表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フェイント  作者: 坂本健太
2/13

プロローグ

 ピヴォが落としたボールを拾った右アラが、45度の角度でペナルティーエリアに侵入してきた。


 おれは左手でゴールポストの位置を確認。2歩前進して姿勢を低くし、ブロックの体勢を作った。

「逆か?」

 反射的に、長くもない右足がボールに向かって一直線に伸びる。かろうじて親指の付け根あたりでボールを弾く。

「しまった。弱い!」


 クリアーが中途半端になってしまった。案の定、ペナルティーエリアの内側で敵左アラがボールを抑え、すばやくゴール左隅に蹴り込んだ。

 おれはコートに倒れたまま、ボールがネットを揺らすのを見ているしかなかった。


 キックオフは、ピヴォの虎太郎君からフィクソの健吾君を経由して、右アラの太一君へ。

 太一君がドリブルで1人かわしたが、素早くカバーに入った敵フィクソがボールを奪い、ツータッチで前方の左アラへ。


 左アラがゴール右隅に蹴り込んだボールを、おれはポストぎりぎりのところで太ももに当て、ゴールラインの外に押し出した。

「コーナーキック」


 おれはゴールポスト付近。壁2枚。壁の向こう側を抜けたボールを、ゴール正面で敵ピヴォがノートラップで転がす。股の間を抜かれて前半4失点目。あっという間に逆転を許してしまった。

「まだだ。あきらめるのはまだ早いぞ。」


 おれは自分に言い聞かせるように、そう叫んだ。せっかくここまで頑張ってきたんだ。こんなところで負けるわけにはいかない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ