表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

生贄は悪魔を呼ぶ

作者: 徒然草

 とある小学校の裏庭で、小学生達が数名集まっていた。


「なぁ、健二(けんじ)知ってるか? 生贄を捧げると悪魔を召喚出来るんだって!!」


「何だよ突然…何の漫画を読んだんだよ?」


「ヘヘっ、コレだよ!!」


 雄太(ゆうた)が自慢気に見せてきたのは、『悪魔大辞典』という黒くて分厚い本だった。俺はその本を捲ってみると、悍ましい笑顔をした悪魔が描かれていた。


「面白いんだぜ、悪魔によって違うんだけどさ。魔法陣描いて、生贄を捧げると悍ましい悪魔が出てくるんだって!! なぁなぁ、やってみたくねぇか!?」


 雄太の言葉に、周りの友達は様々な反応をした。面白そうにしたり、馬鹿らしいと呆れていたり。俺は正直、悪魔を信じてはいないけれど面白いなとは思っていた。


「ふ〜ん…面白そうじゃん。ならさ、生贄はコイツでやってみる?」


 俺はそう言って、俺の下で倒れているクラスメイト、(たけし)を見た。


「ゴミ武? いいねぇ〜、生贄にピッタリだな!」

「こいつなら死んでも問題ないしな!」

「えぇ〜、ちょっと可哀想じゃねぇか…ププッ。」


 武は傷だらけで、怯えたように俺達を見上げている。


「…何見てんだよ、ゴミ武の分際で!」


「ガハッ! …ご、ごめんなさい。」


 俺が蹴りを入れると、武はすぐに謝ってきた。武はいつもオドオドしていて、見ていてイライラした。そんな奴だから虐められる。


「…うわ、もうこんな時間だ。皆、そろそろ帰ろうぜ!!」


 日が暮れてきたのに気が付き、各々が帰る準備をし始めた。俺も支度をすると、友達と一緒に帰り始めた。勿論、武に構うやつなんていなかった。

    






















◇◆◇




















 

 



    



 ここは…何処だ? 目を覚ますと見知らぬ場所に居た。何処かの廃墟の中みたいだ。


「…んむぅっ!?」


 手足を動かそうとすると、何かに引張られて動けない…そして、口は紐か何かを咥えさせられている形で塞がれていた。俺は今、椅子に座った状態で縛られていた…。


「…気がついた?」


 どう考えても普通じゃない状況に困惑していると、誰かの声が聞こえた。声のした方角に首を向けると、フードを被った男がいた。


「…久しぶり、僕が誰だか分かるかな? 健二くん。」


 俺の名前を知っている…一体誰だ? 考えていると、そいつはフードを取って顔を見せてきた。


「あぁ…それじゃあ喋れないよね。外してあげるよ。」


「ぷはぁっ! …い、一体誰なんだよお前はっ!! 何でこんな真似を…!」


「…顔見ても分からないか…武だよ。小学校のクラスメイトだった。」


「た…武?」


 俺は今、20歳の大学生だった。武は小学校を卒業と同時に何処かに引っ越してしまった。


「そうだよ。本当に久しぶりだね。変わってないなぁ〜、健二くんは。」


「お、お前! 何のつもりなんだよ、ここは何処なんだ! 早く俺を開放しろ!!」


 何のつもりかは分からないが、相手が武なら怖がる必要なんて無い。俺は武を怒鳴りつけた。


「嫌だよ…それよりさ、せっかく皆が揃ったんだからもっと再会を楽しまないの?」


「はぁ? …うわぁっ、!」


 武は座る俺を椅子ごと蹴り飛ばしてきた。衝撃と痛みが同時に襲いかかる。


「痛っ…てめぇ……………えっ?」


 後ろ向きに倒れた俺は上を見るように後方を見ると、そこには何人か倒れているのが見えた。


「そのままじゃ見えにくいよね。」


 武は俺にまたケリを食らわした後、その光景が見えるように再び俺を起こした。


 眼の前に広がる光景は、赤黒くて大きな魔法陣のようなものが床に描かれていて、魔法陣の上に8人の人間が……無惨な姿で倒れていた。


「う、うわぁぁぁぁっ!!!」


 腕や足が変な方向に曲がっていたり、内臓が出ていたり……とても見ていられなかった。


「健二くん、僕ならまだ分かるけど、雄太くん達の事も分からないの?」


「…はっ?」


 武の言葉に、嫌な汗が流れてきた。何を、言っているんだ?


「…かつて、僕を虐めた皆を集めたんだよ。よく見なよ…まぁ、もう他の皆は殺しちゃったけどね。」


「あ……な…お、お前っ…!」 

 

 虐められた事への復讐…その為にこんな事を…なら、次は………。


「…や、やめてくれっ…頼む、赦してくれぇ!!!」


「…健二くん、昔雄太くんが言ってた事覚えてるかい? “生贄を捧げると悪魔を召喚出来る”って話。ねぇ、試してみようよ…。」


 武は俺を引きずり、魔法陣のようなものの中央まで移動させた。


「…ナイフで刺したり、窒息させたり、色々してみたけど…最後はやっぱり火炙りにしようと思ったんだ。」


「や、やめてくれぇ〜〜!! 誰か助けてぇ〜!!!」


 泣き叫ぶ俺の眼の前に、武はライターと、何かの液体が入った瓶をチラつかせた…恐らく、燃えやすくする何かだろう。


「…悪魔、本当に出てくると思う?」


 そう言って笑う武の顔は、あの本に描かれていた………みたいで。


 武は瓶の中身を、俺にかけ始めた。
















 よくあるオチですが、唐突に書いてみたくて書きました。人間って怖いですよね。生贄にされた人間の恨みは恐ろしいです。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ