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#4 OJT(魔術直伝訓練)【リオラン&レミ】

今日と明日は、二代目・レミの弟子時代を描いた物語を連続公開します。

1日目の今日は、肩の力を抜いて読める軽めのお話です。

どうぞ気楽にお楽しみください!


「ほんと、細っかいよなあ……」


5メートル級の黒蛇――元、灰色オオカミの使い魔を観察し、感心の声をあげるレミ。


その性格に相応しい、派手な炎を得意とする彼女にとって、綿密な術式が描き込まれたスクロールは、物珍しかった。


「スクロールって、普通は皮だろ。あとは石や道具の類」


生き物にスクロールを刻み込む――持続効果が見込めるものの、効果は"強化術"に遥かに及ばない。


たとえ思いついたとしても、実行に移したものはいないだろう。

――この、引きこもりコミュ障ババア・リオラン以外には。


「なあなあ。あたしがやっても、できんのか? これ」


不具の獣が、疾風のごとく駆け、雷を操る。

そんな強化が可能な"使い魔術"。

できるものならやってみたい。


「インクを使う。朝霞に住むトカゲの毒腺……」

「ふむふむ」

「それから、一文一文魔術を刻む」

「ふーん。つまり、インクが特別なんだな!」


リオランが取り出したインク壺をしげしげと覗き込む。


(霞トカゲか……レアだけど、これならなんとかあたしでも――)


「……それで下塗りが完了。次に下書き」

「まだあるのかよ」


特別な術だ。

やはりそう簡単にはいかないか。


「ドラゴンの髭、あと……」


途中、言葉を切ったリオランは、別のインク壺を弟子に差し出した。

やけにキリッとした顔である。


「おい、喋るの面倒になったんだろ。いや、見ても分かんねえよ」


自分で中身を見ろと言わんばかりにグイグイと壺を押し付けられ、レミは呆れかえる。

この困った師匠は、極端に喋るのを面倒がるのだ。


「分かった、自分で調べる。ババアは概要だけ話せよ」

「……下塗り、下書き、妖精銀で清書する」


(つまり、3段階か。

どれも異常に希少で高価なインクだけど、なんとかなる……か?)


内心計算しているレミだが、リオランの言葉はまだ終わりでなかった。


「第1構文完成。これを30回繰り返し、定着。固定化を促すから、一度魔力放出し、剥離。装飾文字で――」

「おい待て、頭おかしいだろ!」


ずらっと並べられた、色とりどりのラベル付きインク壺を前に、弟子は思わず天を仰いだ。


――この変態的研究おバカの師匠を超えるには、まだまだ時間が必要そうだ、と。





番外編をお読みいただき、ありがとうございます。

明日また更新予定です。


※OJTは「On-the-Job Training」の略。

企業などで新人に、実際に実務を通してお仕事のやり方を教える、研修方法だそうです。


歴代最強ババアたちのプロフィールは、冒頭にのせています。

「このキャラクター誰だっけ?」と気になる方は、ぜひ目次から、そちらも合わせてご覧ください。


◆ちょこっとメモ◆

初代:リオラン…使い魔術の始祖、最強ババアのはじまり

2代目:レミ…炎の魔術師、可愛いものが大好き


※2代目レミは、本編第11話に登場しています。



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