6.あーん
一息ついて、皆でティータイムだ。
そこでアイス兄さまのお膝に乗って
「あいすにーさま、あーん」
「あーん」
今日のおやつはクッキーなのでクッキーをアイス兄さまのお口へ運ぶ。お兄さまも喜んで口を開けている。
「「兄上だけいいな〜」」
「知ってたらもっと頑張って逃げたのにー!」
「ライ兄はティアにしてやられたじゃない」
「だって、可愛いティアが転んだんだよ?仕方ないよね」
ライ兄さまは、私があざとかろうが気にしないシスコンだ。
「でも今度は絶対負けないぞ!」
本気で悔しがっている。
「何でアロイスだけティアから食べさせてもらってるんだ?」
「今日の鬼ごっこの勝利者ご褒美ですよ」
「えりっくも」
「エリックも食べさせてもらったのか?」
「そうー!だってかったからね!」
「エリックから聞いたが鬼ごっことか言う遊びのご褒美なのか?」
「それでティアは転んだの?鬼ごっこって何なの?」
お父様もお母様も首を傾げている。
「ティアが提案した遊びで、中々鍛えられるんですよ」
「しかもちゃんと楽しいんだ〜」
「それで、皆巻き込んで団員全員参加で遊んだんだ」
「たのしかったよね〜」
「「「ね〜」」」
兄弟皆にこにこだ。
「おとうさまもいっしょにしよう?」
「そんなに楽しかったのか?」
「かったらてぃあからあーんのぷれぜんとでーす」
「父様もティアからあーんしてほしいなー」
とお膝に抱っこされる。惑わされないぞ!
「あーんはごほうびなので、きょうはだめでーす」
「ダメか。父様もしてほしかったなぁ」
「今度は父上もやりましょう」
「そうだな!団員も本気になる遊びか。興味もあるし、私もやるか」
「やったー!たのしみねー」と体ごと傾けておく。
「それでティア、その遊びは何で思いついたんだい」
「ゆめでみたの」
「夢で見たのか?よく覚えてたなー!えらいぞー」
何が偉いのかはわからないが褒められたので、えへへと笑っておく。
ちなみにエリックのお膝にも乗ってクッキーをあーんしたら、顔をデレデレにしながら泣きながら食べるという複雑な表情だった。
幼女のあーんは絶対可愛いですよね