表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
光のベールに包まれて  作者: 瀬廣 真
35/36

33.光のベールに包まれて

評価・ブクマありがとうございます!

これにて最終話になります。

拙い文章でしたが、最後までお読み頂き

本当にありがとうございました。


穏やかな日差しが差し込める一室に、静かにベットで眠るように横になるミオ。そのミオの傍から片時も離れず世話を続けるジークの姿があった。


ミオが渦の矢に貫かれてから1か月。未だミオは目が覚めず眠り続けている。この世界で浄化出来るのは『異界の乙女』のみ、すでに乙女が存在している為…再召喚する事は叶わず。王族を始め、貴族たちも諦め始めていた。


憔悴したジークは、それでも諦めず毎日ミオの傍を離れず世話を焼き続ける。睡眠・食事もままならず、やつれて行く様子を見ても誰も止められなかった。


一緒に世話を続けているマーサが、ジークを心配し…テオとアルンに少しでも休む様、説得して欲しいと頼み込まれ…二人揃ってミオの眠る部屋に訪れた。


「ミオ…、ジーク…」


「ミオの眠りは相変わらずなのですか?」


「あぁ…変わらない…。呼吸もしているし…本当に眠っているだけ。だが…目を開けてはくれない…」


「ジーク、俺達が少しの間ミオを見ているから…お前少し身体を休めろ」


「ダメだ…離れたくない…。彼女が目を覚ました時に傍にいたいんだ」


ジークは、ミオの掌を自分の頬に摺り寄せて握り絞める。その綺麗な顔には隈がうっすら乗り、頬もこけているように見える。


「ジーク、ミオは瘴気に侵されている。それを治せるのはミオだけだ。この世界の誰にも浄化は出来ないんだ、ジークだって分かっているんだろう?」


アルンの言葉を聞いて、ジークの瞳から涙が零れる。


「なんで…なんで、あの時…私を庇ったんだ…。私が瘴気に侵されたのなら、ミオに浄化してもらえれば…それで良かったはずなのに…」


「まぁ…なんだミオらしいよな。後先考えないっていうか…『つい身体が動いちゃって』とか言いそうだよな」


「そうですね、パラムの王女の時もそうでしたし…。彼女らしい行動ですね」


みんなの視線がミオに集まる。少し青白い顔で、穏やかな顔をしている。


「ミオは、どんなに上手く出来ない魔術でも諦める事無く努力する私の弟子です。私達が諦めてしまってはダメですね」


「あぁ…何でも一生懸命なヤツだった」


二人がジークの背後に立ち、ジークの両肩にそれぞれ手を乗せた。


「私は諦めたりしない…彼女を諦められない。何があっても、愛しているんです。例え眠り続けるのだとしても…それでも愛し続けたいんです」


涙を流しながらミオの手を頬に当てたまま両手で包む。


3人それぞれ、じわりと温かくなる気配を感じた。ジークは腕に、二人は胸の内ポケットに…。次の瞬間ぶわっと光の粒子が部屋を包む。


呆気にとられる3人だが、はっとアルンが胸のポケットからある物を出した。それはミオの光の粒子を放出させている金色の魔石だった。それを見てテオもポケットから取り出す…同じ様に力を放出させた緑色の魔石。


ジークはミオの手を握ったまま、自分の腕に輝く腕輪を見つめる。


「これは…」


「ミオは安全祈願だと言って力を込めたと言っていましたね。その影響かもしれません、テオ魔石をジークに」


アルンはそう言って、ジークの空いている手に魔石を置き…次にテオも魔石を渡した。3人は黙って、その光を眺めていると…部屋を包んでいた光は徐々にミオを包むように集まり出した。


その光景を見たジークは、ふと…ミオが召喚された時の事を思い出していた。祭壇に光に包まれて現れたミオ。神々しい女神が降臨されたのかと思った。


また愛しい彼女が光に包まれている。光がミオの身体の中に納まっていく様子を3人は固唾を飲んで見守っている。


ミオの動かなかった睫毛がピクリと震える…


「「「―ミオっ!」」」


誰も一歩も動けないで、ミオを食い入るように見つめる。ゆっくりスローモーションの様にミオの瞼が持ち上がる。ぼーっと上に視線を止めたまま、数回瞬きをしている。


「……ミ、ミオ…」


ジークは、恐る恐るミオの視界に入るように立ち上がる。さらにゆっくりとミオの瞳が動き出す。


「じ、、、、く、、、、ない、、、、て、、、るの、、、?」


「うんっっ……うんっ……嬉しくてっ……」


涙を流し寝ているミオを抱き締めるジーク。その後ろには、肩を抱き合い握手を交わすテオとアルンがいた。




     ***




綺麗な青空が広がる日、王都の大教会では…白い衣装に身を纏い美しく着飾ったミオとジークの姿があった。王家の皆様や、宰相様・大神官様…町の人達の祝福を受けて無事に婚姻の儀を行う事が出来たのだ。


あれから、目覚めて…皆にどれだけ私以外の人が瘴気に侵された方が良かったのかを説教された。それを聞かされた私の第一声が「だって、身体が咄嗟に動いたんだもん」と言うと、テオが「ほら、やっぱりな」って言って3人は笑ってた。訳が分からなかったけど、皆が笑っているならいいやと私も笑った。


まだまだこれから、浄化を続ける事になるだろう。どうやらネロールも正式に浄化要請を書簡で願い出ているらしい。まだまだ前途多難だけど、ジークや皆の愛に包まれて…私はこの世界で生きて行こうと思う。


両手いっぱい光の粒子をかき抱いて、この国を…人々を…包むように光を空に放った。



―完―




お読み下さり、ありがとうございます!

感想・評価頂けたら励みになるので

どうぞ、よろしくお願いします。

場所は、最新部分の本文・後書きの下にあります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ