14.私の娘(父キース視点)
パパの溺愛入りまーす
私はコールド侯爵家、当主であり現在騎士団長を務めている。
妻リアーナはふわふわのプラチナブロンドにローズクォーツの瞳のとても可愛い女性だ。
けれどしっかり者で意見もちゃんと言ってくれる。良き妻だ。
その妻との間に立て続けに3人息子ができた。
どの息子も自分の子は可愛い。
3年後生まれたのは、初めての女の子である。もう皆大喜びだ。
3年空いたことによって息子たちも妹が可愛くて仕方ないみたいだ。
娘は私の色を持って生まれ、顔立ちも私にそっくりである。
自慢じゃないが、私も昔はモテた。私の娘は美人になるに違いない!!
生まれてすぐから我が家の天使である。
そんな娘ティアナは不思議な子である。赤子なのにほとんど泣かない。手がかからない。じっと皆を見ている。
ティアは喋る前から、言葉を理解しているような気がしてならない。
ハイハイができるようになってから、皆が呼ぶ方へちゃんと進むのだ。みんなのところを平等に回る。歩けるようになってもそれは変わらない。
喋るようになるころ、息子たちは最初の言葉で母を呼んだのだが娘だけは違った。
可愛い笑顔で「とう」と呼んだのである。
もう可愛くて仕方がない。リアーナが拗ねていたらちゃんと母も呼び、兄達も呼ぶ。
娘は普通の子ではないのでは?
ティアナは想像どおり天使のように可愛く成長していく。
お転婆がすぎるところもあるが、元気で育っているのだからそれだけで十分だ。
新しい遊びを思いついて、団員を巻き込んだり楽しそうにしている。
あの鬼ごっことかいう遊びは訓練になるから、定期的に訓練メニューに取り入れた。
ティアナは私が大好きだ。嬉しい。
息子たちも好いてくれているとは思うが娘は別格である。嬉しそうに膝の上で抱っこされてくれる。いつまで膝に乗ってくれるだろうか?
私にべったりのティアナは今度は騎士団へ行きたいという。公私混同になってしまうとは思うのだがティアナの泣き顔には弱い。
ティアナは泣き顔を計算して作っているのだろうか?ライは計算して自分の容姿を利用しているが、ティアナはまだ3歳だ。きっと天然だな。
騎士団へ連れて行くとあっという間に人気者だ。
当たり前だ。私の娘は可愛いのだから。
私の可愛い娘は、差別されている人の心まで救ってしまう。
騎士団内では差別は無いように徹底しているが、外ではどうしても差別されてしまう。
ティアが来たことで女性からの評判を気にしてしまったのだろう。小さくてもそういうことを教えている家もあるだろうからな。うちはそんなことは気にしない。
髪が暗いだけで何も悪いことはしていない。ティアナの言うとおりだ。私も馬鹿馬鹿しいと思っている。
だが、我々が言っても響かない言葉は純粋な子供が言うとスッと心に入るのだろう。
ティアは気づいていないが、涙ぐんでる者もいるぞ。
ここでもティアの鬼ごっこは大活躍だ。こちらの騎士団でも定番の訓練メニューとなるのである。
いくら、可愛くて優しいからと言ってうちの娘はやらんぞ!!
ティアナはパパが思っているほど純粋無垢ではありません。




