17.???視点
最近騎士団長がたまに子供を連れて出勤しているらしく。城内でも噂になっている。
何でも、騎士団長にそっくりで天使のように可愛らしいのだとか。
キースと私は幼馴染だ。息子とは会ったことがあるが、娘はまだ紹介してくれていない。
その娘は見たことのない差し入れをもってきたり、新しい遊びをしてそれが訓練メニューになっていたりとまあ不思議な娘らしい。
そんなことを聞かされると会いたくなるのが人間だ。
今日はやたら城の人間が噂している。
「皆何の話をしている?やたら盛り上がっているな」
「それが、今日は騎士団長が娘を連れて来ているそうなのですが」
「たまに連れて来ているだろう?」
「今日はまた特別でして」
「何が特別なんだ。早く言わんか!」
「もう、めちゃくちゃ可愛いんですよ!城のみんなが悶絶して城内がざわざわするほど」
「娘が可愛いのは前からだろうが」
「可愛さがいつもと違うんですよ!騎士団長とお揃いで、もう瓜二つで腕に抱かれてるんですよ?」
「お揃い?女の子であろう?」
「そうです。でもお揃いなんですよ!」
意味がわからん。男の子であるまいし。
侍女にも聞いてみる。
「そなたも見たのか?」
「わたくしは残念ながらまだ見ておりません」
「わたくしは見ました!」
「あれは見なくてはいけません!もう芸術の域です!騎士団長が一緒にいる事で完成度があがっているのです!」
余計にわからん。
気になる。
見に行くか!
「ちょっと出てくる」
上着を脱いで出かける。目立つからな。
騎士団に向かってみるか!
回廊にて
あれか?
何かちっこいのがいるぞ。白い服を着ている後ろ姿が見える。
近付いてみる。おお!あれは騎士服か?前からも見たいな!
抱っこしてキースのところへ連れて行こう!
よし、ちょっと驚かしてやろう。
気配を消して肩を掴んで驚かす。
と
「ぅお!」
いきなり何かの衝撃があったぞ!!!痛た…
ちょっと衝撃に驚いてる間に、逃げられた。
足速いな。ちっこいのに!さすが騎士団長の娘だ。
「ははははは、これは1本取られましたな」
「セイクレッド辺境伯!見てたのか?」
「ええ。小さいのに、中々いい筋してましたよ」
「珍しいな。こちらに来てたのか」
「騎士団へ顔を出そうと思い来てみましたら、面白いものが見られました」
辺境伯と話しているところへ
「このへんだよー!」
「どこだ!」
「「陛下?」」
ちっこいのが抱かれてキースと騎士が何人かやってきた。
陛下ーーーーー!!!




