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光のベールに包まれて  作者: 瀬廣 真
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5.王家の方々


「はぁ…緊張したぁ…」


力が抜ける様にソファに身体を沈ませる。

クスクス笑いながらマーサさんが紅茶を用意してくれている。


     ***


ジークとテオとの会話の後、『異界の乙女』の体調も回復した

ということで王族との謁見となったのだ。


さすがにワンピースという訳にはいかないので、マーサさんと数人の侍女さん達に揉まれ人生初のコルセットを絞め…内臓が全部出そうな苦しさを我慢すると、淡い黄色でレースをふんだんに

使われたプリンセスラインのドレスに身を包む。


応接室で待っていたジークとテオの前に出ると、目を見開き固まった。すぐに立て直したテオが傍まで進み


「ミオ、凄く綺麗だ。艶やかな黒髪と濡れた黒曜石の瞳が夜の妖精の様だね」


直接的に褒められた事がないので恥ずかしくて俯いてしまう。

ジークも静かに傍に寄ってきていて、じっと見つめている。

美丈夫のテオに褒められ、ザ・王子様のジークに見つめられ

顔だけじゃなくて、きっと耳まで赤くなってしまっているだろう。


「とても素敵で言葉にならない位だよ。

 どうか私にエスコートする栄誉を…」


そっと差し出してくれた手に、ゆっくり手を重ねる。


謁見はよくテレビなどで見る大広間ではなく、部屋の一室で行われた、それでも優に10人は座れる円卓がある部屋だ。


部屋に入ると、私達以外の方達は座っていて

遅かったのかと心配になりジークと視線を合わせれば

大丈夫という様に微笑んでくれたので、大丈夫なのだろう。


失礼のない様に、記憶の片隅にあるうろ覚えのカーテシーをする。


「初めてお目に掛かる『異界の乙女』殿よ」


円卓の上座にいる40代後半位だろうか、ジークと同じ銀髪の紅色の瞳で髭が似合う美丈夫が声を掛けてきた。席には宰相のロードス様。王様の横には王妃さまや、きっと第1王子と王女であろう人達もいる。


「この世界の為とは言え、『異界の乙女』の召喚を認めたのは

 この国の王たる私である。乙女殿こちらの都合で召喚した事

 心より謝罪申し上げる。乙女殿の今後については国を挙げて

 その御身守らせて頂きたく思う。どうかこの世界を頼む」


ピリっとした空気が漂う部屋の中で

王様の最後の言葉を聞いて、その場の全員が礼を取る。

礼を取った状態で、皆さんが動かないので…発言していいのか

凄く迷う所ではあるのだけれど、不敬ではないと判断して発言する。


「頭を上げてください。謝罪は受け取ります。

 えと…まだ異界の乙女の力が分からないので

 お力になれるかも分かりませんが…

 とりあえず、この世界と人々の

 事を知っていこうと思っています。」


私の発言を聞いて、部屋の空気が緩んだ気がした。


「乙女殿のお心に感謝しかない。ありがとう。

 紹介もまだであったな、私が国の王であるグリード・ヨハンネルだ。宰相には会っているな。隣が王妃のマリア、その隣が第1王子のレナードと末娘のマリーリアだ」


それぞれ挨拶していく。

王妃様は茶色の髪の儚げな美人で、ジークと同じ瞳色だ。

第1王子のレナード様は、色彩も容姿も王様にそっくりな方だった。王女のマリーリア様は、色彩はジークとまったく同じの美少女。ジークとマリーリア様は王妃マリア様にとても良く似ている。


この王家の皆様は、人を見下したり強欲傲慢な部類の方々では

ないという事は、それぞれの纏う雰囲気から察せられた。


「わたくし、乙女の方様とお茶をご一緒して色々なお話を

 ぜひ伺いたいと思っておりますの」


好奇心を隠し切れない様にマリーリアが話し出す。


「この世界とは違って魔力がないと伺っておりますし

 服装なども、こちらとは随分違ってらっしゃるのでしょう?

 魔力がないなら、どのように移動してらっしゃるのかしら?

 こちらと同じ様に馬車や馬をお使いになるのかしら?」


「マリーリア、そんなに質問攻めをしていてはミオも困ってしまうよ」


興奮しながら矢継ぎ早に質問を投げかけてくるマリーリアを

ジークが落ち着いてと窘める。


「まぁっ!ジークお兄様ったら、もうお名前で呼ばせて頂いているなんて!わたくしもお名前で呼ばせて頂いても構いませんこと?」


マリーリア様は、とても好奇心旺盛でハキハキとした王女様の様だ。可愛らしくてこちらも笑顔になってしまう。


「呼び名は、マリーリア様のお好きな様に。お茶も楽しみにしておりますね」


「まぁ♪嬉しいですわ。腕を振るって用意致しますわね」


こうして王家の皆さんのと謁見は終わったのである。


お読み下さり、ありがとうございます!

感想・評価頂けたら励みになるので、よろしくお願いします。

場所は、最新部分の本文・後書きの下にあります。

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