31.街へ
今日は街へ行く。特に何が欲しいとかないので、ブラブラして色々見る予定である。
街へ行くと、まず美味しい匂いがしてきた。
食べ歩き開始である!
美味しそうな塊肉の串焼きがある。食欲をそそる匂いだ。
お祖父様に買ってもらって食べてみる。
「おいしい!」
炭火焼きっぽいスモーキーさで、味は焼鳥とバーベキューソースを足して2で割ったような感じだ。めちゃくちゃ好きな味!
「れいもあーん」
「あーん。…おいひい」
もぐもぐ
「おいしいねー」
「おじいさま、これすごいおいしい!もってかえりたい!」
「ティアはこれが気に入ったか。なら、帰りに買って帰ろう!ティア、これは魔物肉なんだよ。」
「まもの?」
魔物がいるの?この世界魔物いるんだ。
「セイクレッド辺境伯領にしか出ないんだがな」
「れおおじさまのところ!」
「ティア、セイクレッド辺境伯と知り合いなのか?」
「うん!おうきゅうであったの。れおおじさまだいすき」
「レオナルドに懐くとはめずらしいな」
「れおおじさまやさしいよ」
「ティアとは相性が合ったか。そのセイクレッド辺境伯領にだけ出る魔物の肉なんだよ」
「まものおいしいんだね」
臭みもないし、歯ごたえもあって固くなく本当においしいのだ。
「ティアは魔物肉いやじゃないのか?」
「なんで?おいしいよ?ね。れい」
「おいしいね」
レイは好き嫌いもなく、素直で本当にいい子なのである。
おいしい。おいしい。言ってたら、そのお店は大盛況となった!
「だいにんきだねぇ」
「お嬢様ありがとうございます!お嬢様のおかげで大盛況です!」
店主が言う。何でも今まで全然売れなかったのだとか。
魔物肉は気持ち悪くて食べられないと避けられていたのだ。お祖父様も経営許可を出したものの売れず、悩んでいたらしい。
「だってほんとうにおいしいよ?もってかえるんだもん」
「ありがとうございます!」
領主御一行様が言うなら間違いない!と信用してもらえたらしい。実はここには王子殿下もいるのだが。
「にんきになったら、かえなくなっちゃうねー」
「お嬢様は最優先にさせてもらいますよ!」
「ありがとうー!またくるねー!」
「れい。なにかほしいものとかある?」
「ちちうえとははうえとあにうえになにかかってかえりたい」
お土産かぁ。何がいいだろう?
「なにがいいかなぁ?」
「殿下、まだまだ帰るまでに時間があるから考えたらいいですよ」
「はーい」
それからも色んなお店を見ていく。
コールド領は割と栄えていて、すぐに何でも手に入りそうな感じだ。お祖父様経営上手なんだなー。
またいい匂いがする。
あ!ゲソだ!ゲソ焼き!
いい匂いー!香ばしい匂いだけど、醤油って存在するのかな?
「おじいさま、これたべたい」
買ってもらって食べてみる。
「おいしいー!これもおいしい!」
醤油に近い何かだ。おいしい!
「れいもたべる?」
「たべる!あーん」
あーんして待ってる。可愛い。
「はい」
「おいしいー!」
「おいしいね!」
「ティア、これも魔物だぞ。怖くないのか?この見た目」
「これもまもの?怖くないよ。いいにおいだもん」
また一気にお客さんが増える。
「おきゃくさんふえてよかったねー」
「ティアは幸運の女神だな」
客寄せパンダの間違いである。
「あー。きょうもたのしかった」




