定日 5月2日

話の補則的なものです。今回は主にジャンヌの契約神などに関してです。今回の主人公的な五十鈴はこの先にも登場する予定なのでお楽しみに。

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