18.不敬なのでは
お父様に抱っこされて、犯行現場へ向かう。騎士何人かも付いてきてくれている。
「このへんだよー」
「どこだ?」
ラフな格好のイケオジがいる。金髪碧眼だ。
素敵なおじ様だ。
「「陛下?」」
ん?今なんと?へいか?
陛下?
えー!!!もしや、とんでもないことをしたのでは?
皆慌てて礼をとる。
私も抱かれてはいるが、騎士の礼をする。お母様と練習したのだ。
「よいよい、楽にせよ」
「そこの小さい子に見事に1本取られてましたよ」
「セイクレッド辺境伯?」
辺境伯?また新しいイケオジが出てきた!金髪に、ゴールドの瞳だ。
素敵!!
好みのおじ様が出てきた!お父様より10歳ぐらい年上かな?お父様と同じぐらい好みだ!
「一体何があったのかわかりますか?娘が変な人に襲われたと逃げてきたのです」
「その子が回廊を歩いていたら、後ろから気配を消した陛下が驚かそうとしたのです」
「いやー。ちょっと驚かした後、抱っこでキースの元へ行こうと思ってな」
「陛下は私の娘だと知っていたのですか?」
「有名だぞ。見たことは無かったが今日は一段と噂になっておったからな」
「「「噂」」」
「それで見に来たんですか?上着を脱いで」
「上着着てたら目立つだろう」
「だから娘も勘違いしたのではありませんか!それでその後は何があったのです?ティアはやっつけたと言っていたのですが」
「「やっつけた」」
「はははははは!!!確かに。肩を掴まれそうになった瞬間その子は低い姿勢から踏み込み、陛下の懐へ頭突きをお見舞いしていた」
「何かが突撃してきたと思ったら頭突きだったか!その瞬間に逃げられたのだ」
「お見事でした。コールド家ではご令嬢も鍛えているので?」
まずい。
「ティーアー?」
お父様からの低い声が聞こえた。
「ごめんなさい。だっておどろいたんだもん」
うるうる。
「はあ。まあ陛下も悪いし怒ってないから良しとしよう。これからはちゃんと相手を見なさい」
良しとするんだ。陛下なのに。不敬では?
相手を見てもほぼ知らない人なのだが…
「とりあえず、場所を移すか」




