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光のベールに包まれて  作者: 瀬廣 真
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31.西の森

評価・ブクマありがとうございます!


王都から西の森の砦の町ヨードルへは、5日かかり今回も私の意向を組んでもらって…道中、色々な町を経由してもらい浄化して回った。野営の手伝いも慣れたもので、団員さん達も色々声をかけてくれる様になっていた。


西の砦ヨードルに到着後、現時点での状況確認と森へ入る準備を進める。前回の森の浄化では先発・次発と分けて進んでいたが、今回は北の森よりも魔獣の量も多く…強さも上なのだそうだ。

それで今回は、全体で進み闘いながら浄化する事となる。浄化してしまえば近辺の場所には魔獣は近づく事もない為、連日野営をしながら奥へ進む予定だ。その為、砦の小隊も野営物資を運ぶ為に一緒に森に入る事になった。


出発の前に、テオとアルン様の元へ駆け寄った。


「あのね、安全祈願みたいな御守りだと思って受け取ってくれる?」


先にテオの掌に乗せたのは、綺麗な緑色の魔石だった。王都で最後に孤児院を訪れた帰りに上質な魔石を見つけて、安全と健康を祈って力を込めておいたのだ。


「この世界の男の人に渡すのに、どうするのがいいのか分からなくて…魔石のままなんだけど、帰ったら好きに加工してね」


「ありがとう」といつもの調子で言ってくれるかと思ったのに、なんだか考え込んでしまったテオ。どうしたのかと首を傾げると…


「ありがとな…なぁ、ミオ。ジークとの事も聞いたけどよ…それで、お前は大丈夫なんだよな?幸せになるんだよな?」


「勿論だよ。ジークだけじゃないよ、仲良くしてくれるテオやアルン様…王家の方々や町の人達、みんなが私に笑顔をくれる。今でも十分幸せだよ」


いつになく真剣なテオに笑顔で答える。


「そっか…それならいいんだ。これ本当にありがとな」


それだけ答えると、すぐに背を向けて歩いて行ってしまった。


「まぁ…そっとしてあげなよ。それで私にもあるんでしょう?」


呆然と立ってた私にアルン様が声をかけてくれた。「はい!」と手渡したのは、金色に輝く魔石で…これにもしっかり安全・健康の力をめいっぱい込めておいた。


「ありがとう、帰ったら杖に嵌める事にするよ」


二人に御守りが渡せて良かったと安堵して、ジークの元へ歩く。



     ***



前半から魔獣が出現し、戦闘の時間も長く…私も土で魔獣の足止めをしたり、怪我をした人の回復をしながら先へ先へ進む。渦を2つほど浄化すると、すでに日が暮れ初め野営の準備となる。予想以上に進めず、戦闘も多い為…みんな疲労の色が見える。


私は率先して小隊の皆さんと食事を用意し、騎士さん達に配っていく。もちろん笑顔で、これでも異界の乙女と呼ばれている私なのだから…乙女が下を向いたり疲労を全面に見せては周りも余計に気持ちも落ちてしまうだろう。私は戦えないから、先人切って戦ってくれてありがとうと感謝を込めて、野営の中を歩き回る。


連日戦闘は多く、土で足止めしたり…横から現れた魔獣に防御盾を張りながら魔術師さんをフォローしたりしながら浄化していく。予定の日程よりも浄化して進むのは遅いが、それでも少しづつは浄化の範囲を広げていった。


浄化も後半に差し掛かった所で、前方から「スライムだっ!!」との声が響く。今まで出現していた魔獣の種類が急に変わり、大量のスライムが出現したようだった。スライムは元の世界でよく見たアニメみたいな可愛いものじゃなく、この世界のスライムは大きな騎士が3人程余裕で飲み込まれる大きさだ。


そしてスライムには剣が効かず火の魔術で燃やすしかないのだ。動かないように騎士達が周りを囲んでも味方を傷付ける為、火力が出せず…火力が出せないから致命傷にはならず、スライムが酸などで反撃し動いてしまう。悪循環に陥っていた。今回の浄化で選出された魔術師の半数は火属性だったが、上手く殲滅出来ず…ただ消耗していくだけだった。


「一旦引け!先頭に伝令を!!」


ジークの声と共に、前回浄化した場所まで下がり回復と戦略を立て直す事とした。今の様に騎士で囲んでも火力が出せず殲滅不可能だ。しかし囲いこまないと、スライムが動き火の魔術が広範囲になる為…他の木々に引火し余計危険な事。ふと、気づく。


「あの、私の土の魔術でスライムを囲いますから…そこなら高火力で殲滅出来るのではありませんか?魔術師さんの中に土属性の方はいますか?」


「残念ながら、土の属性は戦闘に特化していなくて。今まで土属性の魔術師はいないんだ」


困惑した顔で、アルン様が答えてくれる。


「今回のミオの土属性を使った立ち回りを見て、今後魔術師団に土属性の検討も考えてはいるが…今回は…」


「分かりました。では、私が囲っていくので…火属性の魔術師さん達で、いくつかペアを作ってもらって…なるべく高火力で殲滅の速度を上げて貰えれば、次々倒していけるのではないでしょうか?」


「それではミオの負担が大きすぎる」


私を心配しジークが声をあげるが、私はジークを見つめて微笑む。


「大丈夫。無理はしないし、他にいい方法があればいいのだけど…難しいみたいだし」


「では、なるべくミオの負担を減らす為にも…囲ったスライムの殲滅の速度を上げる様に構成しよう」


そうして、魔力回復と補給の休憩を取ってから…再度スライムに挑む事になった。



お読み下さり、ありがとうございます!

感想・評価頂けたら励みになるので

どうぞ、よろしくお願いします。

場所は、最新部分の本文・後書きの下にあります。


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