23.お茶会
あの色々あった日から10日経った。あの日は1日大変だったな。イケオジ祭りではあったけど、疲れたよ。
帰ってからも、お母様に怒られたり騎士服に身を包んだ私を見た兄達にもみくちゃにされたり。
それはもう大変だったのだ。
そして、今日は王妃様とのお茶会の日。あれからすぐに招待状が送られてきた。
「ティア準備できた?」
「できました」
今日はドレスである。薄いグリーンのふんわりした可愛らしいドレスである。髪はハーフアップにしてもらっている。これは可愛い。
ちなみに今日は色がお母様とお揃いである。
「今日も可愛いわティア。さ、お父様のところへ行きましょう」
「リア、ティアよく似合ってるぞ。二人とも妖精みたいだ」
デレデレである。
お父様に抱っこされて馬車へ乗り込み、登城する。
「コールド侯爵夫人、ティアナ嬢よく来てくれたわね」
「本日はお招きいただきましてありがとうございます。王妃様」
お母様と一緒に鍛えたカーテシーを披露する。
「硬い挨拶はこれぐらいにしましょう。久しぶりねリア」
「エリー久しぶり。この間はティアナが失礼したわ」
「私はティアナに会えてよかったわ。可愛いもの。今日も可愛いわ。リアとお揃いなのね?」
「はい。えりーさま。きょうはおかあさまとおそろいです」
「今日は息子も呼んだの。レイス」
「おはつにおめにかかります。だいにおうじ、れいすともうします」
暗めの赤茶色の髪(ガーネットっぽい感じ)に碧眼。陛下にも王妃様にもよく似てる。
「レイス様久しぶりね。もっと小さいころに会ってるのよ?覚えてないわよね?リアーナと申します。こちらは娘のティアナですわ」
「おはつにおめにかかります。こーるどこうしゃくけがちょうじょ、てぃあなともうします」
「レイスとティアは同じ歳だから、お友達になれるといいわね」
「はい。ははうえ」
レイス様可愛い。この世界の人間皆綺麗な顔。残念な人見たことないんだけど。
「レイス、ティアを庭園に案内してあげて?」
庭園でのお茶会だからすぐそこだ。
「はい。ははうえ。てぃあなじょう、いこう」
3歳なのに紳士である。王族教育すごい。
「てぃあとよんでください。だいにおうじでんか」
「ならぼくもれいでいい。しゃべりかたもていねいじゃなくていい」
「わかった。れい」
にっこり。
レイは見事な庭園を案内してくれる。
「すごぉい!きれいねー!」
「てぃあはようせいみたいだね」
この世界の男の子の教育どうなってるの?3歳でこのほめ方。
「ありがとう。れいもかわいいよ」
「ぼくもかわいいの?おとこのこだよ?」
「かわいいのにおとこもおんなもかんけいないんだよ?」
「れいはかわいいよ」
するとレイがぽろぽろと涙を流し始めた。
「どうしたの?」
「ぼくはかみがこれだから、できそこないなんだって」
出来損ない?何それ。
「だれがそんなこというの?きれいなかみだよ」
「あにうえはきれいなきんぱつなのにって」
「れいだって、がーねっとみたいよ?」
ぽろぽろと泣き続けるレイ。誰だ。こんな子供に変なこと吹き込んだのは。
子供の心の傷は大人になるまで引きずることもあるんだぞ。
「えりーさまにがーねっとみせてもらおう!いくよ!」
手を引っ張っていく。
「えりーさまーーーーー」
子供は繊細だから傷つくのよー




