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フェイント  作者: 坂本健太
8/13

幕間3

亜紀 「わたしこの前、てっちゃんが出場したサッカー

   の応援に行ってたでしょ?」


哲也 「うん、みんなから応援してもらって、すごく嬉

   しかったよ」


亜紀 「どうしてサッカーの試合は、あんなにお客さん

   が多いのに、フットサルの試合にはあんまりお客

   さんこないんだろ?」


哲也 「う、確かにフットサルの試合って、テレビで中

   継されてるのも観たことないよ」


亜紀 「わたし達みたいな子にとっては、フットサルっ

   てすごくありがたいスポーツなんだけどな」


哲也 「ありがたいって、なにが?」


亜紀 「フットサルの1番いいところはね、サッカーと

   違って日焼けしないの」


哲也 「ああ、なるほどね。まあ、それはぼくらが体育

   館でしかプレイしないからだけどね」


亜紀 「わたしが考えているフットサルの欠点の1つは

   ね、言葉がわかりにくいところ」


哲也 「うん、わかるよ。ポルトガル語とかが多いから

   ね。1回聞いただけじゃ、なかなか覚えられな

   い」


亜紀 「ということで、ここでほんのちょっとだけ、

   フットサル用語の解説をしたいと思います」


哲也 「そんなこと聞かなくてもわかるっていう人は、

   遠慮なく飛ばしちゃってください」


亜紀 「まずは、パラレラね」


哲也 「ポルトガル語で平行って意味だよ。英語で言う

   と、パラレルだね」


亜紀 「タッチラインと平行に出すパスのことだよね」


哲也 「そう、サッカー風に言えば、タッチライン付近

   で出す縦パスのことだね」


哲也 「ジャグナウ(ジャゴナウ)はわかる?」


亜紀 「斜めって意味だよね。フットサルの場合は、斜

   めにパスを出すことだよね」


哲也 「そう。サッカーの場合、ダイアゴナル(ディア

   ゴナル)ラン=斜めに走ることって使い方をする

   ことが多いけど、フットサルのジャグナウは、斜

   めにパスを出すっていう使い方の方がしっくりく

   る」


亜紀 「ピサーダは?」


哲也 「自分の後ろ側にパスを出すこと。フットサルで

   は、足裏を使うことが多いよ」


亜紀 「トンパ」


哲也 「これは、実は日本語なんだ。トンってボールを

   止めて、パっと足を出す。簡単に言うと、ボール

   がきた方向に向かうふりをしてから、方向転換す

   る技だ」


亜紀 「パワープレイは、みんな知ってるかな?」


哲也 「フットサルでのパワープレイは、ゴレイロも攻

   撃参加することだよ。

    フットサルは選手の交代が自由だから、普段の

   ゴレイロがアウトして、パワープレイ専門の選手

   がゴレイロのユニフォームを着て試合に出ること

   もある。カウンターを食らうリスクもあるけど

   ね」


亜紀 「だから、『パワープレイ返し』っていう言葉も

   あるんだよね」


哲也 「うん。フットサルのコートはそんなに広くない

   から、相手のゴレイロがゴールを空けていたら、

   パパのパントキックでも十分届く。『一生に1度

   でいいから、ゴールを決めてみたい』ってパパが

   言ってた」


亜紀 「でもなんでパワープレイ返しだけ、まんま日本

   語なんだろう?ポルトガル語とかで、なんかそ

   れっぽい名前つければいいのに」


哲也 「確かに。大人になったら、ポルトガル語を勉強

   して、新しい名前を考えてみようかな?」


亜紀 「おお、期待してるよ。それにしてもてっちゃ

   ん、よく勉強してるねえ、って携帯で検索しなが

   ら答えてたのね」


哲也 「便利な世の中になったねえ」

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