表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

殿下お止めください!

作者:ひじり
 五歳の頃、わたしは神童と呼ばれていた。
 全属性の初級魔法の発動に成功したことで、虹色の魔法使いとして将来を嘱望されていた。
 同い年の子たちは、まだ魔力を感じることすらできていなかった。そしてそれは王族の子でも同じだった。

 ある日、わたしは王族主催のパーティーに招かれることになった。
 そこでわたしは、同い年の男の子に魔力の感じ方を教えることになった。

 その男の子は、憧れるような目でわたしを見てきた。だからわたしもついつい得意気になって教えてあげた。

 それから十年の月日が流れた。
 わたしは、神童からただの人に成り下がっていた。

 七属性の魔法が使えるといっても、全てが初級魔法止まりの器用貧乏。それが今のわたしに対する評価だった。
 でも、辛くはない。
 だって両親はわたしのことを愛してくれている。だから家の中は居心地抜群だ。

 その結果、学校に行くのを止めて毎日ダラダラと自堕落な生活を送るようになった。
 つまり、引きこもりだ。

 わたしのことを馬鹿にした同級生たちは、今では中級魔法を幾つか習得しているはずだ。
 まあ、そんなことは今のわたしには関係のないことだ。

 これから先もずっと引きこもり続ける。
 それが神童ではなくなったわたしの行く末なのだから。そう思っていた。

 あの日、彼と再会するまでは……。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ