20.イケオジを味方につけた
「キース、ティアに武芸を教えているのか?」
「いや。全く。まだ3歳だぞ?兄達やうちの私兵団と遊んだりはしてるから、脚力とかは鍛えられていると思うが」
「3歳だと?」
「ティアのあれは、鍛えてないとできないぞ。まだ3歳の子ができる動きでは無い」
やばい。バレた。
「ティア?」
「えりっくとれんしゅうしたの」
「エリックとは?」
「ティアの護衛だ。何でエリックに教わったんだ?」
「ごしんじゅつをならいたかったの」
「どうして?護衛がいるだろう」
「てぃあかわいくない?」
うるうる。
「可愛いよ。誘拐されないか心配になるぐらいだ!だからエリックをつけてるんだ!」
「もしよ?えりっくはつよいけど、もしさらわれちゃったら?てぃあこわいのになにもせずにまってるだけ?」
「うっ…それは…」
「なにもしてないのに、なぐられそうになったら?いたいよ?」
うるうる。
エリックのときと同じ手を使う。
「でも、ティアは女の子だ。危ないだろう!」
「だからないしょにしてたの。えりっくをおこらないでね。てぃあがたのんだんだから」
「危機感を持つことはいい事だ。陛下から1本取るなんて、凄いぞ!ティアは中々筋がいいな」
レオおじ様がよしよしと慰めてくれている。
「今でこんなに可愛いんだ。これから大きくなったら大変だぞ。いいじゃないか。身を守るすべは覚えておいて損は無い。実際練習の成果が出たじゃないか。なー?」
「れおおじさまだいすき」
ギュッと抱きつく。よしよししてくれる。
「キース。許してやれ」
お父様は不承不承ながら頷いた。
許可が出た。もっとこれから色々教えてもらえるかもしれない。
「それにこの服も可愛いじゃないか」
「おとうさまとおそろいなのです」
「お揃い作ったのか?」
「わざわざ仕立てたらしいんですよ」
「きょうまでおとうさまにないしょにしてたのです。てぃあもおそろいがきたかったのです」
にっこり。
「くっっっっ!」
レオおじ様にギュッとされる。イケオジなので私も首にギュッと抱きつく。
「そうかそうか。可愛いなぁ」
「本当に良く出来てるなこの服。どれ。ティア立って一周回って見せて」
「はーい」
下ろしてもらって、回って敬礼!
この世界に敬礼はあるのか知らないけど子供の敬礼って可愛いよね。
「…」
3人とも胸を押さえている。
「キース抱っこして」
お父様に抱かれる。
「城の皆が言う通りだな。芸術品だ。しかもキースがいることで完成度が上がる」
何それ。
「これは王妃にも見せないとな!おい。王妃を呼んでくれ」
え?王妃様まで来るの?
大事になってまいりました。




