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転生したけど好みは変わらん!  作者: あやとり
62/96

62.メイナード視点(夜会編)

 そんな話を聞かされて、行かん!と言えるほど俺は心が死んでいるわけではなかったらしい。

会場へ着いて、デビュタントの令嬢がコールされるのを待つ。

相変わらずコソコソ言われてるのは慣れてるからいいとして、髪の暗い令嬢と騎士か?が楽しそうに話している人もいるな。前と少し変わったか?


コールド家がコールされた。


会場が一気に静かになる。


綺麗なカーテシーで入ってきた令嬢は


女神か?

白い肌にプラチナシルバーの髪にブルートルマリンの瞳、色彩だけでも美しいのにあの造り。

コールド侯爵にそっくりだ。

父の言っていたのは本当だったのか。話半分で聞いていたら、驚いた!今まで見た令嬢の中でも圧倒的だ。

皆見惚れているな。男も女も関係ない。


侯爵と踊る令嬢は、楽しそうだ。笑うと天使だな。


今度はレイス殿下だ。髪色は暗いが明るい表情の楽しそうなレイス殿下に、嬉しそうに楽しそうに踊る令嬢。お似合いだな。

するとどこからか

「あの方ですわ」

「ああ。あの…」

「レイス殿下とお似合いではないですか」

と同じ感想でも馬鹿にしたような声が聞こえる。


レイス殿下と令嬢が侯爵の元へと戻る。

他の子息が声かける前に、声をかける。


近くで見るとより綺麗だな。ドレスも似合ってる。

侯爵とは面識があるから侯爵にお伺いを立てる。


見てる。すごい見られてる。でも嫌な視線じゃない。


自己紹介すると、ぱあっと顔が明るくなった!可愛いな!

レオおじ様だと?何て呼ばせてるんだよ父上は!


ダンスに誘っても嫌な顔せず、喜んで!と言ってくれたのは初めてだ。

普通に話もしてくれてる。父よなぜそんな好かれているんだ。

髪色も素敵だと?しかも本心から言っている顔だな。優しいんだな。

これだけで、来てよかったと思える。


1曲踊るだけじゃ話し足りんな。

誘っても、応じてくれた。

レイス殿下も誘って侯爵と4人で話をする。

3歳から知り合いだったのは知っていたが話の取っ掛かりだ。

父の顔が好きだと?子供が?

と思っていると、令嬢がレイス殿下に食べさせている。

レイス殿下も普通に食べている!え?こんなところで食べさせるのか?驚いて見ていると、レイス殿下が気づいたようだ。

恋人ではないと聞いていたが、恋人なのか?距離も近いし。


「その、レイス殿下とティアナ嬢は恋人なのですか?」


2人ともから否定された。

無意識とは?

ああ。皆が甘やかし、甘えた結果か。父までか…何をしてるんだ父上は!

しかし、恋人同士にしか見えんぞ。違うと聞いてもそうとしか思えない。そりゃ噂になるだろう。

やめる気ないのか?

父が言っていた事と同じ事言ってるな。

社交界にいたくない、王家に言うこと聞かすってすごいな。可愛い顔して強い。


結婚願望がなくて、社交界に出たくなくて、俺を見ても顔をしかめないし普通に接してくれる。

「ふむ。ティアナ嬢、私の見た目はどう思う?」

「レオおじ様に似ていてとっても素敵ですわ」

父に似ていて初めて良かったと思えた!


気付いたら口にしていた。



「私と結婚しないか?」

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