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光のベールに包まれて  作者: 瀬廣 真
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6.交流

それからは、この世界の事や常識やマナーを教えてくださる先生をつけてくださり、午前中は勉強と午後はマリア様やマリーリア様とお茶だったり、中庭を散策したりと日々を過ごしていた。


「この国の防衛は、騎士団と近衛騎士団そして魔術団の3つで構成されています。その全てを統括されるのが団長で王弟であるフェルナン・ヨハンネル様です。フェルナン様は臣下され現在は公爵としても陛下を支えておいでです。さらにフェルナン様は双子であらせられ、現パラム国王と婚姻を結ばれ王妃になられましたフェルミナ様がおられます。」


教えてくれてるのは、綺麗な金髪をゆるく纏めレース詰襟のAラインの濃紺のドレスを完璧なスタイルで着こなすミッシェル・カーランド侯爵夫人で、物腰も柔らかく焦らず私のペースに合わせて幅広く教えてくださる完璧な淑女だ。ちなみに、宰相ロードス様の奥様である。


「そのパラムとは、フェルミナ様が王妃となり関わりも深い事から、そのうちにお会いになる機会もございましょう。さて…今日はこの辺で終わりとしましょうか?この後はマリーリア様とランチを召し上がるのでしょう?」


絶対に40代には見えない可憐な微笑みで小首を傾げるミッシェル様。

私に関わる人達を見ても、この国の顔面偏差値の高さに驚かされるばかりだ。

顔面偏差値が高いが故に、平々凡々な私の様な容姿は逆に悪目立ちするのではないだろうかと、ぐるぐる考えていると人形の様なお顔がすぐ近くに…


「…ミオ様?」


「はっ!すいません。そうですね、このまま中庭に向かおうと思います」


ミッシェル様と別れ、護衛の方々が入口に控え中庭の中に進んでいくと…

複数の布擦りの音がして一際高い声を掛けられる。


「ちょっと、そこの貴方っ!何故、貴方の様な方がこちらにいらっしゃるのかしら?こちらの中庭は王族の方々と高位の貴族が利用する場所でしてよ?」


「この用意されているテーブルが目に入らないのかしら?これを見ればこれから高貴の方がいらっしゃると分かりそうなものですのに」


「最近、ジーク様やテオドール様の周りをうろちょろしていると言う、どこの出とも分からない子ネズミではなくて?」


3人の令嬢が次々に話しているのを、テーブルを用意していた侍女さん達はオロオロするばかりだ。それもそのはず大体の侍女さん達は下位の爵位を持つ令嬢が多く、私の目の前にいる令嬢は恐らく侍女さん達よりも高い爵位の令嬢なのだろう。どうしたものかと黙って悩んでいると…


「あら…ブラス侯爵令嬢、ファイス伯爵令嬢、ヴァイス伯爵令嬢ではありませんか?王家のお客人に何かありまして?」


いつもの好奇心旺盛で瞳をキラキラさせたマリーリア様ではなく、凛と高貴な立ち振る舞いで完璧な王女殿下のマリーリア様がいらした。王女殿下の登場に令嬢3人は驚きながらもカーテシーをし挨拶を述べようと口を開くが、マリーリア様が隙のない微笑みで先に口をはさむ。


「わたくしが、このお方をランチにお誘い致しましたの?何か問題がありまして?」


「い…いえ…、問題があったのではなく只挨拶をさせて頂いておりましたの。ねぇ…皆様。挨拶も済みましたし、わたくし達はこれで失礼させて頂きますわ。王女殿下、御前お先に失礼させて頂きます」


残りの二人に同意を求めながら、そそくさと令嬢達はその場を後にした。


「本当に、あのような令嬢は次から次へと沸いてくるわね。ジークお兄様やテオドール様の様な人気のある方々の傍にいる女性は全て敵なのですわ。そんな事より今日はどんな話を聞かせて頂けるのかしらっ!」


呆れた顔でため息一つついてすぐ、いつもの天真爛漫なマリーリア様が顔を出す。本当にこのお方の屈託のない笑顔に、心が明るくなるのを感じる。


「でわ、今日はある病気で記憶が少しづつ消えてしまう女性と、彼女を愛する男性のお話にしましょうか?」


マリーリア様は恋愛に夢見るお年頃なので、元の世界のラブストーリーが大好きで色々聞きたがるのだ。私は映画や本で読んだ物語を話して聞かせるのが最近の過ごし方だ。



お読み下さり、ありがとうございます!

感想・評価頂けたら励みになるので、よろしくお願いします。

場所は、最新部分の本文・後書きの下にあります。


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