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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

異世界恋愛・短編

【掌編】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす

作者: まほりろ

・新婚初夜に夫に言われたくない言葉

・夫に言われて傷ついた言葉

・妻に言ってしまい後悔している言葉 


三部門で三年連続断トツぶっちぎり一位。


「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」


XXX年、異世界結婚情報誌調べ。 






この言葉を新婚初夜に夫に言われた奥様たちの反応。


「政略結婚はお互い様だっての!」

「いい年して悲劇の主人公になったつもりで不幸に酔ってるのがきしょい」

「望まない結婚でも相手に対して最低限の礼儀は必要です」


奥様たちは怒り心頭のご様子。


この言葉を新婚初夜に言ってしまった夫たちの反応。


「婚姻前に妻に対する酷い噂を聞いていて、思わずあの言葉を言ってしまいました。

 その後、噂が嘘だと分かり初夜に言ったことを後悔しています。

 でも関係修復は難しいでしょうね」

「初夜に言った言葉で妻との間に亀裂ができました。

 僕が妻の才能に気づいた時にはすでに遅く……机の上に離婚届が置いてありました」


旦那様たちは初夜にあの言葉を言ってしまったことを、かなり後悔しているご様子。







さてここにも、新婚初夜にあの言葉を言ってしまった公爵がいる。


彼は天才だの、美男子だの、完璧な貴公子だの、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。


しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。


彼のポーカーフェイスは崩れ、髪はボサボサ、肌はカサカサ、服はヨレヨレ。


旦那様、今さら悔やんでも遅いですよ。


旦那様が奥様を一年間放置している間に白い結婚が成立。


奥様は離婚受理証明書を一枚残して妖精王の元に行ってしまった。


妖精王の祝福を受けられなくなったこの家は、数々の不幸が訪れ近いうちに没落するでしょう。


俺はその前に退職金貰ってトンズラしますね。


旦那様に巻き込まれて破滅するなんてごめんですから。


「えっ? 今辞めるなら紹介状を書かない?

 再就職先はもう決まっているんで、ご心配なく。

 そんな意地悪なことを言ってるから奥様、あっ、もう元奥様か……に逃げられるんですよ。

 それから旦那様、俺の代わりを探すなら

ついでに大量の募集をかけた方がいいですよ。

 公爵家の使用人一同退職を希望していますので。

 俺たちは元奥様に親切にしていたので、妖精王に雇ってもらえることになりました。

 今までお世話になりました。

 旦那様もお元気で」



―終―


一年後、公爵は異世界結婚情報誌のインタビューにこう答えている。


「新婚初夜に『君を愛してないし、これからも愛するつもりはない』と言った女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知りました。

 しかしそのことに僕が気づいたときには既に遅く、妻に白い結婚を申し立てられて離婚は成立していました。

 元妻は使用人を懐柔していたらしく、元妻が出ていくと同時に使用人全員に退職届けを出されました。

 妻が出ていったあと事業が上手くいかなくなり、領地は災害に見舞われ、信じていた友人に裏切られ……とにかく不幸続きです。

 この一年全てがうまくいっていたのは、元妻のおかげだったんだなと……その時になって初めて気が付きました」


涙と鼻水を垂らしながらインタビューに答えた公爵の手には「離婚受理証明書」が握られていたという。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


twitterで呟いた「もし異世界に結婚情報誌があったら」というネタを膨らませてみました。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


読んで下さりありがとうございます。

少しでも面白いと思っていただけたら、広告の下にある【☆☆☆☆☆】で評価してもらえると嬉しいです。執筆の励みになります。




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― 新着の感想 ―
[良い点] 奥様、いや、元奥様の属性多すぎイィ! [気になる点] むしろ、聖女なんて王族も狙いそうだけど、そんな重要人物とよく結婚できたな? それとも、隠し通してたのか? [一言]  結婚初夜で、こん…
[一言] インタビューの現場が『元公爵邸だった廃墟』だったら尚良し。
[一言] めっちゃおもろいやん!!やヴぇ!! と、つい声に出てしまったくらい、素敵な発想でした~ 公爵様、「懐柔していた」とか言っちゃダメですよ。奥様が狡くて悪い人みたいな言い方じゃないですかー。ま…
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