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もう一つの世界。  作者: 変態紳士
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4話 名無し。

俺が目の前の光景に固まっていると白い人が透き通った声で

「知りたいよね?自分が何でこうなったか?何故誰も分からないのか?教えてほしい?」

その言葉を待っていた。この状況はなんなんだ?俺は誰なんだ?喉から出そうになる声を押し殺し

「あんたは?なぜこんなとこにいる?昨日のってどういうことだ?答えてくれ。」

俺の返答に白い人は笑い始めた

「僕のことはどうだっていいだろ。それよりも大事なことがあるじゃないか。君がなんでこんなことになってるかとかさ。気になるだろう?僕は誰だっていい。知りたいんだろう?なら僕のことは後でもいいはずだよね。」

「だけど、何者なのか知っておかなーー

俺の言葉を遮るように白い人が話し始めた

「まず、他の人から認識されないてことから。それは簡単だ。君の母は君の父に殺され父は君が殺した。そしてこの世界で死んだ奴は存在していなかったことになる。つまり君の親は生まれて来ず、君も生まれなかったとゆうことになるわけだ。だから誰も君のことは分からない。本来なら君は消えて無くなるんだけど君は二人が死ぬ前にこっちに来たからねー。消せないんだよ、あっち側の生物じゃ無くなったからね。」

「つまり、自分のせい、で俺は消えたってこと、か。なんで、なんで父さんたちまでこっちに来てんだよ!なんでだよ!」

「うるさい。んで、君は誰かって事についてだけど、君は誰でもないよ。名前も無いし、存在もしていない。向こうにあるのは残りカス。ただし向こう側でだけどね。一応こっちでは存在している。『掃除』してもらいたいんだよねあいつらは。向こう側の邪魔な物を勝手にこっちに流してきてこっち側のことも考えず。だからこの世界のゴミを無くす掃除人として必要らしいんだ。まぁ戻る方法はあるけど戻ったところで消えちゃうんだよね君は」

誰でもない。存在していない。元に戻らない。頭に訳のわからない事ばかり詰め込んだせいでパンクしそうだ。

てか、俺は殺してないだろ。あれは誰かが勝手に、多分こいつの言っている『あいつら』だろう。絶対に許さない。父さんを殺していなければ俺は父さんもきっと無理矢理母さんを殺させられたんだ。きっとそうだ。殺してやる。絶対に。父さんも母さんも殺して俺から全て奪っていった奴を殺してやる!

頭の中で殺意がグルグルと渦巻き俺の感覚を支配していく。

「・・・おー・い!聞こ・・・る?腹パンしちゃうよー。」

突如腹に激痛が走り、感覚が元に戻っていくと俺の腹に白い人の拳が減り込んでいることに気がつく。

「聞こえてる?」

「ああ、聞こえてる。ところで、お前も『あいつら』の仲間なのか?」

俺は殺意を込めて白い人を睨みつける。

「おいおい、僕は違うよ。どっちかと言われれば僕は君と同じだよ。ずいぶんと昔だけど君と同じ状況になってね。それからはこっちの世界で生き続けるために、あっき側の邪魔になった物を喰らい、存在するために他人を殺し存在奪って今、君の前にいるんだ。」

俺は慣れてきたのか感覚が麻痺したのかもう驚きもしなくなっていた。

「存在するために他人を殺す?どういうことだ?」

「普通に向こう側から来て向こう側に存在している奴は他人を殺してこっち側に存在する為に引かれた分の存在を取り戻せば出れるんだよね。もちろん掃除をしても存在は戻るよ殺すよりは少ないけどね。だけど僕たちはあっちに存在していない。だから存在する為には奪い続けなきゃいけない。僕には『あいつら』を殺さなきゃいけないから存在しなきゃならない。だから、殺す。」

てことは俺も殺さないといけないのか。なら仕方ない『あいつら』を殺すためならな。

「じゃあ何故、俺を殺さない?」

質問すると白い人は楽しそうに笑いながら暗い瞳をこちらに向ける。

「簡単だ。一人じゃ殺せない。だから人員が欲しい、だけどあっち側の人は帰ろうとするから無理だ。こっちの世界ごと消えちゃうからね。あとは、一人は飽きた。それだけだよ。君はどうしたい?」

「こっちにとっても都合がいい。俺はこっちに疎い。だが、何年もいたあんたがいれば殺せるはずだ。」

俺の頭の中で何かが壊れた。今までの記憶の全てが否定された。今の俺は別人だ。前の俺から全てを奪った奴らに復讐をする為の俺。あっち側の全てを捨て復讐心に従って動く。

俺は笑っていた。絶望と復讐心が支配する。

そんな俺を見て白い人は微笑むみ手を差し伸べる。

「いい顔になった。僕たちから全てを奪った『あいつら』を絶対に終わらせてやろう!」

白い人の差し伸べたてを俺は握る。

「よろしく。」

「うん。よろしくね。」

その時の白い人の目は底なしの暗く深い闇のように吸い込まれそうだった。

「僕は『エリー』」

「俺は・・・とりあえず『名無し』でいい。お前のも自分名前じゃないだろう?」

「もちろん。気に入ってるだけさ。君はそんなに適当でいいの?」

「俺は、誰でも無い。だから今はこれでいい。また気に入ったのがあれば変える・・・いやなりきるよ。」

俺がぎこちなく笑うとエリーも笑う。

「よろしく名無し。」

「よろしくエリー。」

(さようなら****。)

これからは****じゃない別人。

むこうでの俺は死んだ。

今からの俺は名無しだ。













まだまだ未熟ですので、誤字脱字の指摘アドバイス等よろしくです。

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